研究開発活動は3つの活動からなっています。
1つは改善で、顧客の満足度を年率3~5%向上させること。
2つ目は、次の新商品を開発する。
そして、3つ目は、イノベーションです。
以前は売り上げの10%を研究開発に投資する企業が研究開発企業だといわれたことがありました。研究開発費バブルでした。どれだけの予算を投入するかではなく、どれだけ新商品・新規事業に結びつけたかが重要です。
そのために、研究開発に、戦略、固有技術、効率、マーケット重視が重要になります。
経営と研究開発
経営戦略と研究開発の方向性の一致です。
成功企業は、経営の戦略・方針と研究開発の方向性を合うわせることを徹底している企業です。そのために、研究所は事業の現場から離れないようにすることが大切です。
方向性をハッキリさせるために、研究開発の原則の明確化は有効です。
1,軍事目的の研究はしない。
2,環境・エコロジーに反する研究はしない。
3,世の中にない技術ジャンル、商品ジャンルを作り出す。
4,他社の技術ジャンル、商品ジャンルを尊重する。
5,世界適地で研究、開発活動を行い、成果を上げた国で実用化をめざす。
1, 社会的有用性?社会にとって今後も有用
2, 創造性?自社の創造技術を、アイディア
3, パフォーマンスバイコストー他社商品より優位か
4, 調査の徹底?消費者テストで検証
5, 流通への適合性?流通店頭での消費者伝達能力が商品にあるか
研究開発の目的は、他社にまねされない商品を作ること。そのためには基礎研究を重視し、基礎研究の成果を高く評価することです。そうしないと基礎が軽んじられる、競争優位が得られません。
しかし、企業は余裕を失い、研究対象を「最先端」から「実用」に軸足を移しているのが現状です。いまは、バブル経済の時に投資したリターンが、技術成果として表れてきている状況で、20年後を考えると、基礎研究の低下が気になります。
固有技術の開発で成功している、松下の「ブラックボックス技術」は「商品を分解しても作り方がわからない」「分解すればわかるが、特許で知的財産が守られる」「生産方式などモノづくりの工程が囲い込まれている」などと定義し、デジタルカメラの「手ブレ防止機能」など多くの成功を生んでいます。
基礎研究による、他社負けない固有技術の開発が重要です。
費用と成果は相関するとはいえません。しかし、成果と意欲は相関することが多いです。
意欲を生み出す一方法として、小さなチームで、低コストの開発方法があります。
3M(ミネソタスリーエム)の15%ポリシー。研究員の仕事の15%を研究員の興味あることに時間を割くことが出来る制度です。「ポストイット」などはこの制度から生まれました。
また、グーグルは、内部開発を強化するため、技術者は仕事時間の20%を 好きな技術開発に充ててよく、そこから生まれたのが、ソーシャル・ネット・ワーキングサイトの「Orkut(オーカット)」です。
意欲と、小さなチーム、低コストが成果を上げています。
日本オリエンテーション 松本勝英
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