1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモトミネラル」

マツモトミネラル第204号

配信日:2008年01月22日

第204号
『原油高は持続的成長の条件』『日本に学ぶGE』『破壊的革新を』『「安心のシステム」から「信頼のシステム」へ』『情報の海で』

1月も中旬を過ぎ、正月からいろいろな方々と話をする機会がありました。
営業利益率10%を超えるビジネスモデル、革新の風土をどう創るか、企業独自のマーケティング・ウェイをどう創るか、そのための商品に対する「想いづく り」、大きな経験を通してブレークする力をつける「修羅場くぐり」、飛躍をする「場づくり」、変化の芽を引き抜き、新しい価値を創造し、実行に移せるマー ケティング「人材の育成」、一流の技術と一流のマーケティングを融合する「研究所マーケティング」など、いろいろやることがあると感じました。
課題をオポチュニティーに変えるチャレンジをしたいと考えています。

■『原油高は持続的成長の条件』
★気づき
 原油高は持続的成長の条件 原油価格の上昇は、米国の過剰消費、中国の過大投資を収束させ、世界経済の最大の不均衡問題である米国の赤字、中国の黒字を 是制することになる。世界経済の成長率を3%以下に抑制。そのためには、先進国の成長率は2%、途上国は4%を下回る程度まで減速する必要がある。持続的 な成長の条件は、米国の消費から投資へ(省エネ)、中国の高成長から低成長への移行(資源制約)。世界経済にとってのリスクは、不況の進展が早すぎて、構 造調整が進む前に原油価格が下落してくることだ。この場合の理想的な対応は、省エネ基準の大幅な引き上げによる投資の加速である。
中前忠 中前国際経済研究所代表 日経新聞2006.1.4
★ミネラル
 発想が面白い。長期的持続的成長プランです。省エネがその要になる。
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■『日本に学ぶGE』
★気づき
 生産性重視の企業から成長性重視の企業へと変わり、買収に頼らない内部成長を加速させようとしているGE。
世界の成長率を大きく上回っているトヨタ自動車など15社をベンチマークに、世界のGDP伸び率の2?3倍の平均8%前後の成長値を目標に設定。プロセス 重視の姿勢を持ち、それを顧客満足に結びつけているトヨタ自動車をはじめ、成長企業の社員が持つ強い外部志向と、明確でわかりやすい思考を参考に社員の能 力開発を行っている。
米GE会長 ジェフリー・イメルト氏 日経新聞2006.11.9
★ミネラル
 私もいくつかのベンチマーク企業と人をマークしています。内橋克人さんは魅力的な発信者です。成長重視の視点と、社会構造の矛盾解決視点でのベンチマークを心がけています。
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■『破壊的革新を』
★気づき
 破壊的革新を 持続的革新に対して、破壊的革新を。
持続的革新による性能向上のスピードが上がることによって、やがて消費者が使いこなせなくなる(インテルの「ペンティアム4,自動車エンジンの性能」)
ソニーはブラウン管テレビの性能向上に固執して、新方式の液晶テレビという破壊的革新に遭遇。
トヨタが注意すべきは、価格が2千ドルの乗用車で破壊的革新を進めるインドのタタなどだろう。低コストのビジネスモデルを上位市場に持ち込まれたら、日本メーカーは太刀打ちできなくなる。
クリステンセン教授 日経産業新聞2005.9.7
★ミネラル
 過去の成功体験を捨てることのむずかしさが、破壊的革新の阻害要因です。
広い視点の危機意識が、破壊的革新の出発では。
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■『「安心のシステム」から「信頼のシステム」へ』
★気づき
 日本にあったのは<信頼>ではなく<安心>
村社会による集団内部でお互いに縛りあう<安心のシステム>があった。そのシステムが機能しなくなった。それに変わるシステムとして<信頼のシステム>を。
信頼関係で結び合うような社会の原理。それは情報を重視するシステムで、みんなが進んで自分に関する情報を出し合う。そのために情報の透明性が重要。
★ミネラル
 これからは情報の公開による、マルチコラボレーションが重要になります。
もとは信頼です。信頼をなくした企業、社会システムはむしばまれていきます。
オープンで信頼される個人、企業、社会にしたいです。
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■『情報の海で』
★気づき 
 情報の絆によって結ばれた「感情共同体」。しかし、見逃せないのは、人々が共有する感情が持続しなくなってきていることだ。田中真紀子人気、小泉人気 も、失速するのも早い、感情の共有は一瞬で、関心はすぐに次に移ってゆく。出入り自由。態度を変えても何の痛みも感じない、人々の感情がますます生活の中 に根を持たなくなっている。感情共同体が生まれてくるのは「情報量が増えすぎて全部を消化できなくなって、人々の判断が情緒的なイメージに左右されるよう になっている。(社会学者石川氏上智大学教授)
新技術やメディアが登場する時代には、人々の感覚が不安定になる傾向がある。(倫理学黒住真氏東大教授)」
「人間の感覚が揺らぐ時期には原始的な衝動や感情が力を持つ。日本では社会や人間関係の中で、感情や衝動をトレーニングする場がなくなっている」また、電 子情報機器の登場が、人間の感覚を肥大化させ「現実の自分は何も変わっていないのに、大きな力を手にしたという万能感を感じる。弱者へのバッシングが起こ りがちなのも、自分が強者だと思いこむ人々の心理が働いているためかもしれない。」
清水克雄 朝日新聞編集委員 朝日新聞2004.8.10
★ミネラル
 科学、技術などの外部環境が人間の心を貧弱にしていく。感情、情動を豊かにするために、自然との回路が重要になってきています。棚田でコメを作ってみたいですね。
                         日本オリエンテーション 主宰 松本勝英
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★マイカレンダー 2008年1月7日(月)?1月21日(月)
1月7日(月)仕事始め。激動の年、時代になるが慌てず、チャレンジブルに仕事をしようと新年あいさつ。
8日(火)2社の企業の方が来社。商品評価システムの構築。コンセプトから、製品までの一貫した評価システムづくりを提案。生活DELIGHT商品作りのヒントを玩具から学ぶ。夜は、化粧品業界の集まりに参加。11時頃まで楽しく遊んできました。
9日(水)コンサルテイング相談。システマティックとクリエイティブな商品開発づくり。
午後、企業の方があいさつに。
10日(木)コンサルティング。キーワードを具体的に商品切り口へ。
午後、調査会社の方が来社。仮説型調査方法の開発についての話。
夜は「マーケティングだべる会」。
11日(金)12日(土)消費者インサイトに基づく商品開発社内教育。
15日(火)夜、客員研究員とすっぽんを食べに。御馳走になりました。おいしく元気になりました。
16日(水)コンサルティング。テーマの切り口開発。夜、企業の役員と快食。
いろいろなヒントが浮かんできました。
17日(木)18日(金)19日(土)大阪へ出張。いろいろな企業の人と意見交換。意義ある出張でした。19日は、立命館大学院でショートセミナー。
夜、京都の行きつけ「京菜」で客員研究員と快食。「京菜」の味に満足満足。
20日(日)行きつけの「鮨寛」30周年の祝いの会に出席。240キロのマグロをみんなでたいらげる。
21日(月)コンサルティング。切り口とビジネスモデルの双方を考える。


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 ■□■ 「MATSUMOTO・MINERAL」
 ■■■ 第204号 (2008/1/22) (c) 1999 Japan Orientation
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