1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

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考えるヒント:メルマガ「マツモト・新商品開発ミネラル」

【マツモト・新商品開発ミネラル】第412号

配信日:2017年4月18日

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・■■■        商品開発・マーケティングの
・■□■   MATSUMOTO・新商品開発MINERAL
・■■■     発行者:日本オリエンテーション 松本勝英
        毎月第1・第3火曜日発行(創刊 1999/10/01)
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    ■□ 第412号 Table of Contents □■
      ◇マツモト・商品開発ミネラル
      『もっと早く、パソコン事業を切り離すべきだった』
      『練習を』
      『内なる言葉の塊』
      『運転資本の生産性をあげるために』
      『プラットフォームビジネス』

<伝言>
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第141回は7月6日スタート
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☆商品開発の厳しさ、楽しさが実感でき、成長を促すセミナーです。
商品開発カウンセリング−新しい風を吹かせる「場」です
商品開発社内教育−発想刺激の「場」です

2017年4月18日(火)
市場探険に行こう
現場、現物、現実の3現主義を実行するための方法が市場探険で、見て、話して、感じることです。
企業の人と一緒によく市場探検に出かけますが、出会った人との会話がなかなか出来ません。原因は、話すきっかけが下手なこと、問いを発することが出来ないこと。「こんにちは、お店がイキイキしていますね」「売り上げはいかがですか」「何が売れていますか」の挨拶と問いが話すきっかけになります。探検とは、「どのように準備しても臨機応変」、取材とは「ピンと来た瞬間から始まる過去への逆行」です。会社に閉じこもらないで、ぜひ市場を探険してください。

■『もっと早く、パソコン事業を切り離すべきだった』
★気づき
「もっと早く、パソコン事業を切り離すべきだった」。東芝の元トップは、そう悔やむ。リーマン・ショック後の2008年度決算で、ライバルの日立製作所は巨額赤字を出し、薄型テレビなど不採算の事業を縮小した。鉄道など社会インフラに集中することで、やがて「V字回復」を遂げた。当時パソコンはアジア勢に押され、スマートフォンも台頭し始めていた。だが、世界初のノート型パソコンとされる、ひざに置ける「ラップトップ型」を開発した東芝には、パソコンは引けない事業だった。このとき社長だった西田厚聡(あつとし)氏は1980年代、ラップトップ型で日米欧市場を開拓した功労者で、「自分が育てた事業は切れなかった」と元トップはみる。ここに東芝の衰退を招いた第一の呪縛がある。技術や販売でリードした成功体験にこだわり、市場の変化を見過ごす「イノベーション(技術革新)のジレンマ」にはまったのだ。
(MONDAY解説)米WHの経営破綻 東芝迷走、名門の三つの呪縛
堀篭俊材 2017.04.03朝日新聞

★コメント
 イノベーションのジレンマです。ソニーはトリニトロンの成功が液晶テレビへの対応に遅れた。「カローラ」の誕生時においても、カローラは「良すぎる」、主力車「コロナ」を圧迫すると否決されたが、当時のトヨタ自販の神谷正太郎氏に相談し、決断して発売したいきさつもある。強いことが弱さにつながるイノベーションのジレンマに注意。

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■『練習を』
★気づき
 商品開発は運動と一緒、練習すれば上達する。しかし練習不足で試合に出るから失敗する。変化の気づきをメモする、コンセプトシートをたくさん書いてみる。店頭で他社の商品を評価してみるなどの練習を。練習は試合のように、試合は練習のように。

★コメント
 練習をしないで試合に出ても勝てない。イチローの日頃の練習が、試合において美技につながる。日頃の練習が成果につながる。

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■『内なる言葉の塊』
★気づき
 私たちが一つの共通の世界に生きているというのは実は錯覚で、本当は一人一人の内なる世界像を生きているに過ぎないんじゃないか。そして、どうやら言葉はそのことに深く関わっているらしい。私がイメージしたのは蜘蛛(くも)と糸と巣の関係です。蜘蛛が自分の糸だけで編んだ巣の上で生きるように、我々も普段は意識しないけど、自らの内なる言葉(糸)が作り出した世界像(巣)の上で生きているんじゃないか。つまり、人間は言葉の介在無しに世界そのものを直(じか)に生きることはできないんじゃないか、と。
逆に云えば、言葉によって世界像は書き換えられることになる。エスカレーターに立っている時、その横をガンガンと大きな足音を立てて降りてゆく女性がいます。その度に苛々(いらいら)していたら、或る時、知人に「サンダルの構造上ああなっちゃう、カスタネットガールという種族なんです」と教えられました。すると、不思議なことに、彼女たちに出会っても「あ、カスタネットガール」と、むしろ面白く感じるようになりました。私が忍耐強くなったわけではなく、一つの言葉を知ったことによって世界像が変化したのです。
この例からも分かるように、読書という行為だけが内なる言葉を養うわけではない。でも、本が言葉の、すなわち他者の世界像の塊であることもまた確かです。私が読書に特別な意味を見出(みいだ)したくなるのはそのためではないか、と考えました。
(ひもとく)番外編 読書は必要? あなたの「世界」を変えるかも
穂村弘(ほむら・ひろし) 歌人
朝日新聞2017.04.16

★コメント
 読書の重要性の指摘です。言葉が世界を広めていく。他の人の言葉に触れる機会として読書は意義がある。共感する言葉によって、自分の生き方が変わってくる経験を皆さんもしたことがあると思います。本を読む、人と話すことを是非、是非。

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■『運転資本の生産性をあげるために』
★気づき
 運転資本の生産性をあげるために、電気自動車メーカー、テスラ・モーターズは、購入予約手付金として2500〜5000ドルの支払いを顧客に義務付け、需要の状況を明確に把握できるばかりではなく、会社の操業にかかる運転資本を最小限にしている。2013年12月、テスラは顧客からの預託金として1億6千万ドルを超える額を保有している。「マッキンゼーが予測する未来」より。

★コメント
 資本のコストが増大してくる。コスト増に対してどのように対応するかが、これからの経営にとっての大きな課題です。いろいろな知恵を出し、トライしなければ。

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■『プラットフォームビジネス』
★気づき
 好例がアマゾンのクラウド事業「アマゾンウェブサービス(AWS)」だ。自社の巨大サーバーとシステムを他社にも使えるよう提供し、営業利益の7割を稼ぎ出している。同社はECの大手であると同時に、世界でシェア3割強を握る大手クラウド会社でもある。
驚くのはAWSが「起業の場」になっていることだ。人工知能(AI)の機械学習プログラムも無償で公開している。資金が限られるベンチャー起業家は、アマゾンと契約することで、わずかな手元資金でも事業を円滑に始められるという。成功事例のひとつが動画のネット配信最大手、ネットフリックスだ。もちろんアマゾン自身の利点も大きい。ベンチャー企業に限らず、初期投資を抑えたいと考える企業が世界中からクラウドにつながれば、大量のデータが集まり、自社のAIを進化させやすい。
「こうした循環ができると、輸出から直接投資への順番で進んできた企業のグローバル化の流れが一変する可能性がある」とボストン・コンサルティング・グループの杉田浩章日本代表は話す。アマゾンのECのプラットフォーム(基盤)を活用し、日本国内だけでなく欧米やアジアに向けてもモノやサービスを直接売りたい企業や個人は増えるだろう。起業した瞬間から即、グローバル企業という事例も出てくるかもしれない。結果的に、アマゾンのクラウドも一段と巨大化していく。
日本経済新聞コメンテーター 中山淳史
日本経済新聞 2017.04.14

★コメント
 ビジネスとしてのプラットフォームをどう作るか、どのように活用するかが、企業の飛躍にとって重要です。生活プラットフォームの開発の可能性がないか、面白い課題では。健康プラットフォーム、お金のプラットフォームなどが出来ないか?

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◆土日朝一番の映画 映画は映画館で観るとワクワク・ドキドキです。
『ライオン 25年目のただいま』
インドのスラム街で暮らす5歳の少年。迷子になり、やがて養子に出されオーストラリアで成長、25年後にGoogle Earthで故郷を探し出したという実話。育てられた両親への愛、故郷の母親と兄に対する愛。ハートのある家族愛の映画です。ぜひご覧ください。
『T2トレインスポッティング』
どうしようもなく情けない男たちの情けなさがいい。20年後の再会。躍動感はないが、何かおしゃれな映画に感じた。ユエン・ブレムナーのスパッドが、味があってよかった。前作を見ていない人にも楽しめます。

日本オリエンテーション主宰 まつもとかつひで

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