1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモト・商品開発ミネラル」

【マツモト・商品開発ミネラル】第250号

配信日:2009年12月15日

『デジタル社会の人間の姿』『音が大事』『香水が放つ感じ』『強い企業』『少子高齢化の進行』

12月15日(火)
松本の「商品開発プログラムのたて方36時間」セミナーの受講者に、社長賞受賞者が何人かいます。商品コンセプトの三角形をベースに、商品力の三角形、売り方の三角形のトータルマーケティングの実践者です。
たいへんうれしいことです。私としてはセミナー内容についても身が引き締まります。
もっと研鑽をしなければ。社長賞に輝いた方はご連絡ください。集まりをしたいですね。

■『デジタル社会の人間の姿』
★気づき
 Aのファイルでこういう社会生活をし、Bのファイルでは家庭生活をし、Cのファイルでは商売をするというようにファイルを飛びながら活動するようなことになった。こういう状況に人間の脳は何とか耐えられるとしても、体はおそらく耐えていけない。人類が知的能力を持ったころの行動範囲は恐らく数10q程度。
技術革新によって行動範囲が広がるにつれて、人間の体が持っているアナログ感覚の生活が消え、体はついていけないような状態になっているのでは。
多田富雄氏

★コメント
 身体の回復が重要なテーマです。生命体としての身体、運動体としての身体、変容対としての身体、そして自然回復体としての身体。身体感覚の見直しと、対応が必要では。いまのスピードに身体がついていけなくなっています。もっとヒューマンな社会と商品の開発にチャレンジしてみませんか。
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■『音が大事』
★気づき
 ネタは『音』から(ポリンキー、ドンタコス、スコーン)。テンポ。「世界は音が支配している」
佐藤雅彦氏 慶応義塾大学教授

★コメント
 音からの発想は面白い。どろどろー、ぴょろりどんどん広がっていきませんか。人間的な発想では。
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■『香水が放つ感じ』
★気づき
 「速度感」 「重量感」 「形態感」 「音響感」 「時刻感」 「言語感」 「年齢感」 「韻律感」 「方位感」 「振幅感」 「運命感」など、香水の放つ感じには25種類がある。
荒川洋治「名文句を読む」 読売新聞2000.12.12

★コメント
 香りは五感に大きな影響を与える。視覚、聴覚、触覚、味覚の増幅には重要な要素です。
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■『強い企業』
★気づき
 強い企業は一流の技術力、二流のマーケティング力より、二流の技術力、一流のマーケティング力の企業の法が強い。

★コメント
 研究者・開発者がマーケティング・マインドを持つと鬼に金棒です。アップル、任天堂の強さでもあるのでは。
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■『少子高齢化の進行』
★気づき
 ひとりの女性が一生のうちに産む子供の数を合計特殊出生率というが、現在の人口を維持するにはこれが2.08以上でなければならないとされている。71年以降の日本の個人消費の動きを人口要因、所得要因、物価要因に分けて分析してみたところ、過去30年にわたり個人消費の伸びを支えてきた最大の要因は人口の伸びだった。個人消費の伸びのほとんどが人口の増加のみにささえられていたといってもよいほどだ。しかも寄与度そのものは小さくなってきている。
米国も日本と同様に80年代までは人口要因が最大の寄与をしているが、90年代以降は実質所得要因の寄与が人口要因の寄与を上回るようになってきている。ただ、人口要因の寄与も引き続き大きい。
今後日本が取るべき選択肢の一つは人口の減少を不可避のものととらえ、国全体の経済規模の拡大を目指すのではなく、国民一人ひとりの実質所得、生活水準の向上を目標とする態勢に変換する方向。
日経新聞2001.5.8

★コメント
 モノの機能を消費する消費から、モノとどう楽しむかの商品に変わっていかないといけないのでは。人とモノとの関係を問い直し、楽しい関係をどう開発するかは大きなテーマでは。
                  日本オリエンテーション主宰 松本勝英

【マイカレンダー】2009年12月1日(火)〜12月14日(月)
1日(火)カウンセリング。テスト結果のデータ分析と仮設構築。
4日(金)時代・市場・生活価値の変化のディスカッション。企業の企画の方達から送られてくる毎日の気付きをもとに変化の芽を引き抜く。
7日(月)企業の副社長と快食。既存の固定概念をどう打ち破るかで盛り上がりました。
8日(火)「アジアマーケティングを語る会」8人のアジア経験者とのディスカッション。アングロサクソン的マーケティングと東洋人的マーケティング。どちらが定着するのかに興味。
9日(水)HP打ち合わせ。コンサルティング打ち合わせ。企業の研究者が来社。
官能開発からこれからの美味しさ開発について。嗜好がこれからの差別化要因として重要。
10日(木)コンサルティング。官能評価、官能開発おいしさ開発について。
元調査企業の社長が来社。ソリューション型調査について意見交換。年末の2週間はちょっと暇で、あまり仕事をしていませんでした。

◆朝一番で、一人で映画を見る。
「千年の祈り」ウエイン・ワン監督 ヘンリー・オー、フェイ・ユー主演
地味な映画ですが、心にしみてきます。アメリカに暮らす娘と、中国から訪ねてきた父親の葛藤と愛情の映画です。世代の違い、国の違いが父と娘の情と絡まって展開。静かな紙の擦れる音、物が動く音などかすかな音も演出されていてしっとりした映画でした。お勧めです。

「戦場でワルツを」監督 アリ・フォルマン
レバノン戦争におけるパレスチナ難民大虐殺の真実に迫る映画です。アリ・フォルマン監督の個人経験をもとにした、ドキュメント・アニメーションです。
戦争映画はアクション化され、戦争の悲劇が弱くなりがちですが、アニメーション化されることによって、受け手のイメージが広がり、悲惨さがリアル以上に表現されてきます。戦争の恐ろしさを実感します。「火垂るの墓」も同じ効果を発揮していたのでは。お勧めです。

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■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第250号(2009/12/15) (c) 1999Japan Orientation
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