1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモト・新商品開発ミネラル」

【マツモト・新商品開発ミネラル】第439号

配信日:2018年7月17日

‥‥…………………………………………………………………‥‥・・・
・■■■        商品開発・マーケティングの
・■□■   MATSUMOTO・新商品開発MINERAL
・■■■     発行者:日本オリエンテーション 松本勝英
        毎月第1・第3火曜日発行(創刊 1999/10/01)
・・‥‥…………………… by Japan Orientation ………………‥・・・

    ■□ 第439号 Table of Contents 松本プラス忽那□■
      ◇マツモト・商品開発ミネラル
      『創業者からの手紙』
      『判断理由の分かるAIを 人間の意思決定材料に』
      『4.0進化、変わる工場 独で見本市』
      『67カ国に茶葉を売る 英語サイトで発信、関心を呼ぶ』
      『イオン未来店、中国で学ぶ』
      『「クロスの法則」:消費者視点で「わくわく商品開発のススメ」忽那公範キーワード』

<伝言>
第147回「商品開発プログラムのたて方36時間」セミナー
2018年9月27日スタート
“なぜ30年以上、企業から支えられているのか”
☆36時間セミナーで、36の成功の秘訣が深く学べるセミナー
☆40年のコンサルティングの成功、そして失敗のエキスです
☆30年企業のリピーターによって支えられ、続けて来られたセミナーです
☆商品開発の厳しさ、楽しさが実感でき、成長を促すセミナーです

◆『わくわく触発の会』感動、驚き、わくわくの商品を開発しよう。
松本勝英(日本オリエンテーション)と忽那公範(元花王)の共催
わくわくしながら触発し、商品開発、マーケティングのアイディアを得る『場』です。初めての方も半歩足を前に出してご参加ください、歓迎です。
今回のテーマは
『イノベーション・マインドを鍛える』
新しい価値を創造するイノベーション・マインドについて、みなさん日頃感じていること、悩んでいることを話し合い、次のステップを探っていきます。
日時:8月6日(月)19時から21時
場所:喫茶室ルノアール 新橋汐留駅前店 会議室(2F)
参加費:1,500円前後実費
申し込みは、8月2日(木)まで、日本オリエンテーションへ。
office_j@jorien.com

2018年7月17日(火)
“困難の中に、機会がある。”
In the middle of difficulty lies opportunity.
Albert Einstein アインシュタイン 理論物理学者、ノーベル物理学賞受賞 / 1879〜1955
難しいことから逃げない、難しいことには、想いと情熱を持ってチャレンジする。
「できない」「難しい」という話を聞いたら、「しめた」と思うようにしています。

■『創業者からの手紙』
★気づき
株式会社メルカリ 創業者 山田進太郎から、皆様へ上場にあたってのメッセージです。
Founder’s Letter
「創業者からの手紙|山田進太郎から皆様へ
私は、野茂英雄さんの大ファンです。野茂さんがメジャー挑戦を発表された時、日本中でバッシングが巻き起こったのをよく覚えています。それでも、大方の予想を裏切って新人王と奪三振王という結果を手にされた野茂さん。常に心がけられていたのは、「いいボールを投げる」というシンプルなことだったそうです。やるべきことにフォーカスし、己を磨き続けることで、輝かしい成績を残されました。
我々メルカリも、「新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る」というミッションの達成に向け、世界挑戦を続けています。「GO BOLD(大胆にやろう)」、これは我々のバリューのひとつでメルカリらしさを代表する言葉です。メルカリは創業以来、人・テクノロジーに投資を続け、プロダクトの改良を続けてきました。一般的なセオリーを超えたチャレンジを続けることで、通常では手に入らない結果を手にしてきた自負があります。これは、上場後も変わることのない姿勢です。メルカリは失敗を恐れません。数多くの失敗から学び続けることで、成長を続けられると信じているからです。「GO BOLD」を胸に、これからも「いいプロダクトをつくる」ことに邁進します。
人と人とが繋がることで、次々に新たな価値が生まれていく時代です。メルカリはこの潮流の先頭にたち、人と 人との間で価値が循環する新しい消費スタイル・エコシステムの提案を続けてまいります。そのために、短期の収益性ではなく中長期での大きな成長を見据え、主に次の3つの分野に投資をしていきます。
1:人への投資
メルカリは人への投資を惜しみません。現在メルカリには、様々なプロフェッショナルと優秀なエンジニアが数多く在籍しています。上場後は、これまで以上の規模で、国内外を問わず優秀な人材を採用し、さらなる成長に向けたエンジンとします。そして、次々とイノベーションを起こしていけるテクノロジーカンパニーであり続けることを目指します。
2:テクノロジーへの投資
市場の競争はますます激しくなり、これからの時代はアイデアだけでなく、テクノロジーで差別化できないプロダクトは生き残れなくなっていきます。マシンラーニングによる出品率・売却率の向上、カスタマーサポートの自動化、自動翻訳による異なる言語間での取引の推進など、メルカリは、AI、ブロックチェーン、VR/AR、量子コンピュータ、IoT(モノのインターネット)などテクノロジーへの積極的・永続的な投資を続けてまいります。
3:海外への投資
インターネットオークション市場だけを見ても、海外市場は国内市場の10倍以上の規模があります。少しでも便利な社会を実現するために、できるだけ多くの人の役に立ちたい。その想いを突き詰めていくと、日本だけでなく、世界が舞台となります。特に、多様な人種、文化をもつ人々がいるアメリカで成功することは、プロダクトがユニバーサル化されたことを意味すると考えています。アメリカ攻略を足がかりに、もっと簡単に、もっと便利に、もっと楽しく世界中で使っていただける「世界的なマーケットプレイス」を目指します。野茂さんがその1球1球に魂を込め、「いいボールを投げる」ことで世界を魅了したように、我々メルカリも、安心・安全に誰もが楽しんでいただける「いいプロダクトをつくる」ことを追求し、日本を代表する企業になっていきたいと考えています。今後とも、社会の公器としての責任に真摯に向き合いながら、中長期での企業価値向上に努めてまいります。みなさまのご支援のほど、よろしくお願いいたします。
失敗を恐れず、大胆に。
株式会社メルカリ
代表取締役会長兼CEO
山田進太郎

★コメント
 全文を読むと経営者の想いが伝わってくる、経営戦略の明確化、「GO BOLD(大胆にやろう)」、人間と価値が循環する消費スタイル・エコシステム、グローバル志向、共感が得られるメッセージです。
経営者の役割は自社のメッセージを発信し続ける人では。

・・・‥‥...............‥・・‥.....................‥‥・・

■『判断理由の分かるAIを 人間の意思決定材料に』
★気づき
NECのAIの独自性はどこにありますか。
 「一つは思考判断の経緯や理由が分かる『ホワイトボックス型』AIだ。AIのサポートを受けて人間が判断をする時に『なぜそうなったのか』判断する材料がなければ意思決定ができない。AIがなぜその答えを出したか分からない『ブラックボックス型』とは分けて考える必要がある。当社はホワイトボックス型を先駆けて手掛けているため、導入実績が多い」
 ――具体的にどのような活用ができますか。
 「当社ではデジタルマーケティングに活用している。顧客属性をホワイトボックス型AIで分析して、イベント予定などを掲載したキャンペーン情報をメール配信した。効率を重視するため配信数を絞ったにもかかわらず、申し込みは5倍に増えた」
 「小売店に導入すれば、発注業務に生かすことができる。天気や気温、近隣で開かれるイベントといった情報をAIが分析し、オープンな形で発注者に見せることができたら、発注業務を効率化し、需給バランスを最適にできる。これまで人間では思いつかなかったパラメーターをAIが見つけることもできるようになる」
NEC社長 新野隆
日経産業新聞 2018.06.18

★コメント
 ディープラーニングを使ったAIが下した判断の理由を、専門家や開発者自身が説明できないという『ブラックボックス化』という問題が最近注目されています。 AIにおける経営決定、AIによる患者の診断などの決定が『ブラックボックス型』だと納得出来ない。人間も理解できる『ホワイトボックス型』が求められている。AIの透明性の原則です。

・・・‥‥...............‥・・‥.....................‥‥・・

■『4.0進化、変わる工場 独で見本市』
★気づき
「今回の見本市で独シーメンスは「デジタルツイン(デジタルの双子)」と呼ぶ手法を披露した。デジタル技術で作り出した仮想空間での設計や製造のシミュレーション結果を、即座に現実空間の製造現場に反映させることで「人件費や実際の設備による検証のためのコストを削れる」(シーメンス)という。
 人と一緒に作業する「協働型ロボット」の進化版も相次いだ。
 約1300平方メートルの広いブースを構えた自動車部品世界最大手の独ボッシュ。中央の舞台に並んだ6種のロボットが目を引く。高さは1.5メートル前後で、それぞれがアニメのような表情を持つ。
 自走して物をつかんだり部品や工具を運んだりして「退屈だが正確性を求められる仕事を担当する」(同社)という。人間は高度な仕事に特化し、ロボットは重い物を運ぶといった人の負担を軽くする仕事を担うことで工場全体の生産性を高められる。ボッシュは25年ごろの実用化をめざす。
日本経済新聞 2018.04.24

★コメント
工場は、バーチャルとリアルの融合、人間とロボットの相互援助などに変わって行く。

・・・‥‥...............‥・・‥.....................‥‥・・

■『67カ国に茶葉を売る 英語サイトで発信、関心を呼ぶ』
★気づき
 国内の農業法人で最も多くの国に商品を輸出しているのは、私の知る限りでは京都府和束町の「京都おぶぶ茶苑」だ。世界的な抹茶ブームを追い風に、自社で生産した茶葉を世界67カ国に売っている。2004年の創業からわずか14年で、どうやってこれだけ輸出先を広げたのだろうか。
 単純に答えれば情報通信技術を活用したからで、日英2カ国語でウェブサイトを用意した。茶葉を生産する農業法人で英語版のウェブサイトを開設しているのは極めてまれだ。ただ、茶業界全体でいったら大勢の中の一つにすぎない。
 では、なぜ多くの国の人々がおぶぶのウェブサイトを閲覧し、購入しているのか。答えはウェブサイトで参加を募っている茶畑オーナー制度とインターン制度にある。
 オーナー制度では1口当たり月額1500円を支払えば、約300グラムの茶葉が年4回届くほか、和束町での茶摘み体験に割引価格で参加できるなど優遇される。郵便事業が存在する116カ国の在住者ならば誰でもオーナーになれる。海外在住なら毎回届く案内文も英語版だ。
 茶の栽培から作法、文化などを学ぶインターン制度でも外国人を対象にしている。
「japan」「tea」「internship」といったワードでネット検索すれば、真っ先にこの法人の名前が挙がってくる。希望者とはインターネット電話のスカイプで面談する。12年1月から始めたこの制度では、欧米を中心に24カ国82人が合格し、おぶぶが用意する事務所兼住宅を拠点に数カ月を過ごしてきた。
 面白いのは、これらの制度に参加した外国人が、自国でおぶぶの茶葉を宣伝したり販売したりしてくれることだ。ある外国人は茶葉の販売店を開き、おぶぶの商品を扱い始めた。その通販サイトではおぶぶの代表のプロフィルや彼の茶作りへの思いを紹介している。別の外国人は口コミで商品を広めている。
 おぶぶは外国人向けに和束町の茶畑での体験ツアーも随時開催している。参加すれば、茶摘み体験と日本茶の試飲ができる。また毎年海外で普及活動をしている。その会場の用意や集客を率先して手伝うのもこれらの制度や体験ツアーの参加者である。ファンがファンを増やしていく見事な事例といえる。
 世界とつながるきっかけは何でもないウェブサイト。物は使いようとはよくいったものだ。
農業ジャーナリスト 窪田新之助
日経産業新聞 2018.04.20

★コメント
 抹茶の“文化”を世界に広げ、ファンづくりを行なっているマーケティングに共感。グローバル・ニッチの展開として学ぶことが多い。

・・・‥‥...............‥・・‥.....................‥‥・・

■『イオン未来店、中国で学ぶ』
★気づき
 イオンは30日、中国・上海で新たな研究開発(R&D)センターを開業した。人工知能(AI)技術を持つ現地のスタートアップと設立した戦略拠点だ。ロボットによる商品の無人販売・清掃など未来型店舗の開発を担う。日本を代表する流通大手として中国企業のお手本になってきたイオンだが、今や中国は世界有数の電子決済大国だ。ネットとリアルの融合でも先を行く中国に競争力強化の処方箋を学ぶ。
特に期待するのが電子決済だ。中国発のスマートフォン(スマホ)決済サービス「支付宝」や「微信支付(ウィーチャットペイ)」は東南アジアでも爆発的に普及する。スマホ決済を軸に、中国では実店舗とIT(情報技術)を融合させた無人店舗や無人サービスの実験店も相次ぐ。
日本経済新聞 2018.05.31

★コメント
 案内してくれる人がいるので、中国深セン、上海のキャッシュレスの探検に行きたいと思っています。消費スタイルにどんな影響を及ぼしていくのか興味が深い。

・・・‥‥...............‥・・‥.....................‥‥・・

■『「クロスの法則」:消費者視点で「わくわく商品開発のススメ」忽那公範キーワード』
 プロジェクトを進める上で、上司に上手く説明出来ず止まることはありませんか。こんな時は、仲間に助けてもらうといいです。自分の上司は、自分に対して言いやすいですよね。でも、上司も、他部門の人には、ちょっと遠慮したり、優しくなったりすることはないですか?この気持ちを利用します。上司に「あれはどうなってるか?」と聞かれたときに、説明が難しいと思ったら、他部門の仲間に助けを求めて、一緒に、自分の上司の報告の時に来てもらいます。そうすると、自分の上司は聞く耳をもって聞いてくれます。自分一人だと、権力で押し付けてくることが多々あると思います。一人いるだけで、会議っぽくなって、まともな会話、大人の会話に変わることが多いです。もちろん、仲間が困っている時は、自分が説明に行けば上手くいくことが多いです。変な役割の垣根をとって、消費者にとっていいと思えることをベースにして、話をすれば、偉くなるほど理解できます。お互いの上司に説明にいくことで、プロジェクトが円滑に進みますので、積極的にクロスの法則を活用してください。
忽那 公範(くつな きみのり)

・・・‥‥...............‥・・‥.....................‥‥・・

◆土日朝一番の映画 映画は映画館で観るとワクワク・ドキドキです。
映画「焼肉ドラゴン」劇作家・演出家の鄭義信が監督、店主夫婦を「隻眼の虎」のキム・サンホと「母なる証明」のイ・ジョンウン、3姉妹を真木よう子、井上真央、桜庭ななみ、長女の幼なじみ・哲男を大泉洋がそれぞれ演じ、エネルギーに溢れ、パワーが爆発していた。
1970年代の時代の変化に翻弄される家族、明日を信じられる時代だったが、今は?
芝居も数回観て人間のパワーを感じたが、映画はもっとパワフルだった。

日本オリエンテーション主宰 まつもとかつひで

■■■.......................................................................................‥‥・・
■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第439号(2018/7/17) (c) 1999Japan Orientation
・‥‥.......................................................................................‥‥・・

前のミネラル 次のミネラル