7.「快」を開発する
快適、快楽、感動など情動的商品が求められています。
私も10数年前に「メンタルケアーフーズ」開発しようと、チャレンジをしたことがありました。ちょっと早かったかも
しれません。「フリスク」、「ホールズ」などは典型的な「快フーズ」ではないでしょうか。ハミガキは、機能と快がハ
イブリッドになった成功商品です。
快には、生まれながらの「生得的快」と、学習による「文化的快」があります。
「生得的快」は生まれながらに刷り込まれている快で、脳で言うと深い旧皮質が関係していると言われています。商品の中
に「生得的快」が埋め込まれていると、なんだかわからないけれど手が出てしまう可能性が高まります。
トライアルにとってだいじな要素だと思います。
生得的快情報として、強い色彩のコントラスト、原色、金属色、反射性素材の使用、光のゆらぎ、人工的照明などがあります。アサヒビールの「本生」、キリンのチュウハイ「氷結」などは、「生得的快の色」情報の上手い使い方かなと思います。デパ?トの化粧品売場などの、店頭の明るさも生得的快の明るさなのでは。
仮面(威嚇の表情、体を出来るだけ拡大し、目をむき、歯をむき出した表情)も生得的快情報だそうです。仮面の威嚇のデザインもおもしろいのかもしれません。
音も重要な生得的怪情報です、16ビートのリズム、日本の太鼓リズムもなにかワクワク、どきどきさせます。
甘い味は、もちろん生得的快情報です。「くつろぎ味覚」としての甘さを考えてみてはいかがですか。「くつろぎの甘さ」は、チョコレート味ではなくて、なにか虎屋の羊羹味ではないか。「くつろぎ甘さ」を魅力的訴求になりませんか?
何が生得的快になるのかを考えるヒントは、赤ちゃんの喜ぶ行動と食欲(クチャクチャ食べる、貯まったものを一気に排泄する)、性欲(皮膚の接触感覚、べたべた、)などの個体維持に関すること、そして少し飛躍かもしれませんが脳の多層性を考えると、爬虫類的感覚(ぬるぬる、ヒヤッとする冷たさ)も生得的快では。
赤ちゃんは、高い高いが好きです、平衡感覚を揺るがすこと。乳首を「吸う」、お尻を「たたかれる」、なにかに「包まれる」ことも好きです。快便、快眠、快食も生得的快です。みなさんの快便、快眠、快食体験をもとに具体的に「生得的快」考えて、魅力を開発してみて下さい。
日本オリエンテーション 松本勝英
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