1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモト・新商品開発ミネラル」

【マツモト・新商品開発ミネラル】第341号

配信日:2013年8月20日

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・■■■        商品開発・マーケティングの
・■□■   MATSUMOTO・新商品開発MINERAL
・■■■     発行者:日本オリエンテーション 松本勝英
        毎月第1・第3火曜日発行(創刊 1999/10/01)
・・‥‥…………………… by Japan Orientation ………………‥・・・

    ■□ 第341号 Table of Contents □■
      ◇マツモト・新商品開発ミネラル
      『これまでの海外展開で学んだこと;ユニ・チャームの例』
      『ベストイン・クラス』
      『分人』
      『日産自動車の商品企画開発の横断チーム』
      『富裕層つかむ営業の達人』

<伝言>
第124回「新・商品開発プログラムのたて方36時間」セミナー
9月12日(木)スタート
商品開発プロになるための実践練習場です。
"利益を生み出す新商品"を開発する、考え方、知恵・ノウハウを学ぶ。
好奇心を刺激するセミナーにしたいと思っています。
◆ベトナムでのマーケティング活動を開始します。
ベトナム日本留学経験者とネットワークを組んでマーケティングを開始します。
・まずは日本企業のベトナム、メコン圏進出のサポート。マーケティング視点でサポートします。
・日系企業の人材教育、販促、調査、商品開発のサポートをします。
・現在、ベトナム・日本の交流によるビジネスアイディアを30ほど考え、今年末には3つに絞り2014年展開をしていきたいと考えています。
◆ベトナム情報「コプロナ海外ビジネス友の会」ニュースレターが面白い、役に立つ。(有料毎週発行、年間6000円)
連絡先は info@coprona.com

2013年8月20日(火)
 夏休みはいかが過ごされましたか。
私は東京暮らし。本を読んで、映画を見て、銀座ロックフィッシュで一杯、の日々でした。どこにも行かない分、夏バテもなく元気にしています。

■『これまでの海外展開で学んだこと;ユニ・チャームの例』
★気づき
これまでの海外展開で学んだこと
10年先を読み、リスク&チャンスに応じた2つの形を使い分ける
3つの着眼点×時間軸
3つの着眼点
・市場規模の大きさ(対象人口、普及度、支出など)
・チャネルの発展段階(購買実態、流通の発展状況)
・メーカー間の競争環境(グローバル、ローカルなど)
時間軸
・過去→現在→未来(予測)
3つの着眼点×時間軸による2つのパターン
1、直接進出方式
・市場規模の大きさ 今<未来(潜在ポテンシャルが大きい)
・チャネルの発展段階 低い、中小規模店が多い
・メーカー間の競争環境 緩やか(参入メーカー数が多い)
2、ライセンス方式
市場規模の大きさ 今=未来 潜在マーケットが大きい
・チャネル発展段階 高 大規模小売店の上位寡占
・メーカー間の競争環境 厳しい 参入メーカーの上位寡占
2つの型の使い分けで、成長と収益の最大化を狙う
その結果
1、北米およびヨーロッパにおいてはライセンス&輸出ビジネスにより効率的にキャッシュを創出
2、アジア地域を最優先市場として圧倒的ドミナント化を推進
3、中東、北アフリカにおいては、サウジアラビアを軸に周辺国のドミナント化強化
4、オーストラリアではM&Aによる高収益マーケットへの参入
5、南アフリカ及び中・南アメリカにおいては、新規参入手法(M&A・アライアンスを含む)を検討
世界に通じる勝利の方程式を磨く
世界に通じる「勝利の方程式」とは
前提
・地域特性ばかりに着眼する論調には違和感
・日本の消費者の「鑑定力」が高いことは間違いないが
・他国の消費者の「鑑定力」が低いわけではない
・ホーム(日本)で売れないモノ・サービスを、アウエ―他国なら売れるは錯覚
・ホーム(日本)で今日の地位を築いた「勝ちパターン」(得意技)を因数分解して、「いつでも」「どこでも」「(社員なら)誰でも」が再現できるレベルまで磨きをかける。
49回マーケティング総合大会セミナーより

★コメント
 ユニ・チャームの海外での強さは、国内での強さを基に戦略展開できていることではないか。グローバルマーケティング本部の中に、日本が組み込まれていることも含めて、真のグローバル企業ではないか。
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■『ベストイン・クラス』
★気づき
 消費者の求めている品質をベストイン・クラスで作る。

★コメント
 ターゲット・ベストイン・クラスを追求。
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■『分人』
★気づき
 「本当の自分」幻想を捨て「分人」として生きよう。
個性に生きろと言われながら就職難で個性を生かす場が見つけにくい世代。「本当の自分」「個性」を維持しなければいけない、その疲労とストレスで、生活苦ではない人の自殺。仕事も家族もあるのに自殺する30代。「死にたい」というより、「消えたい」「そんな自分を消したい」自分の全存在を消すことが必要でなくなる「分人」。友人や仕事の同僚、両親、子供など対人関係に用いて、さまざまな「分人」となって生活する。
平野啓一郎
日経新聞2013.01.23

★コメント
 本当の自分があるのではなく、自分をいろいろな状況の中で演じることがアイデンティティーにつながってくるのでは。
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■『日産自動車の商品企画開発の横断チーム』
★気づき
 商品の企画・開発全般と発売後の利益確保に責任を持つプログラム・ディレクター(PD)の下に、開発、マーケティング、コスト管理を担当するマネジャー3人を配置。機能、市場動向、利益を最適にバランスさせるべく3人が縦横に議論し、市場に受け入れられ利益もでる車づくりを進めている。

★コメント
 これからはプロデューサーの時代です。映画の世界のように、脚本、監督、キャスト、配給、財務などを決定していく人です。
脚本家三谷幸喜さんが、戦うプロデューサー重岡さんの話を書いていました。
映画のプロデューサーとは?一番わかりやすく言うと、一本の映画を作るときに最も長くその製作に携わっている人。例えば脚本家は、ホンを書き終わったらお役御免だし、監督はホンが完成するあたりから参加する。役者が関わるのは、基本的には撮影の間だけだし。宣伝チームが最も忙しいのは、映画が完成してから。プロデューサーだけが、脚本家がホンを書き始める前から、そして映画が公開された後まで、ずっとその作品に関わり続ける。企画を考えるところから始まって、台本作りにもかなりの意見が反映されている。キャスティングやスタッフの決定といった、撮影開始までの一切を仕切ったのも重岡プロデューサーである。年末にオンエアされたテレビ版の最終チェックも、彼女の仕事だった。おそらく世界であの映画を一番沢山見たのは、彼女だろう。
重岡さんは、納得いかないことがあると、ベテランのスタッフに対しても、きちんと意見を言う人。その場さえ揉めなければいいという、事なかれ主義のプロデューサーが多い中、その存在は貴重だ。連日徹夜の作業が続いても、きちんと現場に立ち会う。責任感が強いということは、自分の関わった作品に対して愛が深いということだ。(朝日新聞2007.1.17)
プロデューサーの資質は仕事と人を愛することができる人では。
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■『富裕層つかむ営業の達人』
★気づき
目の肥えた豊かな消費者の心をどうつかむか、各業界で高額品の販売を手掛ける「達人に」秘訣を聞いた。
お客の目が肥えているので設備や素材は見ればわかるので、説明役より聞き役に徹する、関係構築が重要(億ション販売者)。買う気にさせる空気感が大切(高級自動車販売員)。いきなり商売の話はしないで信頼を勝ち得る、会話を切りだす環境をつくって、距離を縮める(デパート外商)。
日経新聞2013.8.13

★コメント
 まあ、そうだなという実感。個客のことを深く理解し、売るのではなく提案すること。高品質市場に参入して成功した事例として米国レクサスの例がある。米国トヨタ自動車販売でレクサス販売の功労者、藤田副社長は「レクサスの日」と銘打った半日に及ぶ会議を開いた。卓上には山積みになったファッションや住宅関連の雑誌。「セルシオ」「アリスト」など車種ごとに顧客がどんな人か、どんな服装が似合うかなどイメージに合う写真を雑誌から切り抜かせる。「なぜその人なのか」「なぜその服装なのか」、みんなで「なぜ」を連発して、一人一人高級車のマーケティングのあり方を真剣に考えた。顧客をより理解し、ホスピタリティーを提案することが成功の秘訣では。
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◆土日朝一番の映画
「ペーパーボーイ 真夏の引力 原作The Paperboy」監督;リー・ダニエルズ キャスト;ザック・エフロン、マシュー・マコノヒー、ニコール・キッドマン
フロリダの田舎町の新聞社を舞台にした、ペーパーボーイ新聞記者の物語。ミステリーとしてのストーリーが最高、キャストの個性が突出。重なり合ってすごい映画になっています。アメリカでしかできない映画です。ぜひオススメ。
「素敵な相棒 -フランクじいさんとヘルパーロボット」監督;ジョイク・シュライアー キャスト;フランク・ランジェラ
近未来の高齢者と介護ロボットの物語。ただ便利な介護ロボットより宝石泥棒の手伝いをするようなワクワクする介護ロボットの方がいいな。面白い映画でした。オススメ。
「ローン・レンジャー」監督;ゴア・バービンスキー キャスト;ジョニー・デップ、アーミー・ハマー
アメリカの巨悪と戦う先住民と、目覚めたローン・レンジャーの戦い。コミカルなオブラートが楽しかった。取引だ、という言葉が出てくるシーンが多い。取引は信用しているということなのか。アクション映画として楽しめます。オススメ。

日本オリエンテーション主宰 まつもとかつひで

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■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第341号(2013/8/20) (c) 1999Japan Orientation
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