1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:商品開発のセオリー スパーキング

13. 商品開発システムの革新

日本オリエンテーションとしての、商品開発R&D課題の2番目は、「商品開発システムの革新」です。
商品開発のシステム化はなかなか難しいところがあります。
革新しても革新しても、システムの陳腐化が起きることです。
人の能力をより引き出すシステムにすることも大変な課題です。

新商品のコンセプトテストで考えてみます。
コンセプトテストの結果、次のステップにGOするのか、NOGOにするのかの基準=NORMがあります。一般的には、コンセプトを提示して、ぜひ購入したい、購入したいの合計、トップツーボックスといいますが、70%以上だと成功する可能性が高いことから、次のステップに進めていきます。いままでの経験値です。

自動的ふるい分けシステムでは
しかしこの70%という基準が、ただ商品コンセプトのふるい分けになってしまい、開発担当者の「想い」が入らなくなっている現状があります。
65%だからここで自動的に中止にしてしまう。もっと魅力を高めようとする、人の「想い」が中断してしまいます。
自動的ふるい分けシステムでは、なかなか成功する商品が出来ません。70%以下でも、「想い」を持ってコンセプトのブラッシュアップをすれば、成功する可能性が生まれてきます。
成功のポイントはシステムを超える「人の想い」です。「想いとシステム」をシンクロするシステム作りは難題です。

商品によって
また実用的商品では70%以上だと成功の可能性がありますが、今日的成功商品としての「生活DELIGHT型商品=生活をより愉快に、楽しむ商品」では、これらの評価方法では困難です。感動度、意外度、生活の革新度、などの評価をどのように評価するのかが課題です。
消費者にとって経験のない、革新的商品も、今までの評価方法では、なかなか評価が出来ません。コンセプト段階で評価するより、実際に使ってもらっての、使用テストの方が有効であるケースがあります。

今一番の課題

商品開発のスピード化が大きな課題です。
ITの世界では「3,3,1」という言葉が使われていました。開発3ヶ月、生産3ヶ月、販売1ヶ月、まるで生鮮食品並です。為替のディーラーにとって未来とは1秒後だと言われています。
このようなスピード化の時代の、商品開発のスピード化の尺度は、損益分岐点までの時間を、今までの時間の半分にすることです。3年で損益分岐点を超えていたのなら、18ヶ月が損益分離点時間になります。なかなか大変です。
そのための方法をいろいろ考え、実施しています。
「PRM方式」 PRM方式、この説明はバックナンバー「スパーキング2」で簡単に説明しました。

「商品コンセプトバンク」

時代・市場・生活価値観の変化を基に、商品コンセプト仮説をたくさん作っておき、タイミング、競争状況に対応してコンセプトバンクから取り出しブラッシュアップして、先手を打つ仕組み。

「ワンペーパー企画書」

商品コンセプトの企画書をA4一枚にまとめるフォーマットの開発。
コンセプト企画書作るのに多大な時間がかかっています。もっと簡潔に、ポイントを表現した「ワンペーパー企画書」は、本来の企画に時間をかけるために有効です。

「商品開発プロデューサー制度」

商品開発組織の間で役割責任が不明確になっています。スピーディーな決定が行われないことが、開発スピードを遅くしています。映画のプロデューサー方式のように全てのことに、全責任を持つプロデューサーの人材開発が急務になっています。

「商品開発システムの革新」について「スパーキング」を通して、日本オリエンテーションの提案をして行こうと思っています。

日本オリエンテーション 松本勝英

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