1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:マーケッター交流の場「こんなところに行ってきました」

「病みつきを科学する 廣中先生に会う会」に行ってきました

10月10日(水)に、小田急線本厚木駅からタクシーでNTT 厚木研究開発センタ内にある、廣中先生の研究室にお伺いしました。
参加者は、総勢10名。研究室では、ラットを使った実験の様子や研究成果について、先生から直接のご説明を頂きました。人間の情動の負の面(探索/怖れ/嫌悪/悲しみ)の中から、「探索(Seeking)」?つまりは期待、欲求、渇望に注目し、薬物を与えたラットがどのような行動を起こすのか、また、それらはどのような脳内の変化・活動(ドパミン受容体や海馬、扁桃体による記憶との関係)を起こしているのかなど、興味深いお話でした。

その後、先生を囲み愛甲石田駅近くの「めんどり」という店で、懇親会。先生とのお話も弾み、大変盛り上がって、楽しい会でした。 参加者の声と、関連資料をご覧ください。

【参加者の声】

参加された中から、いくつかの声をお届けいたします。
JOC(日本オリエンテーション)では、こうした"面白いチャンス"をみなさんと共有していきたいと思っています。あなたも、是非最初の一歩を踏み出してみてください。

  • あのような場を提供していただき、商品開発として非常に有意義なものでした。今後もだべる会等に参加させていただきたいと考えております。(化粧品 開発)
  • やみつきについて面白い研究内容を色々とご紹介頂きました。毎日使っていると飽きてしまうという商品が多い中で、継続して長い間使って貰える商品作りをしていきたいと思います。また、松本さんの話の中にもあったハマリやすい人をターゲットにしたマーケティングも面白いなと思いました。この様な人がアーリーイノベーターになりやすいのでしょうか。あと触覚研究所のお話も魅力的に感じました。フィジカルにどんなに良い物であるか説明しても、触った感触の気持ち良さにはかなわない様に思います。(家電メーカー 事業推進部)
  • 興味深い時間をすごさせていただき、ありがとうございました。社外の人と接触させていただくことで、刺激を受けたり、仕事のヒントをいただいたりできますので、このような場を設けていただくこと、非常にありがたく思っております。まだセミナーの補習も残っておりますし、ダベる会にも行かせていただきたいと思います。(薬品会社 開発)
  • 廣中先生の研究は昨日拝見した範囲では、薬理・病理的な基礎研究という印象でしたが、我々が求める商品の探索等の分野で大いに発展性のある研究と感じております。お話も分かりやすく、また楽しく拝聴することができました。食事会でも、多くの方とお話することができ、とても楽しい時間を過ごす事ができました。(薬品会社 開発)
  • 先日は、廣中先生とお会いできる機会を設けて頂き、ありがとうございました。研究をやっている立場としても、なかなかないお会いできない先生ですので、大変良い刺激を受けました。また、他企業の方とも交流でき有意義な時間を過ごさせて頂きました。(化粧品会社 研究所)

2006年11月6日、日本経済新聞からの記事です。

脳知る技使う心(9)マーケティング新手法--消費者心理MRI分析
(ここから)米ベイラー大学教授のリード・モンタギューらは脳の科学的な分析でこの謎に迫った。清涼飲料のコカ・コーラとペプシコーラ、どちらか一方のファンという人を集め、好きな方を飲んでいるときの脳の活動を磁気共鳴画像装置(MRI)で測定した。
コカ・コーラ好きの人で、ブランド名を教えた場合と伏せた場合を比較したところ、前者の場合だけ脳の前頭葉や海馬が強く活動していた。このため、これらの部分はブランドの認識にかかわっているとみられる。
ペプシ好きの人の実験ではブランド名がわかっても、わからなくても、活動はなかった。
モンタギューは「ペプシを好む人は味で製品を選び、コカ・コーラのファンはブランドの影響をより強く受けているのだろう」と分析する。それだけコカ・コーラのブランドイメージが深く浸透している証しという。
米カリフォルニア工科大学教授の下條信輔らは「好き嫌い」の判断をつかさどる部分を見つける研究に取り組んでいる。人が何かを選ぶとき、損得や優劣だけでなく、単純な好き嫌いも関係する。脳のどこで判断しているかわかれば、「消費者が広告に抱く印象を科学的に測定できる」。

※下條信輔教授の「下條潜在脳機能プロジェクト」に廣中先生が参加されています。
消費者が、商品の何に"好感"を持っているかを、科学的に調べられる時代が近づいています。