1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモトミネラル」

マツモトミネラル第187号

配信日:2007年05月15日

第187号
『ネットと偶有性』『少人数所帯向け市場』『黙読から音読へ』『快感は五感すべてを利用』『人間の精神面では画一化が進んでいる』


2週続けてのマツモト・ミネラルです。
12日(日)、たまたま見ていた、NHKBS放送「美の壺スペシャル」で
奈良の旅を放送していました。
格子の家、仏像、墨、山辺の道、茶粥、など魅力たっぷりな映像でした。
ゆっくりと一人旅に行きたいな。

■『ネットと偶有性』
★解  説
 「あちこちのページを渡り歩くネットサーフィンは、クオリアサーフィンで
ある可能性もある。無意識のうちに特定の気分を求めてページを渡り歩いてい
る人が多いのでは。偶有性という、半分は規則性を持ち、半分はランダムとい
うものが、脳にとってもっともうれしい体験。全く予期しない現象や、完全に
予想可能な事象では脳は快感を得ない。ネットの進化ではこの偶有性の概念を
どう取り込むかが重要。 偶有性 茂木健一郎氏  日経産業新聞2005.11.30

★ミネラル
 偶有性と規則性があることが気持ちよい。なるほど。どちらかに偏ってしま
うと気持ちよくないのだ。遊・学・働くもバランスよくありたいと思います。
茂木健一郎さんが展開している「クオリア」はマーケティングにとっておもし
ろいテーマです。
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■『少人数所帯向け市場』
★解  説
 高齢化、居住環境の変化、晩婚化などを背景に、全所帯に数にしめる、1人
から2人世帯の割合は5割近くに達している。

★ミネラル
 都市型マーケティングの展開では重要なターゲットです。一人の人は家族に
拘束されず、時間の概念が自由になっています。思い立ったら好きに行動する。
朝食、昼食、夕食という固定概念が希薄になっています。
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■『黙読から音読へ』
★解  説
 団塊世代は黙読世代。司馬遼太郎が現在も読みつがれるのは、その濃厚な物
語性のゆえだけではない。炉端で語りかけるような「座の口調」、一種の「仕
方話」だからである。また、漢語を適度に援用したリズムが快いからである。
演劇の実践に心ひかれがちな青年たちの昨今の傾向とあわせ、音読の「場」へ
の回帰、または「日本語の身体化」が密かに願われているかのごとくだ。
斉藤孝氏の「言語の身体化」に対して。
                    関川夏央氏 朝日新聞2002.04.25

★ミネラル
 私も本を読んでいて集中しないときは音読をしています。す?っと本に集中
していく楽しみがあります。また心地よい脳への快刺激になります。       
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■『快感は五感すべてを利用』
★解  説
 「味・匂・触」が攻めどころ。
「快感は五感すべてを利用して作るものなのに・・・。視覚や聴覚ばかりに気
を取られているクリエーターが多いけれど、むしろ味覚や嗅覚をうまく使えた
人がヒットを生んでいる。だけど、そのことに気づいている男性は少ない」と
解説するのは、あるテレビ番組製作会社の女性スタッフだ。
CD売り上げは全体に低調だが、コンサート人気は上昇する一方。
五感への刺激という視点を加えてみると、さまざまなヒット商品が浮かび上が
ってくる。90年代、テレビ番組のヒットジャンルは「料理の鉄人」や「ビスト
ロスマップ」などのグルメ料理番組だった。人気の秘密はテレビでは本来伝わ
りにくい。味覚や嗅覚を刺激できたことにあった。
「今、欲望を刺激するなら、味わう、匂う、触るが攻めどころ。男性は体全体
から欲望を発散させているのに自覚が足りない」とこの女性は言う。彼女によ
れば、今後の注目は「苦い、臭い、痛い」だそうだ。
    品田英雄氏(日経エンタテイメト!編集長)日経産業新聞2001.08.28

★ミネラル
 視覚、聴覚に対して、嗅覚、触覚、味覚は近感覚で、科学的解明が進んでい
ない劣等感覚といわれています。しかし、人間の旧皮質と関連していて快を刺
激する感覚としては大変重要です。これからは「苦い、臭い、痛い」か?
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■『人間の精神面では画一化が進んでいる』
★解  説 
 「メディアの多様化と逆に、人間の精神面では画一化が進んでいる。」「背
景には、情報が増えすぎたために、象徴的貧困が深刻になっている」(メディ
ア学者東京大学教授石田英敬氏)
「象徴的貧困」とは、過剰な情報やイメージを消化しきれない人間が、貧しい
判断力や創造力しか出来なくなった状態。
政治や社会についても、誰もが同じような感想や意見しかもてなくなっている。
「現代の大きな危機は、象徴的貧困が進んだために、自分と他の人間を区別す
る境界が曖昧になったこと」「その結果、自分が確かに存在しているという感
覚感が失われ、自分を本当に愛することもできなかくなっている。そうした人
間の危機が様々な社会問題や事件も引き起こしている」。
「いつも自分にとって快適な情報だけに囲まれていることになる。情報は多様
化していても、実際に個人が多様化していても、実際に個人が手にする情報は
多様だとはいえなくなっている」
              21世紀論 清水克雄氏 朝日新聞2006.02.14

★ミネラル
 情報を受け入れても、消化吸収が出来ずそのまま吐き出しているのが現状で
す。情報と相対する、反論する、そして感動することが必要な時代です。
情報と戦っていますか、感動していますか。
               
                 日本オリエンテーション 主宰 松本勝英
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★マイカレンダー 5月7日(月)?5月14日(月) 
連休明け7日(月)からコンサルティングの仕事で、ちょっと気を入れてアイ
ディアを熟成中。
8日(火)客員研究員と「マーケティング革新」プログラムの打ち合わせと、
ロシア食品見本市へコーディネィターとして行くことの打ち合わせ。
夜は、客員研究員とコンサルティング打ち合わせ。

9日(水)コンサルティングとカウンセリングで、13時?19時30分までの長丁
場。商品コンセプトへの理解が進んでいてよかった。カウンセリングも新技術
をもとに市場の活性化で、なかなかおもしろいテーマです。
10日(木)もコンサルティング。生の声をもとに社会ニーズ、消費者ニーズ
へ読み替える。

11日(金)は「知的情報技術によるビジネスデータ活用の最前線」セミナー
を受講。「チャンス発見」と「テキストマイニング」の活用の話。
日本オリエンテーションの、消費者の生の声をもとに、チャンス発見するプロ
グラム「生活・健康ナレッジ」のこれからに展望が持てました。

12日(土)は、土日早朝映画を見る。「スパイダーマン3」を。ストーリー
は貧弱、スパイダーマンの動きも新鮮さがなく、サウンド・マン、悪のスパイ
ダーマンも魅力なし。スパイダーマン1,2と比べてレベルが低い(鮮度なし)
★ひとつ。

ちょっと忙しく、おいしいお酒を飲む機会がなく残念。

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 ■□■ 「MATSUMOTO・MINERAL」
 ■■■ 第187号 (2007/5/15) (c) 1999 Japan Orientation
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