23.「ニッチ戦略ナンバーワン」
ニッチ戦略は魅力的な、ナンバーワン戦略
ニッチ戦略とは
100億市場 10億売り上げ マーケットシェアー10% 業界5位
30億市場 10億売り上げ マーケットシェアー33% 業界1位
どちらが、より多くの利益を獲得できるでしょうか。
30億市場で10億の売り上げの方が、より多くの利益を上げることは明らかです。参入する時に、大手の企業と競合しない市場を設定することがニッチ戦略です。
ニッチ戦略という言葉は、スキマという言葉が連想され、無駄、小さい、いかがわしい感じがします。しかしニッチ戦略とは、生き残り戦略であり、独自化戦略であり、オンリーワン戦略でもあります。
また、消費者から見ると高満足戦略で、魅力的なナンバーワン戦略です。
セブンイレブンも1927年ダラスの製氷所で、氷と一緒にパン、タマゴを売ったことが始まりました。ニッチでした。
今のベンチャー企業は、多数がニッチ戦略で成功した企業です。
くり返しますが、ニッチ戦略とは、最初は、無駄で、小さく、いかがわしい感じがするものです。
ベンチャー成功戦略から学ぶ
ベンチャー企業の成功のポイントは
- ひとつの技術を徹底的に深耕
- 組み立て量販品を避ける
- 創業時の成功率は市場の大きさに反比例
- 量より高く売れる
- 社内にない資源は、外部を活用する
などがあります。
ニッチ成功戦略は、ベンチャー成功戦略に通じています。
特に市場を狭く捉えて、特徴・深耕戦略で利益を得る方法は、ニッチ戦略そのものです。
ニッチ戦略成功のポイント
ニッチ成功のポイントは
- 絶対的購買理由が存在し
「ぜひ欲しい」商品であることが必要条件です。コーヒー「で」もよいではなく、このコーヒー「が」欲しいという商品です。熱帯魚のファンは、熱帯魚の色を出すのにはドイツのテトラベルクの餌「が」ぜひ欲しいと、高価格でも喜んで購入しています。
- 完全な製品であること
製品の完成度が重要です。不完全な商品では、ニッチ・ターゲットを満足させることは出来ません。競合商品と比べて、ターゲットが求める効用を満足させる完成度が必要です。作り手の強い個性と、そこから生まれた、こだわり型商品でなければ成功しません。
- 競合に占有されていない
すでに他社が占有している市場に入って行くにはマーケットが小さく、難しくなります。ニッチ市場は先発が原則です。
- マーケットシェアー30~40%以上を
ニッチ市場で、10%のマーケットシェアーでは市場をコントロールできません。出来れば40%以上、少なくとも30%以上ないとニッチの魅力はありません。
- 熱烈な支持者
熱烈の支持者がいることが重要です。音楽の世界で、インディーズレーベル(例えばモンゴル800など)が成功したのは、沖縄のタワーレコードのカリスマ店長の熱烈な支持があったことです。専門家、販売店、販売員、雑誌関連の支持者を獲得することがポイントです。
これからは大手メーカーにとっても、ニッチとマスの組み合わせが重要になり、グローバル・ニッチ戦略も重要な戦略なってきます。
ニッチからイノベーションが始まるのでは。
日本オリエンテーション 松本勝英
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