1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:商品開発のセオリー スパーキング

27. 商品開発・成功体質をつくる -2「真の強者づくり」

 新商品の成功確立は1/10と言われています。
成功した商品をより強化して、真の強者にすることが、商品開発・成功体質 づくりにとって重要なことです。

まずは、保護改良の優先

 新商品が成功したら、すぐに保護と改良の課題に取りかかること、 そのままにしておくと、競合商品に抜かれてしまうこともあります。

保護改良のステップは

少なくとも、二年に1回は改良をすることです。
改良のステップは

1. まず、品質の向上を図る  2. 次に品質を落とすことなくコストダウンを
3. 便利さの改良
4. 次に感覚的な魅力を高める(例えば香りをよくする)
5. パッケージデザイン、ラベルを変えて鮮度を高める
その時、気をつけなければいけないことは
・消費者実態の把握、追跡です。
誰が購入し、どのように使うのか、競合メーカーは、差別化は、ブランドカテゴリーの位置づけとブランド価値は。そして外部環境の変化の把握。
・ブランド・アイデンティティーを維持するために、変えていけない部分と変えてよい部分の明確化です。
変えていけない部分は、商品の基本コンセプト。変えてよい部分は、デザイン、広告表現。サブコピーなどは少しずつ変えていくこと。
小さな改良も10年続けると一つの大きな革新になる。

真の強者づくり、神話づくり

 成功し、ナンバーワンになったら、真の強者化です。
そのために、「成長性×マーケットシェア」マトリックスによる分析が有効です。

  成長性
高い 低い
シェア (1) 真の強者 (2) 擬似的強者
(3) 擬似的弱者 (4) 真の弱者

真の強者は(1)象限で、マーケットシェアが1位で、競合商品と比べて成長性が高い。真の強者化が目標です。
(2)象限は、マーケットシェアは高いが、競合商品と比べて成長性が低い商品です。擬似的勝者です。商品とマーケティングの強化が必要です。改良しないでいると、将来大きな問題が生じることも考えられます。
(3)象限は、マーケットシェアは小さいが、競合商品と比べて成長性が高い商品です。擬似的弱者です。競合商品に、このような擬似的弱者が現れたら要注意です。なぜ成長しているかの本質を把握し、改良ポイントとして取り込むことが出来れば取り込むことが必要です。
(4)象限は真の弱者です。自社商品であればカットをする。
成功した商品を真の強者にすることが成功の成功です。

真の強者化の次は、神話化です。

 お茶なら、伊藤園の「おーいお茶」、炭酸飲料なら「コカコーラ」、マヨネーズなら「キューピー」、醤油なら「キッコーマン」、液晶なら「シャープ」、これが神話づくりです。
ビールなら? デジカメなら? 思い浮かびません。まだ神話はつくられていないのでは。
神話をつくるには、消費者がそう思い込んでくれることが必要。そのために、品質のよさを知らせるのではなく、業界のリーダーであることを知らせることがポイントです。

成功→トップ→真の強者→神話づくり が成功体質のスパイラルです。

日本オリエンテーション 松本勝英

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