1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

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考えるヒント:メルマガ「マツモト・ヒントビット」

新商品開発15のヒント!(11/29)

配信日:2017年11月29日

「新商品開発・ヒントビット」第193号

・・・‥‥…商品開発の「小さな・小さなヒント=ヒントビット」…………‥・・
100○◆    マツモト・新商品開発ヒントビット
■193○   発行者:日本オリエンテーション 松本勝英
30▼001        毎月第2・第4火曜日発行
・・・‥‥………………… by Japan Orientation ……………………‥・・・

2017年11月29日(水)
ベトナムからシンガポールに来ていて、シンガポールの魅力を満喫しています。
人口約530万人のうち、約380万人が国民と永住権保持者で、その約70%が中華系、15%がマレー系、10%がインド系。言語、民族、宗教を尊重する精神は法律でも配慮され、言語、民族、宗教を侮辱することは、法律で禁じられています。一歩外に出れば、肌の色、様々な民族衣装、文化による洋服のセンスの違いを見ることができ、英語はベースだがいろいろな言葉が飛び交っている。チャイナタウンに大きなヒンズー寺院がある。公共住宅HDB入居者もいろいろな民族が一緒に住んでいるのも多様性を生んでいる。生活面も、政府主導で低コストの高層団地を作り、全ての国民に近代的で快適な住宅を提供し、将来の生活不安解消に貢献している。「ホーカーセンター」と呼ばれる公営フードコートが併設されていて、生鮮食品や乾物が安価に求められ、ホーカーセンターでも低価格の料理を楽しめます。私もチャイナタウン、リトルインディアのホーカーに行って、2〜3ドルほどで食事をしました。主に街中はタクシーで移動していましたが、緑が豊かでゴミも見当たらない、とても美しい街です。緑の自然を人工的に作っている「ガーデンシティ」構想が生きています。ゴミの収集活動もしっかり行われているので、蚊やハエもほとんどいない。情報化、グローバルな人材の吸収力、世界ナンバーワンの動物園、近未来的な植物園ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ、シー・アクアリウム、オーチャード・ロードなど楽しさにもあふれています。
これから日本は、超コンパクトで超高密度な情報国家シンガポールに学んでいかないといけないのでは。

【伝言】
第144回「商品開発プログラムのたて方36時間」セミナー2018年月2月22日スタートです
“なぜ30年以上、企業から支えられているのか”
☆36時間セミナーで、36の成功の秘訣が深く学べるセミナー。
☆40年のコンサルティングの成功、そして失敗のエキスです。
☆30年企業のリピーターによって支えられ、続けて来られたセミナーです。
☆商品開発の厳しさ、楽しさが実感でき、成長を促すセミナーです。

★商品開発ヒントビット第193号

2001年、生活者の変化はどの方向に・どこまで来ているのか?のレポート『開発視点30』を作りました。いま読んでみてもヒントになるので取り上げました。今回は健康編後半です。

1.自分の体との対話力
自分の体から発せられるシグナルに気づく前に薬や計測器の力に頼ることの多い現代。人間が本来持ちあわせているはずの体内シグナル力に気づき自分でメンテナンスしたいという欲求をサポートする。

2.自律・自立マーケット
長寿化にともなう介護問題の背景を受け、自分のことを自分でできることが健康の原点という意識が高まっている。ウォーキングのブームなど今後もその思いが強まっていくものと思われる。自律・自立の二つの不安に対するマーケットが出現するのでは?

3.老人的生活スタイル
以前は弱者の象徴であり、健康イメージからは遠かったはずの老人が、10代では理想的健康者と捉えられている。起きたい時に起き、食べたいものを食べる。自分に素直なことが一番の健康。それが実践できているのが老人。

4.*Morni**ng* *up* (Morning+Worming up)
現代においては豊かな夜が失われ、同時に豊かな朝も失われた。寝ている生物としての自分と、働く社会人としての自分の間にあるギャップが埋め辛くなっている。このギャップを埋める助走のしかけを作ること。

5.日常的健康の実感数値化
現代社会においては人との関わりは喜びではなくストレスのもととなることが多くなっている。わずらわしい人間関係のない、自分だけの自由な世界・状態への欲求が高まっている。この欲求を満たすサービス・商品開発は健康産業の一端を担う。

6.エルダー1stインプレッション
「いつまでも小奇麗でいたい」というお年寄りのニーズは強く、これからも拡大するものと思われる。が、対応した商品はまだ少ない。老人の身体的ファーストインプレッションにもっと関心を向ける。

7.ソフトな附荷
ジョギングやスポーツクラブでのトレーニングよりも、もっと気楽に・簡単に継続して行える健康行動へと関心はうつっている。ハードに鍛えるのではなく、「何かのついで」くらいの気軽さで身体に負荷を与えることが望まれている。

8.ハーベスト生活
自ら畑を耕し、野菜や米を育てることから遠く離れてしまった現代においては、自然と共存して生活する感覚も失われつつある。自分で作って、自分で食べる。自給自足的な育てる喜び・収穫の喜びが精神的豊かさをもたらす。

9.百薬の長
一般的にネガティブと思われていることでも適量を保てばどんな薬よりも優れた薬となる。我慢するのではなく、新しい付き合い方を提案することが切り口となるのでは?不健康な行為を中和する「エクスキューズ商品」がもっと必要。

10.めぐらせる健康
血をめぐらす、気を吸い込む、思い切って声を出す。現代社会においては、こういった体内循環を促すチャンス・タイミングが少なく、体内循環渋滞が起きている。滞ることなく、循環を作ることが身体的健康をもたらす、という意識が高まっている。

11.嗜好品化
良いとわかっていても面倒であったり、敬遠してしまうような健康行動も、「楽しさ」「気もちよさ」を加えると取り入れ易くなる。「歯磨き」という健康行動はメントールにより嗜好品化された。健康行動+「快」で嗜好品化することが習慣化・継続化につながる。

12.声の出口
「声」が身体にたまっていて、それを何かの機会に吐き出したい、という欲求は世代を超える。汗や便のように声にも循環が必要。たまった声を「上手に」吐き出させるための仕掛けが必要ではないか。笑うことは心の心臓。笑うことで循環する。

13.心のサンクチュアリ
かつてはお稲荷さん・道祖神などのように町角や路地裏でひっそりした心が癒されるような空間が数多く日本にはあった。今はそういう場所が失われている。懐かしさや土着宗教な伝統など、文化的な要素による癒しと、従来の科学的要素による癒しをハイブリットすることがキーになる。

14.温
冬に限らず体を温めることが、気が付かないうちに力が入って縮こまっている体を緩ませてくれる。温湿布・カイロ・ユタンポ・懐石など日本にはいろんな場所を温める文化があった。あったかさに着目した健康価値の可能性があるのでは。

15.快動
ウォーキング・キックボード等の流行にはこうしたスピード感や身体感への欲求があるのでは。単なる運動を平行感覚や加速感のような、人間が生得的に持っている感覚を取り入れ楽しくする「快動化」が開発のヒントでは。

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