ニーズ発見開発には定型的方法はない。
消費者のちょっとした声だったり、顔の表情だったり、偶然に見たことなど、いろいろです。もちろん定性、定量調査も必要です。
ニーズ発見開発のいろいろとは。
まずは既存データの収集です。
どんなデータが必要か。
1.商品に関するデータ
商品の原理、効用、直接・間接競合商品の一覧リスト
(メーカー名、商品名、特徴、容量、パッケージ、価格、その他)、サンプル(自社、競合商品の)、商品カタログ、パンフレット
2. 広告資料データ
プリント媒体、そのバックナンバー(訴求点の変化を読むのに必要)
3.市場データ
商品タイプ別、季節別、地域別、チャネル別(出荷量、消費量)、出来れば3~5年の時系列データ(SCIなどにによる)
4.マーケティング情報
ターゲットに関するデータ。
ヘビー、ミディアム、ライト、ノンユーザーの特性、モチベーション(購入動機)、商品タイプの選択基準、ブランドの選択基準、購入場所(規模別、業種形態別)、使用実態、シェア(トータル、商品タイプ別)
5.流通
流通経路、末端小売店
これらのついては、必要なデータ一覧を作成しておき、すぐにデータが得られるような体制を作っておくことが必要です。
既存データを基に、課題の明確化、切り口仮説の発見、コンセプト仮説を開発する、ブレンーストーミングも重要なニーズ発見開発の方法です。
ブレーンストーミングの原則。まずアイディア、切り口の数を出すこと、他人の意見を否定しないこと、司会者がテーマに関するチェックリストを用意し、活性化することなどです。
テーマ内容によっていろいろな視点がありますが、普段私たちが使っているブレーンストーミングのチェックリストを掲載しておきます。
1.商品の本質をつかむ
テーマ商品は消費者にとって何なのか、消費者はどんな生活メリットを求めているのか。
3階建て木造住宅とは消費者から見てどんな住宅なのか。ロースハムとは何なのか、他のハムとどのように違うのか。
2.市場データに基づくブレーンストーミング
ポイントは変化と、特異点の発見です。
伸びている商品のタイプ、ブランドは。減少している商品のタイプ、ブランドは。だいじなことはその理由です。
消費者の視点から、その理由を解明することがニーズ発見のチャンスになります。
また特異点、ある地域だけ特に売れているとか、売れていないかは特異点です。その理由の解明も重要です。
開発しようとしている商品の、プロダクトサイクル上、どの位置にあるかで開発の視点が異なります。
まだ既存商品がない開発期は、潜在ニーズに基づく創造型の視点が必要です。
すでに先発商品がある 導入期では、差別化(価格、技術、チャネルの差別化)が重要なポイントになります。
成長期の段階にあるときは、ヘビー市場、オピニオン市場に対する、重点市場戦略が必要です。
また、未開発市場の発見もチャンスにつながります。なぜ未開発なのか、その理由の解明は重要です。
すでに成熟期にある場合は、次世代戦略、技術革新が重要になります。
市場を構造的に分析し、新市場を発見する。そのために市場ポジショニングマップを作成しておくことが必要になります。マップの作り方はどこかで書きたいと考えています。
・市場は、単一市場か複合市場か。
・市場を切る軸 X・Y軸の、軸の意味は何か。
・どの市場が成長、サイズの点で魅力的か、成長の理由は。
・未開発市場の発見、小さい市場に分かれているが統合することによって魅力市場になる可能性のある統合市場は。
・X,Y軸に対して、新しい軸(創造市場の)が発見できないか。
・開発商品の必要条件は、新しい魅力条件は何か。
・既存視点に対して、新視点は。
・ 商品を取り巻く、時代・市場・生活価値観の変化は。
・理想的プロダクトプロフィールは。
・ターゲット・オケージョンは。
・競合商品の分析?強さ、弱さ。
グループインタビュー、深層面接などの定性調査です。仮説を作るときには、消費者の自発的な生の声がだいじです。スピーディー、安価なことも魅力的です。
(7)定量的調査ベンチマーク(時系列)による、変化の目を見つけることがポイント。
コンセプト仮説の検証に有効ですが、仮説づくりには課題があります。
3現主義-現場、現物、現実の把握のために、生活現場、店頭現場の探検が有効です。
これらの組み合わせが、ニーズ発見開発方法のいろいろです。
定性調査、定量調査、市場探検の詳細については、後日述べたいと思っています。
日本オリエンテーション 松本勝英
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