1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモト・新商品開発ミネラル」

【マツモト・新商品開発ミネラル】第310号

配信日:2012年4月17日

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・■■■        商品開発・マーケティングの
・■□■   MATSUMOTO・新商品開発MINERAL
・■■■     発行者:日本オリエンテーション 松本勝英
        毎月第1・第3火曜日発行(創刊 1999/10/01)
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    ■□ 第310号 Table of Contents □■
      ◇マツモト・新商品開発ミネラル
      『「これがいい」ではなく、「これでいい」へ』
      『企業人も田舎暮らしを』
      『個人化』
      『隠喩との格闘』
      『世界はサイバビリティ(生き残る力)を問われる時代になった』

◇伝言
第117回「商品開発プログラムのたて方36時間」セミナー
6月28日スタート。
ヒット商品づくりの人材育成と、ヒットの仕組みづくりが、商品開発の開発です。実践的・体系的で深く学ぶ「場」です。利益を生み出す新商品、ニーズ開発、商品コンセプト開発、テスト手法、ネーミング・パッケージング、導入プランづくり、導入後のフォロー。商品開発の全てが学べる6日間36時間のセミナーです。
◆『学び合いの「場」』
「幸せを創るマーケティングを深める」4月23日(月)19時より
第1回の延長。人間は、日本人はどんな「コト」を幸福と感じるのか。深めていきたいと思っています。
場所:日本オリエンテーション事務所 参加費:1000円

2012年4月17日(火)
6月8日(金)9日(土)で、第13回「商品開発車座塾・会津』を開催します。毎回、企業の方々10人ほどが集まり、時代・市場・生活価値観の変化と新商品開発、企業の今日的、未来的課題を、夜遅くまで語り合っています。今年は"変化とイノベーション"をテーマに、会津という、日常的空間とは異なる「場」の力を借りて、日ごろの発想とは違う、新しい発見をしたいと考えています。おもしろくて深い出会いが得られます。

■『「これがいい」ではなく、「これでいい」へ』
★気づき
 「これがいい」ではなく、「これでいい」へ。決して諦めでもなく、我慢でも不満でもない。成熟した消費者化のアンチテーゼを問い続けてきた。普通でいることが幸せ。日常のありがたみと、家族と一緒にいることが出来るありがたみ。MUJIは必要以上に加工しない。「割れ椎茸」は、いまでは常識。ベッドを足つきマットレスといい、寝るだけでなく、ソファーとして座ってもらう。生活者の好きにしてもらう。「繰り返し原点、繰り返し未来」少ない資源で美意識と豊かさを謳歌できると考えている。電力消費が右肩下がりでの豊かさ。海外では「MUJIは日本初の生活美学」と言われている。シンプルは難しくてごまかしが聞かない。
良品計画社長 金井政明氏
日経MJ2011.10.3

★コメント
 こだわり消費と、こだわらない消費。全てにこだわるとコストがかかる、こだわりがなくなると生活がおもしろくない。新しいバランスが求められていくのでは。
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■『企業人も田舎暮らしを』
★気づき
 「決められた規則の中で情報処理業に徹していればリスクがない。何か行動を起こしたら、経験が増えて自分が変わる。そんなことをしたら人生を賭けることになりかねないから怖いのでしょう。」「自然に触れると眠っていた感覚が働くようになります。田んぼに入れば足が沈む。石ころ道では注意しないとつまずく。舗装された道ばかり歩いていると、感覚が怠けます。」
解剖学者 養老孟司氏
日経新聞2008.1.7

★コメント
 人間力を取り戻す。書を捨てて田舎に行こう。
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■『個人化』
★気づき
 男女平等などが進んだ結果、家族や階級といった『集合的カテゴリー』から個人が解放されると同時に、裸の個人として自らの人生を運営するように迫られている。個人化によって家族はリスクの場に変わりつつある。リスク社会化と個人化が同時に起きている。グローバル化のもとで、保護されることなく責任を持ちようもない状況が広がっている。
社会学者 ウルリッヒ・ベック
朝日新聞2011.1.11

★コメント
個人化が進むと共助の精神が弱ってくる。個人化と共助が成り立つような社会とは?個と群れ、現代の長屋生活とは?新しい共同体が求められているのでは。
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■『隠喩との格闘』
★気づき
 アメリカの批評家で小説家のスーザン・ソンタグの著書の一つ『隠喩としての病』(1978)の中で、ヒトラーのユダヤ人攻撃演説、ユダヤ人こそ「諸民族の中の人種的な結核」や、イスラエルは「アラブ世界の心臓部に巣喰う癌である」などを挙げ、「隠喩は複雑なものを単純化する傾向を助長し、狂言的な態度はともかく、自分は絶対に正しいとする思い込みを誘い出してしまうものである」と論じている。
小説家 辻原登氏
読売新聞2006.11.28

★コメント
 『隠喩としての病』私も昔読みました。金正恩(キム・ジョンウン)の演説が先日ありました。独裁者は隠喩をよく使い、自分の意見に従わせる。わかりやすいのでマーケティング・コミュニケーションにも活用できるのでは、と読んだ時に思いました?
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■『世界はサイバビリティ(生き残る力)を問われる時代になった』
★気づき
 世界この先 世界はサイバビリティ(生き残る力)を問われる時代になった。地球だけの閉じた経済圏では、安定的成長が難しくなる。食糧は米国人並みに食べると28億人。食べる量をもっと減らすと、100億人から上限200億人が生きていける。資源問題も限界がある。地球の気温が確実に上昇する。持続可能(サスティナビリティ)をめざしても成立しない。地球だけの閉じた経済圏では、少なくとも100年以内に生存が厳しくなる。個人、会社、地域、世界のレベルで生存大競争が始まっている。大きな技術進歩はほぼ12年周期で起きている。6年が試験期間、次の6年が実用期間。経済も同じでは。73年のオイルショック、その6年後に第2次石油ショック。日本は環境、エネルギーの技術。将来は宇宙で空間やエネルギー、資源の利用を競う時代も到来。地球から宇宙へ飛び出し、大きな構造物をつくれる技術を持つ国が優位になる。ロボット技術や半導体技術、太陽電池技術を生かせば、日本が宇宙に発電所をつくることも可能。太陽系を利用する技術をつかんだ国が確実に繁栄する。「生存学」を考える必要がある。「生存基礎学」によって、金や銀の代わりに何をつくれるのか、惑星でどんな資源が取れるのか。そういう基礎技術を通して世界の生存を保証することを考えなければ。
松本紘氏 京大総長
日経新聞2009.1.1

★コメント
 人口問題、環境問題の未来を考えると、地球だけでは生存問題が難しくなってくるのかも?いよいよ、地球外に出ていかないといけないのか?私は脱成長的生活の見直しが解決への道ではないかと考えています。賢い生活スタイルの開発が求められてくるのでは。
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◆『学び合いの「場」』5月6月の予定
◇「遊びとマーケティング」5月15日(火)
バンダイ 山崎さんの参加を得て、遊びとは、マーケティングと遊びを考えてみる予定です。
◇「イノベーション力を獲得する」6月1日(金)
「イノベーションのDNA」クレイトン・クリステンセン、ジェフリー・ダイアー、ハル・グレガーゼン著、で言われている、行動スキルを磨くには、をテーマにして話し合いたいと考えています。

時間:19時〜21時(終了予定、延長あり)
会場:日本オリエンテーション事務所
参加費用:1,000円(サンドイッチ、飲料付き)
申し込みは office@jorien.com

◆土日朝一番の映画
◇「アーティスト」監督;ミシェル・アザナヴィシウス キャスト;ジャン・デュジャルダン、ベレニス・ぺジョ
素晴らしい映画でした。感動。今までの映画にはない独自性、映画好きには万歳でした。サイレントとトーキーの交差時代、階段を下りていくサイレントのスター、階段を上っていくトーキーの将来のスター。交差する。最後はサイレントとトーキーが融合したタップダンスのシーンも最高。ジャン・デュジャルダン、ベレニス・ぺジョの演技が、サイレントを彷彿させ素晴らしい。犬も名演技。音楽も最高。サイレント、モノクロが見ている人の想像性を膨らませ、カスタマイズ化されていく。ミシェル・アザナヴィシウス監督、完璧でした。

◇「ルート・アイリッシュ」監督;ケン・ローチ キャスト;マーク・ウォーマック、アンドレア・ロウ
何かやりきれない映画でした。世界一危険なイラクの道、ルート・アイリッシュでの民間傭兵の犯罪事件。人間が本来宿している、野獣性・暴力性を戦争がむき出しにする。イギリス人、アメリカ人と日本人のメンタリティはちょっと異なるが、共に人間の持っている業なのかも。戦争をやってはいけない、人間がむき出しになってしまう。みんなが不幸になる。

◇「ドライヴ」監督;ニコラス・ウィンディング・レフン キャスト;ライアン・ゴズリング、キャリー・マリガン
つまらない映画を見てしまった。内容が中途半端。天才的ドライヴテクニックを期待していたのですが、裏社会の殺人事件の映画でした。期待はずれ。たまにはこんなこともあるのだ。ライアン・ゴズリングのクールさとキャリー・マリガンのチャーミングさで持った映画。

日本オリエンテーション主宰 まつもとかつひで

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■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第310号(2012/4/17) (c) 1999Japan Orientation
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