1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモト・新商品開発ミネラル」

【マツモト・新商品開発ミネラル】第317号

配信日:2012年8月8日

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・■■■        商品開発・マーケティングの
・■□■   MATSUMOTO・新商品開発MINERAL
・■■■     発行者:日本オリエンテーション 松本勝英
        毎月第1・第3火曜日発行(創刊 1999/10/01)
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    ■□ 第317号 Table of Contents □■
      ◇マツモト・新商品開発ミネラル
      『建築から見る社会の活気』
      『体の予測とのずれに快感』
      『日本人と哲学』
      『公平と効率』
      『ゲームニクス』

◇伝言
第118回「商品開発プログラムのたて方36時間」セミナー
9月6日スタートです。30年、3000人以上の方々が参加しています。
117回は31名の方々の参加、参加者のフェイスブックのネットワークも生まれています。
商品開発の全てが学べる6日間36時間のセミナーです。
【主な内容】
1.トータルマーケティングにもとづく「利益を生み出す商品創り」
2.「ニーズリサーチ」から「ニーズ発掘・開発」;仮説提案型「ニーズ開発手法」
3.これからの時代・市場・生活価値観の本質を捉えた「商品コンセプト開発法」
4.消費者テストによる「商品コンセプト力・製品力・競争力の評価手法」
5.売れる「ネーミング開発」売れる「パッケージ開発」
6.新商品導入「マーケティング・サクセス・シナリオ作り」
これからの新・商品をどのように開発するかを36時間かけて徹底的に深く学ぶ講座です。
◆「学び合いの場」9月10月の予定
『ボクシングの魅力を発見する』9月10日(月)
日本ライト級チャンピオン加藤善孝さんを招いて、いろいろな映像を見ながらボクシングの魅力と深さを感じたいと思っています。
『ソーシャル・ニーズと商品開発&CSR』9月14日(金)
マーケットはソーシャル志向へ、ソーシャル価値の高い新商品開発へ、その先に新しい創造がある―CSVのマーケティング
『感動体験開発』10月2日(火)
もっと生活DELIGHTな商品を提案する。皆さんの感動体験から、感動の本質を探り、商品開発の切り口を開発してみませんか。
『美・エステティックマーケティングと商品開発』10月23日(火)
美とは、美の意識の変化、美のマーケティング、美の商品、美の使い方、参加者の美の体験をもとに美のマーケティングを考えたいと思います。

時間:19:00〜21:00(終了予定、延長あり)
会場:日本オリエンテーション事務所
参加費:1,000円(サンドイッチ、飲料付き)
申し込みは office@jorien.com

2012年8月8日(水)
ちょっとした決意
別に体の調子が悪いわけではありませんが、9月15日から1ヶ月禁酒にチャレンジしようと思っています。この頃いろいろなお酒を飲んでも、美味しいと感じなくなっていることに気づきました。心臓を手術して禁酒した人が、禁酒が解けて飲んだお酒は本当においしいかった、の話を聞いたことがあります。知り合いの鍼灸師で2ヶ月禁酒、2ヶ月お酒を飲む、また2ヶ月禁酒をしている人は、禁酒明けのお酒の美味しさは格別だと話しています。最初の10日間位はさびしい感じがするそうですが、禁酒明けのお酒の美味しさはたまらないそうです。美味しいお酒を飲むための禁酒にチャレンジ。

■『建築から見る社会の活気』
★気づき
 集落は共同体の維持に知恵を絞った跡が見られます。社会や家族が崩れないシステムをうまく取り込んでいる。他の地域と家などの違いを際立たせるのは、地域の共同体意識、連帯感を強めるためです。家は大きい造り、飾りなどで住む人の地位や神聖さを示しています。共同体にはおきてが山ほどあって、それが目に見える形で表現されている。言葉がわからなくても形に表現されているものを見れば意味がわかります。
近代建築の均質的空間というのは意味を消すことで成立している空間です。集落は逆にそれぞれの空間や形に意味を込めている。意味を持つ空間が寄せ集まり、全体としても一つの意味を表している。
どちらの空間がおもしろいのかは明白。活気のある活動の場、社会を作るのなら集落の発想を取り入れるべきだ。都市では緩い連帯意識をもとにしたコミュニティづくりがいいと考えている。その拠点として集落的な共有空間を作るべきだ。
藤井明 建築家 日経新聞2009.12.17

★コメント
 生活、共同体の知恵は大切です。意味を形にして共有する社会、窮屈だけど必要なことでは。意味を消すと共同体も希薄になってしまうのでは。
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■『体の予測とのずれに快感』
★気づき
 ジェットコースターの快感は、車両の動きと、人が持つ予測感覚のずれから生まれる。先頭車両であれば、車両が山を越えて下降を始めるべきタイミングに加速しないことに、また後部車両であれば、まだ車両が昇っているにもかかわらず突然車両が加速し始めることに「体が経験で覚えた感覚とは違う体験」をすることになる。

★コメント
 予感とのずれが、一種の快感なのだ。予感しない人は、快感も少ないのでは。
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■『日本人と哲学』
★気づき
 日本の知識人は、思想に関してずっと「輸入業者」だった。しかし、輸出できるような日本の思想もある。それは「もののあはれ」といった、いわば「生命のはかなさ」を説く一種の生命哲学だ。現代が直面する様々な問題は、西洋近代の直線的機械的世界観の行き詰まりから生まれている。だから、「もののあはれ」という有限性に根ざした世界観を、西洋近代の哲学の言葉で表現できれば、世界への最大の贈り物になる。
脳科学者 茂木健一郎 氏
読売新聞2007.4.13

★コメント
 グローバル化の中、日本の文化、思想、哲学の発信をしていくことが必要。東大名誉教授の清水博さんの『場の理論』。世界に発信できる日本の思想哲学では。「生命を捉えなおす−生きている状態とは何か』(中央公論社 中公新書) 「生命知としての場の論理−柳生新陰流に見る共創の理」(中央公論社 中公新書)は刺激的な本でした。
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■『公平と効率』
★気づき
 アメリカの社会は効率を重視し、公平を犠牲にする社会。ヨーロッパは公平を重視する社会。日本はこれまで公平を求めてきたが、この15年くらいの不景気をなくすために、効率性を重視する考えが大きくなった。
橘木俊詔氏 京都大学教授

★コメント
 公平社会の再構築がいま求められているのでは。
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■『ゲームニクス』
★気づき
 ゲームというものが「ストレスと快感のバランス」の上に成立するということ。その結果としてテレビゲームのユーザーインターフェイスは高度に発達してきた、とサイトウ氏は言う。ゲームの内容が高度化し複雑化していくなかで、それでもユーザーの関心を惹きつけ、難しい問題を攻略させ、大きな楽しみを与えるためにはどうすればよいのか。この難問にゲーム業界は挑み続けてきたというわけだ。そうして得られたひとつの結論である「ゲームニクス」には、次のような2大要素があるという。
ひとつは、「言語の壁を越えた直感的な操作性」。プレイするためにマニュアルが必要なく、テキストに頼らずにすむということは、言語の壁を軽々と越えてしまうパワーを持つということだ。事実、ファミコン時代に培われた「Aボタンは決定。Bボタンはキャンセル」といった操作上の「お約束」は、いまや世界標準になっている。この状況をもたらしたのは、各ゲームの基本的な部分で操作方法の統一がとられるよう、約束事を徹底してきたハードベンダーの姿勢によるものが大きい。
「ゲームニクス」の重要点のもうひとつは、「複雑な内容を理解させる段階的な学習効果」を持っている点だという。よくできたゲームはどんな作品であっても、まず最初はとても簡単な課題から始まっていく、チュートリアル的なつくりを持つものが多い。ユーザーはマニュアルを読まなくても、ゲームの中で可能なことを段階的に見つけていき、楽しみながら次第に習熟して複雑な操作を使いこなせるようになっていく。これはゲームに親しんでいれば当たり前のことだが、たとえば最近の高機能な携帯電話をいきなり与えられてマニュアルも読まずに使いこなせるようになれるかを考えれば、違いがはっきりわかるだろう。
サイトウ氏は、この2つの要素を満たすため、ゲームニクスには次のような原則があるという。「直感的なインターフェイス」、「マニュアル不要の操作理解」、「はまる演出と段階的な学習効果」、そして最後に「ゲームの外部化」だ。最後のひとつは耳慣れないかもしれないが、これはバーチャルな世界とリアルの世界をリンクするゲーム製作の方法論にあたるものであるとのこと。野球ゲームが好例だろう。リアルでは一試合に数時間かかるものを、ゲームでは30分程度のごく短い時間に凝縮しながら、その本質を捉えつつモデル化する。これはまた、ゲームを触媒にしてリアルな人間の活動に好影響を与えていくというシリアスゲームの考え方にも通じるものであるとのことだ。講師は立命館大学教授のサイトウ・アキヒロ氏。氏は20年以上にわたり任天堂などで多くのゲームディレクションに携わり、雑誌「ファミコン通信」の立ち上げも行うなどゲーム業界の発展に深く関わってきた経歴を持つ。そのサイトウ氏が近年提唱している理論が本セッションのテーマである「ゲームニクス」だ。

★コメント
 マニュアルレス、スパイラル的進化の概念は、ゲームの世界にとどまらず、企業経営、教育、商品開発の世界に影響を与えてきている。ゲームニクスから何を学ぶか。
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◆土日朝一番の映画 おもしろい映画を3本見ました。
*「ダークナイト・ライジング」監督;クリストファー・ノーラン キャスト;クリスチャン・ベール、キャット・ウーマン
バットマン映画。メカ・アクションは楽しめる。テロリスト、核融合炉を核兵器化などストーリーは今日的。試合中のアメフト場を端から爆破していく映像は迫力満点。キャット・ウーマンはセクシーだった。
*「ヘルタースケルター」監督;蜷川実花 キャスト;沢尻エリカ
沢尻エリカを見に行った。虚飾の中滅びて行く悲しさが描かれていて、映画としては面白かったが、美と醜悪。ただそれだけだった。時間が空いたので、どれどれといった気持で見ました。
*「リンカーン弁護士」監督;ブラッド・ファーマン キャスト;マシュー・マコノヒー
汚い手を使い、高級車に乗ったやり手の弁護士が罠にはまってしまうという弁護士モノ。おもしろいようでおもしろくない。映画より原作の方がおもしろいのでは。

日本オリエンテーション主宰 まつもとかつひで

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