1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモトミネラル」

マツモトミネラル第102号

配信日:2003年12月02日

第101号
『「わかる」2』『新しい「ヒエラルキー」』『モノクロ映画』『ストック・リノベート・ソリューション』他


 ■□■…第101号の内容………………………………………………‥‥・・

『「わかる」2』
『新しい「ヒエラルキー」』
『モノクロ映画』
『ストック・リノベート・ソリューション』
『イタリアのビジネスモデル』
・・・‥‥……………‥・・‥…………………‥‥・・

寒くない12月です。しかし12月です。
2003年のテーマは、「魅力の開発」と「生活DELIGHT」の提案でした。

「魅力の開発」を遊ぶ
商品に『が』をつけよう。「・・・『が』ぜひ欲しい」「・・・のコーヒー
『が』飲みたい」の『が』で、「コーヒー『で』いい」というコモディティ
では魅力になりません。
『が』開発を遊び楽しむ。居酒屋の「マグロの刺身1000円」の短冊では食べ
たいとは思えません。どんなマグロの刺身にしたら『が』がつくかを遊んて
みる。「大間の生マグロ」「厚切りマグロ」「トロあぶり焼きマグロ」「寿
司マグロ」いろいろ考えて遊ぶ。
T社のkさんに連れて行ってもらった原宿の飲み屋「小菊」から毎日、今日
の魚のメールが来ます。こんな内容です。
★11月27日、本日の魚河岸の仕入れ!
今年は天然とらふぐ漁が不調らしく、既に1kg1万円近辺に張り付いてしまい
ました。
申し訳ありませんが、天然とらふぐ、さしみ、ちりを、本日より3100円にさ
せていただきます!
それでも原価率5割は超えてしまいます!
と言う事で、活けの天然とらふぐ、1.3kg!アブラもノッテキテイマス!別注
で白子も買いました!
イタリアより、本マグロ鎌トロ、頭なしで180kgの巨体です。
根室の毛蟹、一尾350gサイズ2500円でお出しします!
函館の釣りの槍烏賊、刺し身にも出来ます!
相馬のさば、0.85kgさばも、高騰中k3300円です!
しゃこの爪、よくまぁ??こんな、小さな爪を一つ一つ、むくもんですなぁ?
?!
網走の釣きんき!青森の釣めばる!北海道の白魚!紀州の活けアオリ烏賊!
玄海灘の天然活けのくえ、1.5kg!
青森のするめいか、塩辛、ウンマイ??!北海道は、甘エビ!
愛媛の小あじ、たたきでも、鯵酢でも!銚子の大羽いわし!
以上、ご参考までに!
原宿の魚屋、小菊より!
渋谷区神宮前2-31-7 03-3478-1993 戸田 正廣
行ってみたくなりますよね。「魅力」のメールです。魚の大好きな、あるじの
ハートが感じられます。(12月3日に飲みに行く予定です。6時45分ラフォーレ
原宿前待ち合わせ。ホームページまでご連絡を)
自分が「DELIGHT」でなければ。
「生活DELIGHT」を提案するには、提案者自体がDELIGHTの体験をしていないと
なかなかしんどい。企業の人に、今年の「DELIGHT」の体験はと聞きますが、
「DELIGHT」体験の話を聞きません。
今年、サクラの花の下での朝食、夫婦でベトナム縦断、ベトナムの人との出会
い、11月29,30日一人で函館に夕飯を食べに行きました。行きつけの「幸寿司」
「てんぷらまつ本」バー「杉の子」で楽しんできました。なじみの店での楽し
いひとときでした。札幌から函館本線で函館まで六時間の旅は、本を読んだり
ワインを飲んだり、コックリをしたり、枯れた風景を見たり、隣のお年寄りの
生活話に耳を傾けたり最高でした。

この2週間は少しストレッチがかかりました。11月17日から11月28日の間、昼
間の仕事(コンサルティング、セミナー)と、夜のコンサルティング仕事のダ
ブルヘッダーが5日間あり、脳疲労です。成果が出るとドンドンですが、ブレ
ークできないとヘナヘナです。ヘナヘナドンドンでした。
2004年も、好きな遊び、好きなことを学び、好きな仕事の「三好き生活」で行
きたいなと思っています。    
            日本オリエンテーション 主宰 松本勝英
  ・・・‥‥……………‥・・‥…………………‥‥・・
■『「わかる」2』
★解  説
  「わかる」とは納得することである。身体に届く納得(脳だけの
 納得ではなく)。効率の良さは効率の悪さに通じる。「わからない」
 を明確にし「わかるべきこととはいかなることか」を知り「至るべ
 きゴールの認識」を持つ。「わからない」を探さずに、「わかる」
 ことばかり探したがる人は「わからない」。「わかる」とは、自分
 の外側にあるものを、自分の基準にあわせて、もう1度自分オリジ
 ナルを再構成することである。
              『「わからない」という方法』橋本治 
★ミネラル
  「わかっている」という時代から「わかっていない」という時代
 に変わった。何が「わからない」かを明確にすることが「わかる」
 ことにつながる。何が「わからない」かを探しに行きましょう。
 テツANDトモの「何でだろう」も共感おもしろです。 
   ・・・‥‥……………‥・・‥…………………‥‥・・
■『新しい「ヒエラルキー」』
★解  説
  階層的構造のない社会はあらゆる方向に飛んで衝突し、跳ね返る
 気体分子のようにランダムな動きのように無秩序になる。現在は旧
 のヒエラルキーが壊れ、新しいヒエラルキーを必要としている時代
 である。     
★ミネラル
  「豊かさ」の時代から「幸せ」の時代へ変化しています。お金と
 か、成長率などの定量的基準は、個人の「幸せ」にとって意味を持
 たなくなってきています。新しい「幸せ尺度」の開発が必要では。
   ・・・‥‥……………‥・・‥…………………‥‥・・
■『モノクロ映画』
★解  説
  邦画を牽引する中堅監督たち(黒沢清、青山真治、押井守など)
 がモノクロ映画を発表し始めた。モノクロで「見慣れた日常の風景
 をずらしてみたい」「狙い通りの非現実的な空間を作ることができ
 た」(黒沢)
 未開拓の表現(時代物や懐古的とは違って)「その奥にある見えな
 い“気配”を映すにはカラー映像の画一的な現実感から解放され自
 由な創造力が必要」(青山)
 「カラーは表面的に情報量は多いが、それだけで終わっている」
 「情報量が少ないゆえに豊かな選択肢を与える映像が見直されてい
 る」「モノクロにすることで現実以上に現実的な絵の手触りを出し
 たかった」(押井)
★ミネラル
  カラーのように情報量が多いと、受け手は自由にイメージを膨ら
 ませることが難しくなる。受け手、消費者が送り手、メーカーの意
 図とは異なる受け取り方、使い方が出来ることがおもしろいのでは。
 私は白黒の写真、映画が好きです。勝手にイメージ出来て楽しいで
 す。
   ・・・‥‥……………‥・・‥…………………‥‥・・                       
■『ストック・リノベート・ソリューション』
★解  説
  すでにあるストックに手を加え顧客満足につなげるビジネス。
 住宅の質的向上の需要を掘り起こす。これからはモノもサービスも
 売る時代。(松下電工社長 西田一成)  
★ミネラル
  ストックを有効に活用するためのリノベーションが必要では。そ
 の前提として残存価値の高い商品の開発が急務では。
   ・・・‥‥……………‥・・‥…………………‥‥・・
■『イタリアのビジネスモデル』
★解  説
  イタリア中小企業の競争優位の源泉は「われわれは物を売ってい
 るのではない、物を媒体として生きることの楽しさ(見て、身につ
 けて、組み合わせてワクワクするもの)を消費者に提供するのだ」
 という考え。
 物余りの時代になり、消費者の購買行動は、自分が持っていて楽し
 い物、個性が表現できる物を買う、という風に変わってきている。
 イタリア人は、こうした市場の変化を彼らの感性で敏感に感じ取っ
 たうえ、自分たちがルネッサンス依頼継承してきた美の感覚を商品
 に取り入れてた。これにより「生きることの楽しさを消費者に提供
 する」という、脱工業化、情報化社会のビジネスモデルを築きあげ
 ている。
 それぞれの企業は、独自性を維持しながらも、あたかも形を変える
 原生動物のアメーバーのように、一つのビジネス実現のために、タ
 ーゲットの企業と柔軟に結びついてネットワークを組み、そのビジ
 ネスが終われば離れていく。水平的なナレッジマネジメントを最も
 効率的に行って共創優位を得ているのである。「産業集積モデル」、
 「知の集積モデル」
 企業系列の依存から離れ、技術力や商品企画力を持ち他企業が水平
 的に結びついて、職人の暗黙知をフルに活用しながら物づくりを行
 い、ニッチ市場向けに限定した量の製品を直接販売していく。
       小林元 東レ経営研究所小林イタリアオフィス代表
       文教学院大学大学院客員教授 日経新聞 2002.05.03
★ミネラル
  これからはヒューマンな商品づくりが必要では。小林さんの「人
 生を楽しむイタリア式仕事術」(日経ビジネス人文庫)の中で、イ
 タリアの縫製工程は日本の80工程に対して120工程ある。 日本と共
 通の80工程については機械化合理化が行われているが、イタリアの
 プラス40工程は着心地をよくするための40工程で、手工程だそうで
 す。今後職人の手によるつくり込みの商品が魅力になってくるのでは。
          
・■■■………………………………………………………………………‥‥・・
 ■□■ 「MATSUMOTO・MINERAL」
 ■■■ 第101号 (2003.12.02) (c) 1999 Japan Orientation
………………………………………………………………………‥‥・・

前のミネラル 次のミネラル