1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモト・新商品開発ミネラル」

【マツモト・新商品開発ミネラル】第436号

配信日:2018年6月5日

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・■■■        商品開発・マーケティングの
・■□■   MATSUMOTO・新商品開発MINERAL
・■■■     発行者:日本オリエンテーション 松本勝英
        毎月第1・第3火曜日発行(創刊 1999/10/01)
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    ■□ 第436号 Table of Contents 松本プラス忽那□■
      ◇マツモト・商品開発ミネラル
      『豊かで健康な人生の力に』
      『ネスレのPPP』
      『ブロックチェーン技術』
      『行列見て缶コーヒー考案』
      『現場主義です』
      『「上司の上司はポジティブチェックする」:消費者視点で「わくわく商品開発のススメ」忽那公範』

<伝言>
第146回「商品開発プログラムのたて方36時間」セミナー
2018年7月12日スタート
“なぜ30年以上、企業から支えられているのか”
☆36時間セミナーで、36の成功の秘訣が深く学べるセミナー
☆40年のコンサルティングの成功、そして失敗のエキスです
☆30年企業のリピーターによって支えられ、続けて来られたセミナーです
☆商品開発の厳しさ、楽しさが実感でき、成長を促すセミナーです

2018年6月5日(火)
 AI時代セミナーに参加
5月20日(日)から24日(木)の5日間、朝11時から20時まで、朝日新聞DIALOG AI FORUM 2018に行ってきました。
参加者の中で最高年齢だったかも?講師が50人、私の知っている人は2人で、知らない人たちの未知の世界でした。
機会学習、ディープランニングの進歩はすごい。
いままでの専門的世界がコモディティーになる。コモディティー化がビジネスの大きなチャンスを生み出す。これからは、人間とAIではなく、AI操作できる人間とできない人間の関係になる。
いままでの働くとは、専門知識を獲得して、より高い賃金を得るプロセスだったが、これからの働くとは、AI化できない個性、趣味に近いニッチを模索していくことでは。

私の朝日新聞DIALOG AI FORUM 2018参加メモ
生命科学の分野に大きな影響を与える。タオルを畳むことはAIには難しい。チューリングテストと逆チューリングテスト。先取り製造、配送の可能性。ビッグ・データと成功の予測は可能。顔認証技術の進歩の予測。直観を見抜くことは?人間に見えないものを見る能力がある。ビッグ・データだけでは不十分、音楽とSFのデータを組み合わせることによって、新しい音楽が生まれないか。能力、スキルのコモディティー化。プログラミングのマス・カスタマイズ。ON OFFの融合。ブロックチェーンはお金に新しい価値を創造する。AIのブラックボックスをどう解明するか。五感のAI化。ビッグ・データがなくてもAI化は可能か。5Gの世界で何ができるか。汎用人工知能AGIはどこまで進むか。ビヨンドブロックチエーン 新たな基盤ソフトとして注目。AIと人間の共創。世界のシェフが作っている料理は、素材10の組み合わせ。などなど。

刺激的で新鮮な5日間でした。
朝日新聞DIALOGにダイジェストを掲載すると言っていましたので、ぜひ読んでみてください。

■『豊かで健康な人生の力に』
★気づき
 人類は第4次を乗り切っていけるでしょうか。
 「課題が2つある。1つは地政学だ。私たちは『一極』から『多極』世界に移行しつつある。それは『単一概念』から『複数概念』の世界への移行と言ってもいい。冷戦が終わった後、我々は『歴史の終わり』を論じ、自由や民主主義、人権という共通の価値に従って世界が協力可能であることを信じた。だが、現実には『概念』を異にする強国がまた台頭しつつある。この状況下では共通利害はあるが共通価値がない、非常に悩ましい世界に向かう」
 「2つ目は、第4次産業革命に我々がどう習熟するかだ。産業革命は技術に限った話ではなく、社会、政治にも及ぶ。例えば、日本でも第4次革命によって伝統的な政治が揺さぶられていると私は思う。米欧諸国もそうだ。それは民主主義と社会主義の葛藤、すなわち18世紀の英国で起きた産業革命に源流があるイデオロギーの相克とは違う」
クラウス・シュワブ氏 世界経済フォーラム会長
日本経済新聞 2018.05.08

★コメント
 東洋的哲学の発想が求められているのでは。東洋哲学は、自然無為のうちに道を体得することを目指しているのだと思うが、私にはまだ未熟でわかりません。専門書はいろいろありますが、加島祥造さんの著作、元花王社長の常磐文克さんの陰陽五行と経営など、参考になる本もいろいろ出版されています。深めていきたいテーマです。

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■『ネスレのPPP』
★気づき
 ネスレは新興国・途上国の貧困層市場を対象とした事業戦略を打ち出している。ネスレはこれをPPP(Properly Positioned Products:(手ごろな価格で高品質で栄養的価値のある、消費者ニーズを満たした包装サイズの製品を低所得消費者に販売))と呼んでいる。一言でいえば、消費者にネスレの高品質商品を一番適した形で提供することである。PPPで定義する商品コンセプトは、
@“安物製品”を提供するのではない。A価格競争力をつけるためではなく、新しいビジネスチャンスを開拓する。B単に買いやすいパッケージに詰め替えるということではない。C栄養価の高い成分が補強されている等である。

★コメント
 ネスレのグローバル戦略のベースです。アジアの市場をみていると、ネスレの強さを感じます。グローバル・ローカルの経営戦略の実行が成功のポイントでは。

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■『ブロックチェーン技術』
★気づき
 公的文書の電子化が進むエストニア政府は、ブロックチェーン技術で秘匿性の高い情報をネットで安全にやり取りするシステムを構築。パソコンなどで瞬時に行政サービスを受けられる。年間5億件以上の利用があり、17年の1年間だけで人手による作業を800年分削減する効果があったと試算する。JIPDECの坂下哲也常務理事は「日本も制度改定とシステム構築を急ピッチで進める必要がある」と強調する。

★コメント
 エストニアはどこにあるかご存知ですか。ヨーロッパの小国(132万人の人口)です。資源がなく既得権益もない国が官民協力で電子国家をスタートさせ、e-Tax、e-Educatin、電子カードの導入、Skypeが生まれ、ブロックチェーン先進国家です。日本は既存権益の解体再構築のハンディキャップを背負っている。さて日本はどうするか。

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■『行列見て缶コーヒー考案』
★気づき
 数々のヒット商品の中でも、72年に考案した缶コーヒーは人々の日々の生活に大きな影響を与えた。
 高速道路のサービスエリアに立ち寄った際、長い行列ができているのを見て、好きな時にいつでも飲める缶コーヒーを思いついた。73年には国内初の冷温式自動販売機も考案した。口癖は「ヒット商品を出せば世界が変わる」。市場の変化に応じた商品開発に力を注いだ。
谷田利景さん (元ポッカコーポレーション社長)
日本経済新聞2018.04.27

★コメント
 事象を見ても気づく人と、気づかない人がいる、また気づいても、その本質を追求する人と、追究しない人がいる。チャンスは、近いところにあるのでは。

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■『現場主義です』
★気づき
 現場はいつも楽しい。
 そこにはいつも真実だけがある。
 相変わらず日曜の朝は定点観測だ。コンビニ6店、スーパー4店。同じルートで散歩がてら3時間。健康にも良いので一石二鳥だ。
服装は誰から見てもみすぼらしい恰好(かっこう)なので万引きに疑われても不思議じゃない。幸か不幸か間違えられたことは今のところない。
 コンビニの棚の商品は週ごとにドンドン変わる。
限られた棚スペースをメーカーは激しく奪い合う。ここで勝つためにはメーカーは強くならなければならない。コンビニは顧客と共にメーカーを鍛えてくれているのだ。厳しいけれど感謝している。
一方、スーパーは商品そのものももちろん重要だが、同時に価格が厳しい。少し値段を高く設定すると販売は途端に激減したりすることが度々だ。顧客は間違いなく我々メーカーよりはるかに賢い。顧客をなめるとたちまちしっぺ返しを食う。我々はここでも日々顧客に鍛えていただいている。品質を向上しながら製造原価低減の努力を続けている。
 「Office is the most comfortable place,but the most dangerous place in the world」。オフィスは世界で最も快適な場所だが、世界で最も危険な場所だ。
 オフィスで思いつき、オフィスで商品開発し、価格もそこで決めてしまって発売する。そして度々失敗する。しかも反省せず現場も見ず同じことを繰り返す。全ての真実は現場にあるのにもかかわらず。
 昨日は日曜日、グズグズと朝のテレビを観(み)ていたがやはり定点観測に出掛けた。いつものみすぼらしい恰好で……。楽しい。
カルビー会長兼CEO 松本晃
日本経済新聞2018.05.28

★コメント
 3現主義の重要さです。現場、現実、現物。店頭での定点観測は小さな変化を見抜くことができ有効です。なぜ売れているのか、なぜ売れないのかを現場で、現物を見ながら感じることは感性を磨くことです。
休日を利用するのもいいですね。雑事を最小化して現場に出かけよう。

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■『「上司の上司はポジティブチェックする」:消費者視点で「わくわく商品開発のススメ」忽那公範』
 仕事をする上で、自分のことを、上司はミスをしていないか?仕事を真面目にしているか?といったネガティブチェックをしがちです。ですが、上司の上司は、次のリーダーを誰にしようかと考えていて、前向きな行動をしているか?というポジティブチェックをしています。100%上司の言うことを聞くのではなくて、上司の上司とも会話をすることで、仕事がうまくいきます。廊下で並んで歩く時、エレベーターに一緒に乗った時、食事の時など、上司の上司と接することがあると思います。そんな時に、自分から声をかけて30秒以内で、自分の前向きな考えを話すことを繰り返すだけで印象が変わってきます。そうすることで、仕事に推進力がつけば、上司にも喜ばれます。上司は上司の上司からネガティブチェックをされていますが、ポジティブなことを言う部下がいると、やっぱり、印象がよくなります。
上司にはネガティブチェックを、上司の上司にはポジティブチェックされていることを意識すると、仕事がスムーズに進みます。わくわくする商品開発の1つの方法です。
忽那 公範(くつな きみのり)

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◆土日朝一番の映画 映画は映画館で観るとワクワク・ドキドキです。
『犬ケ島』ウェス・アンダーソン監督のストップモーションアニメ
20年後の日本、ドッグ病にかかった犬をゴミの島に隔離、愛犬を探しにきた少年とゴミの島の5匹なユニークな犬たちの冒険物語。
ウェス・アンダーソン監督の日本大好きが入れ子構造になったごちゃごちゃ感、動と静のミックス。わくわくドキドキ、映画の殻を破ったエンターティメント、観ていて体と心が動いてしまう。もう一度観たい。

日本オリエンテーション主宰 まつもとかつひで

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■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第436号(2018/6/5) (c) 1999Japan Orientation
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