1.「カテゴリー外競争商品」を競合にして飛躍を
競争構造が変化しています。今までの競争は「カテゴリー内競争」でした。菓子は菓子の中で、化粧品はその化粧品のカテゴリーの中で、自動車は自動車メーカーの中での競争でした。
しかし今の競争は、異なるカテゴリー間の競争になっています。小腹いやしという効用でハンバーガーとおにぎりとカップヌードルが競争をしています(この中では簡便性でカップヌードルがハンディキャップを持っている感じがします)。
CVSで売っている清涼飲料と医薬部外品の栄養ドリンクは競合関係にあるのでは。
私どもが関係したケースとして、大変シンボリックな競争関係がありました。500リットルの大型冷蔵庫と家族揃って海外旅行が30万円台で競合している可能性があったことです。消費者は500リットルの冷蔵庫を買おうか、それとも家族で海外旅行ををするかの選択をしていました。その後トヨタ自動車のCMで、「床暖房にしますか、自動車を買い換えますか?」「海外旅行にしますか、自動車を買い換えますか?」の訴求がありました。カテゴリー外競合を意識したCMだったのでは。こんな異なる商品間で競合しているのが現状です。
これは新しい商品を開発するチャンスでもあります。
菓子の開発をするときに携帯電話の使用料を考え、携帯電話をするより魅力的な菓 子を開発することが出来れば今までの菓子の概念を超えられるかもしれません。例えば思いつき的発想ですが、恋人菓子(恋人と食べる菓子、恋人が出来る菓子、喧嘩をした恋人と仲良くなれる菓子など)。
対象ターゲットの1番楽しいコト、モノ、を競合に考えてみるとおもしろい飛躍が期待できるのでは。今の競争は異なるカテゴリー間の、時間とお金と、楽しみの取り合いです。
日本オリエンテーション 松本勝英
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