1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

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考えるヒント:メルマガ「マツモト・新商品開発ミネラル」

【マツモト・新商品開発ミネラル】第418号

配信日:2017年8月1日

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・■■■        商品開発・マーケティングの
・■□■   MATSUMOTO・新商品開発MINERAL
・■■■     発行者:日本オリエンテーション 松本勝英
        毎月第1・第3火曜日発行(創刊 1999/10/01)
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    ■□ 第418号 Table of Contents □■
      ◇マツモト・商品開発ミネラル
      『人間と機械 AIが絶対できないこと』
      『単純接触効果』
      『マインドフルネス瞑想 覚めた意識で「気づき」を重視』
      『メンズスカート』
      『感性と言葉、結びつける 作詞、アイドル×AI』

<伝言>
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商品開発カウンセリング−新しい風を吹かせる「場」です
商品開発社内教育−発想刺激の「場」です

2017年8月1日(火)
夏休み
栄養をたっぷり吸収する夏休みになるといいですね。
8月の『ミネラル』『ヒントビット』は夏休みです。

■『(論壇時評)人間と機械 AIが絶対できないこと』
★気づき
 それでは、現状レベルのAIでも、導入すれば経済が成長するだろうか。東大合格をめざすAI開発で知られる新井紀子は「AIで生産性を上げれば経済が成長する、というのは誤解です」という。AIで労働コストを削減し、それで生産性を上げることはできる。だが「それそのものは新しい価値や需要を生み出しません」というのだ。
それはなぜか。理由の一つは、今のAIが、一定の枠内で収集された過去のデータを学習するだけのものだからだ。
一例をあげよう。来店客の購買データをAIで解析し、品ぞろえの効率化をしたとする。だが過去の来店客のデータを解析しても、「店に来たことのない客」や「未来の新製品への反応」はわからない。そうである以上、「固定客にもっと買わせる品ぞろえ」はできるだろうが、顧客の新規開拓や、新製品の開発には直結しない。結果的に、需要や価値を新しく生むことにはつながりにくいのだ。
いわば現行のAIは、保守的な性格を持つともいえる。「イノベーション」を説明する例え話として、「馬車をいくらつないでも鉄道にはならない」というものがある。それと同様に、馬車のビッグデータをAIに学習させても、鉄道の発明には直結しない。むしろそれは、馬車の改良を促してしまうだろう。
もちろん人間は、歴史を学ぶことで、未来を革新できる。だがそのためには、過去のデータから、統計的に例外でも重要な事例に着目し、価値を与えることが必要だ。そういうことは、AIにはできない。AIにできるのは、過去の延長で未来を予測することだけだ。
歴史社会学者・小熊英二
朝日新聞2017.07.27

★コメント
 AIでイノベーションは起きない。イノベーションを起こすには、人間の好奇心、想いが起点になるのでは。人間はもっと好奇心を高め、想いを強く持たなければ。 

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■『単純接触効果』
★気づき
 嫌いだったものが好きに変わる現象は「単純接触効果」という立派な名前が付けられている。嫌な人も毎日会えば慣れるという心理学である。食も同様。食べた回数が多いものほど好ましくなるという研究がある。
東北大学の坂井信之教授の実験は面白い。嫌な食べ物を5回続けて食べさせると慣れが生じた。しかも、3週間ほど間を置くと評価はさらに上がったというのだ。一方、最初に好きでも嫌いでもない中途半端な食物は、評価が最後まで変化しない。
龍谷大学農学部教授 伏木亨
日本経済新聞2017.7.1

★コメント
 コーラもウィスキーもコーヒーも、最初は美味しいと思わなかった。しかし、アメリカ、大人という意味価値で飲んでいたら好きになってしまった。嗜好品の開発は、個性プラス意味価値の創造では。

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■『マインドフルネス瞑想 覚めた意識で「気づき」を重視』
★気づき
 ところで、マインドフルネス瞑想の指導で感じるのは、「瞑想」という言葉のイメージからか、心が無になり考えが浮かばなくなる方法であると誤解している人が多いことである。マインドフルネス瞑想は「気づき」を大切にする瞑想に分類され、五感を通して感覚が起こる時に気づき、自分の快・不快や価値観から反射的に反応する回路を弱め、覚めた意識で自分の行為を選ぶ回路を育てる。
この回路の育成には、自分と他者(さらには生きとし生けるもの)に慈しみの心をもつと意図することが有効であるという傍証がある。マインドフルネスを中核とする臨床プログラムでは、自他への思いやりを重視した指導がなされている。
越川房子 早稲田大学文学学術院教授
朝日新聞2017.07.09

★コメント
 マインドフルネスは、自他的トレーニング、宗教と関連して発展してきたことが理解できる。まずは自分を開いてみることでは。『スタンフォード大学マインドフルネス教室』を読んでみた。

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■『メンズスカート』
★気づき
 先日のパリ・コレクションでは、トム・ブラウンが一歩進んだ男性のスカートスタイルを発表した。なんと「ドレス」である。スーツ用の服地で作られた、ワンピース型の服である。トム・ブラウンは語る。「なぜ女性のプロポーションやディテールをメンズテーラリングに取り入れてはいけないのでしょう?」
実は炎天下でもっとも快適に過ごせる服は1アイテムで完成するドレスであることを、私も経験的に知っている。女性は1960年代に「男性と同等にパンツスーツで装う自由」を勝ち取った。そして今ようやく、男性もワンピースで装う自由と権利のために闘う時代が訪れている。
中野香織
日本経済新聞2017.07.08

★コメント
 女・男の生活比較分析をしてみると面白いのでは。女の魅力を発見して人間としての魅力に昇華できないか?その反対もあり。

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■『感性と言葉、結びつける 作詞、アイドル×AI』
★気づき
 感性情報学が専門の電気通信大学坂本教授は、「つるつる」や「サラサラ」などの擬音語と擬態語を総称する「オノマトペ」の研究者として知られている。言葉で詳しく説明するのが難しいオノマトペを、「明るい・暗い」「暖かい・冷たい」「厚い・薄い」など43項目にわけて人に与える印象を数値化するシステムを開発した。例えば「ふわふわ」は、やわらかい、女性的な、弱い、という印象が強く、似ているような「もふもふ」は、やわらかい、暖かい、鈍い、という印象になる。研究は、病院で患者が訴える「ズキズキ」「ガンガン」といった症状を具体的な病名に結びつける医療分野への応用も進められている。
色彩もオノマトペと同じように、色からイメージされる言葉、言葉からイメージされる色に変換することができる。AIによる歌詞はそのシステムで作られた。「うぱうぱ」に意味はない。AIが一番初めに作った歌詞「僕のクルミがはち切れそうで」もただの言葉の羅列だが、「アイドルには歌わせられない」と採用されなかった。坂本教授は「想像力をかき立てられることを楽しんでほしい」と言う。
坂本教授が目指すのは、それぞれ感じ方が違い、あいまいな人の心に寄り添うAIを作ることだ。脳の中で言葉は、どう理解され、感性のイメージと結びつくのかの解明を目指している。坂本教授は、「人間の代わりに何でもやってくれるAIではなく、人間の想像力をサポートして、私たちの発想力をより豊かにしてくれる存在にしたい」と話す。
朝日新聞2017.07.09

★コメント
 感性をサイエンスすることによって、より感性を豊かにする、そんなスパイラルの世界が出来るといい。社会にとっても、コミュニケーションにとっても楽しいですね。

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◆土日朝一番の映画 映画は映画館で観るとワクワク・ドキドキです。
『残像』
巨匠アンジェイ・ワイダ監督の遺作。「祖国への報われぬ愛」不屈の精神にうたれる。オススメです。

『甘き人生』
男の屈折した内面世界、イタリアらしい映画ですが、私はあまりグッとこなかった。

『ビニーを信じる男』
ボクシングファンだから観に行った。不屈に再生するチャンプ、コーチも、周りも魅力的で愉しめる。

『しあわせの人生の選択』
死を迎えた親友との濃密な4日間。本当に濃密で考えさせられ、共感しました。絶対オススメです。

日本オリエンテーション主宰 まつもとかつひで

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■■■ 第418号(2017/8/1) (c) 1999Japan Orientation
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