1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモトミネラル」

マツモトミネラル第188号

配信日:2007年06月05日

第188号
『味覚と快』『旭山動物園』『大衆迎合主義』『サーカディアンリズム』『コアコンピタンス経営』


もうそろそろ梅雨の季節です。
急に雨が降りだし、傘を忘れて困ることがあります。
以前は、どうぞと誘ったり、誘われたりして相合い傘になることがよくありま
したが、このごろは見かけなくなりました。
ちょっとさびしい感じがします。

■『味覚と快』
★解  説
 油はカロリーが高く、効率よくエネルギーを摂取できる。快感になるよう
本能が命じている、アミノ酸を豊富に含む「だし」と糖分も、やみつき系。
基本味でいうと、うまみと甘味。いずれも栄養を示す味覚。
欧米から日本に流入した「油文化」に対して、「だしの文化」を回帰させ、子
どもの頃から低脂肪食に満足できる食生活にならさせることが重要。
                    美味学講座 読売新聞2005.06.25

★ミネラル
 オーバーカロリーの時代、日本の味覚を掘り起こすことが大事になってきて
います。日本の伝統をサイエンスすることが、グローバルな発信になっていく
のでは。
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■『旭山動物園』
★解  説
 入園者の落ち込みを、ジェットコースターなどで増加を図ったが一時的、動
物園本来の魅力で入場者の快復を。
仕事が終わって、飼育係の有志が集まって、「動物本来の魅力を伝えることで、
お客さんに来てもらえるようにしなければ」「ワンポイントガイド」もこのと
きに生まれた。
始める際、「やると決めたら、理由を付けて中止をするようなことは絶対して
はダメ」86年から今日まで休んだことがない。雨降りでお客が2組、4人し
かいなかったときも実行、感謝をされた。「行動展示」の発想は、動物の字の
真ん中に「く」を入れると、「動く物」になる。現場での行動展示は少なくと
も1年たてば変わってしまう。動物も飽きるし。だから飼育係は次はこの動物
にどのような物を仕掛けるかを常に考えている。
               旭山動物延長 小菅正夫氏 日経新聞2005.09

★ミネラル
 本来の魅力を掘り下げることが必要な時代です。枝葉で勝負ではなく、根を
競う時代です。サントリーの「水」テーマは、根のマーケティングでは。  
行ったことがあります。行っていない方は今年の夏休みに行ってみたらいかが
ですか。刺激的で、楽しいですよ。
今注目している「シャドーワーク」の成功例では。
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■『大衆迎合主義』
★解  説
 「一犬虚に吠えれば万犬実を伝う」。
一人がでたらめを語ると、多くの人々はそれを真実として広めてしまう。
「一犬」の正体いかんにあるのではなく、「万犬」すなわち群衆というものの
危うい変わり身と「一犬」と「万犬」をつなぐメディアの功罪にある。
21世紀現在でもファシズムが生成されるのか。
マスメディアは拍車をかかる存在になっていた。政治権力とメディアが合作し
たこの劇場の空気とは、
1,わかりやすいイメージや情緒が、迂遠であるけれど大切な倫理を排除し、
現在の出来事が記憶すべき過去(歴史)を塗り替えてしまうこと。
2,あざとい政治劇を見る群衆から分析的思考を奪い、歓呼の声や嘲笑を伝染
させて、劇を喜ばないものたちにはシニシズムを蔓延させた。
フランスの作家、メディア学者の、レジス・ドブレは10年前、テレビがもた
らした状況の変化について、常に刺激を求める視聴者に合わせることに情報の
ヒステリー化、短絡化を揚げ、「大衆迎合主義」が横行して、「浅薄で凡庸な
イメージ」が少数意見を圧殺すると語っていた。
                辺見庸さんと考える。朝日新聞2006.03.08

★ミネラル
 気になる時代です。劇場化、情報化社会の危うさを感じます。情報はある
意図、フィルターを通ったものです。簡単に流れに乗ってしまう危うさが気に
なります。私はへそ曲がりですから、乗りませんし、乗らないように大変、大
変気をつけています。
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■『サーカディアンリズム』
★解  説
  サーカディアンリズムとは、ほぼ1日のリズム。動物でも植物でも。光が関
係し松果体で感じる。睡眠とサーカディアンリズム睡眠に特有の脳波があらわ
れるのはほ乳類と鳥類。
眠りは、動物を動かないように、安全確保のために進化してきたのでは。

★ミネラル
 動物としての人間の、1日のリズムを回復することが必要では。松下電工の
眠りの商品開発は、1日のリズムと睡眠の関係から商品を開発する、サーカデ
ィアンリズム・アプローチでは。
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■『コアコンピタンス経営』
★解  説 
 「利益を創出するための経済エンジンの分析」
 1,対象市場の定義 - 顧客に提供している価値は何か
 ・基本的価値はないか
 ・市場をどのように分けたか
 ・どのような顧客を対象にしているか
 ・顧客はどこにいるか
 ・対象としていない顧客とニーズは何か
 2,収益とマージンの構造?事業からどうやって利益を生みだしたらいいのか
 ・ビジネスのシステムのどの部分で利益をあげているか
 ・マージンはどこからうまれているか
 ・マージンの大きさを決めているのは何か
 ・コストと価格をあげているのは何か
 ・価値連鎖の他の部分で利益は上げられるか
 3,スキルと資産の配置?どのような経営資源や企業力が重要だろうか
 ・どんなやりかたがいいのか
 ・ビジネスを支えているインフラは何か
 ・どのようなスキルが多いか
 ・開発費はどのような方向に向けて支出されているか
 ・スキルと資源の配置を買えると顧客ニーズにもっとうまく応えられるか
 4,柔軟性と適応性
 ・価値を生む新しいいモデルにどれくらい注意を払っているか
 ・投資計画の修正はどれくらい簡単か
 ・インフラの修正は簡単か
 ・変化への抵抗はどこで最も強いか
 ・新しいゲームのルールに弱いところはどこか
 「競争相手は自分自身だ」
 ・産業の未来を読む競争のポイントは、未来から過去を振り返ることである。
 「産業の未来をイメージ」するには
 ・あまのじゃくであること
  業界の思いこみをみつけ,それを否定する。常識にとらわれない。
 ・比喩や類似を探す
  他の産業の魅力を類推。知識ナビゲーター,デジタル秘書。
 ・顧客主導以上であること。顧客は先を見通すことはできない。
  ・人々のニーズに感情移入をする
        「コアコンピタンス経営」G.ハメル&G.Kプラハラード

★ミネラル
 一つ一つの指摘がなるほどだと思います。変化のにおいをかぐ、アイディア
仮説を創る、消費者とのキャッチボールによる共感化、失敗をおそれず創造的
チャレンジ。私のスタンスです。
               
                 日本オリエンテーション 主宰 松本勝英
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★マイカレンダー 5月15日(火)?6月4日(月) 
 ちょっと体調を崩してしまい、ストレスを感じています。
 15日(火)おもしろいセミナーを聞いてきました。
 「江戸時代に見る日本のものづくり」鈴木一義氏(国立科学博物館主任研究
 員)
 技術と日本人の自然観 もののけ、もののあわれ、モノには魂がある、針供
 養、寺田寅彦「科学の目的はは化け物を探すこと」、科学と技術が一体化し
 た実学、暮らしの中の実学、人に会わせる技術、道具発想、気配りの概念は
 バリアフリー 未来のことを考えるには過去の深さの研究が必要。大変魅力
 的な話でした。一度セミナーに呼びたいな。

 18日(金)体調不良で 社内教育をキャンセル。
 22日(火)日本オリエンテーションの決算打ち合わせ。まあまあでした。
 午後、コンサルティングへ。コンセプトが見えてきました。
 23日(水)24日(木)「商品開発プログラムのたて方」セミナー。
 参加企業の事例発表がおもしろく、いろいろヒントをもらってしまいまし
 た。
 23日夜はセミナー参加者との懇親会。24日夜は、客員研究員とコンサル
 ティング打ち合わせ。その後会食。

 25日(金)コンサルティング。ブレークの新しい切り口が見つかりほーっ
 と。
 28日(月)午前、企業同士の意見交換。生活ベンチャーを創ろうなどとお
 もしろい話し合いでした。午後、企業の方が来社。競合企業の分析。
 29日(火)コンサルテイング打ち合わせ。ロードマップを創って将来図を
 描く必要性を共有化。よる、某大学マーケティング担当教授とデザイナーの
 方と会食。「想いづくり」開発などの話で弾む。

 30日(水)コンサルティング。テーマの本質がつかめて、おもしろい。
 1日(金)社内教育。少人数で対話型などでおもしろく、またいろいろ自分
 を刺激することが出来楽しい。
 土日早朝映画は、昨年日本アカデミー賞を取った、井筒監督の「パッチギ」
 の続編「パッチギlove&peace」。
 在日差別の中で、熱くて、エネルギーのある映画です。
 兄貴の井坂俊哉 妹の中村ゆり、そして藤井隆、すべての俳優が輝いていま
 した。★★★★です。お薦めです。

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 ■□■ 「MATSUMOTO・MINERAL」
 ■■■ 第188号 (2007/6/5) (c) 1999 Japan Orientation
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