1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモト・新商品開発ミネラル」

【マツモト・新商品開発ミネラル】第435号

配信日:2018年5月29日

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・■■■        商品開発・マーケティングの
・■□■   MATSUMOTO・新商品開発MINERAL
・■■■     発行者:日本オリエンテーション 松本勝英
        毎月第1・第3火曜日発行(創刊 1999/10/01)
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    ■□ 第435号 Table of Contents 松本プラス忽那□■
      ◇マツモト・商品開発ミネラル
      『イノベーションの条件 新旧部門「共食い」恐れるな』
      『味守るため微妙に変化』
      『折々のことば:1074 鷲田清一』
      『飲料に砂糖税 アジアで拡大』
      『ロッテ財団の研究テーマ』
      『「プロジェクトには3人必要」:消費者視点で「わくわく商品開発のススメ」忽那公範』

<伝言>
第146回「商品開発プログラムのたて方36時間」セミナー
2018年7月12日スタート
“なぜ30年以上、企業から支えられているのか”
☆36時間セミナーで、36の成功の秘訣が深く学べるセミナー
☆40年のコンサルティングの成功、そして失敗のエキスです
☆30年企業のリピーターによって支えられ、続けて来られたセミナーです
☆商品開発の厳しさ、楽しさが実感でき、成長を促すセミナーです

2018年5月29日(火)
 100歳時代を楽しく迎える
日本人の健康寿命は男性72.14歳、女性は74.79歳(厚生労働省の2016年の推計値)予防医学の研究者は、いま私たちが想像している以上のスピードで100歳時代を迎えると述べている。
この流れの中で、50歳から75歳の時代、季節で言うと秋の時代をどう生きていくかが重要になる。
 私は現在75歳、仕事の1/3は今までの、商品開発のコンサルティングの仕事の経験を生かし、『商品開発プログラムのたて方36時間セミナー』を年に4〜5回開催し、企業のカウンセリング、社内教育を行っています。
 1/3は、70歳からベトナムの起業家をサポートする、Give Back(恩返し)をしています。何社か成功の芽が出て来ていますが、5年かかっています。
 残りの1/3は自分の好きなこと、映画を観る、一人旅に出かける、ボクシングフィットネスに通う、悪字書家になりたい、ジャズピアノを一曲弾けるようになりたい、それらのために、朝5時起きで、ダンベル、腹筋、バイクに励み、体を動かすことを心がけています。まだ入院、手術をしたことがないので、一生しないで終えたいと強く思っています。
 裸の王様にならないように意識しながら、皆におだてられて、当面80歳まで、いまのスタイルを続けたい。
50歳から75歳の秋の時代を、楽しく充実することが、健康100歳を生きるために必要では。

■『イノベーションの条件 新旧部門「共食い」恐れるな』
★気づき
 第1の理論は「共食い」。既存技術で既存製品を作っているところに、新技術を使った新製品を投入したからといって、突然売り上げが2倍3倍になるわけではない。新製品と旧製品が「共食い」する限り、利益は大して増えない。すなわち一度成功してしまった大企業は新しい事をやっても失うものが多いので、いまいちやる気が出ない。」
 2番目は「抜け駆け」のゲーム理論。共食いとは逆に「既存企業こそが真っ先に新技術を買い占めてしまうはずだ」という仮説である。新参企業に先駆けて新技術を独占すれば、ライバルの参入を未然に抑止できる。競争相手が少なければ少ないほど自社の利益は増えるのだから、既存企業は「新しい何か」が話題になるたびに片っ端から買収して回る、それくらいの勢いがあってしかるべきだ。
 例えば米フェイスブック。友達の自慢話やグルメ写真が次々と流れてくるが、なかなかやめられない。そういう写真投稿サイトとして一歩先を行っていたのが米インスタグラムだが、フェイスブックは2012年に同社を買収してライバルを抱き込んだ。
 第3の理論は企業間の「能力格差」。経済学者のヨーゼフ・シュンペーター氏はドイツにいた頃は「新たな技術をもたらすのは起業家精神にあふれた新興企業である」と熱弁していたが、米国で大御所になると今度は「大企業の研究開発能力はすごい。若き起業家たちは早晩絶滅してしまうだろう。資本主義はおしまいだ」と言い出した。起業家妨げぬ環境整備を。
伊神満・エール大学准教授
日本経済新聞 2018.04.24

★コメント
 継続的革新も重要であるが、破壊的革新を。ソニーはブラウン管テレビの性能向上に固執して、新方式の液晶テレビという破壊的革新に遭遇,遅れを取った。破壊的革新のためには、トップダウンであること。もはやボトムアップの時代ではない。下から上がった情報はすべて過去の常識で塗りつぶされている。

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■『味守るため微妙に変化』
★気づき
 「一風堂創業者の河原成美さんの『変わらないと言わせるために変わり続けることが大事』という言葉が大好きで。地元に好きだったラーメン屋があって、大人になって久しぶりに行くと、おいしくなかった。たぶん味は変わっていない。色々なものを食べて、僕の舌が変わったのでしょう」
(トップに聞く) B級グルメで一流企業に 串カツ田中社長 貫啓二さん
日経MJ 2018.04.08

★コメント
 前は美味しかったけれど、期待していくと裏切られることがよくある。裏切らないためには、変わる重要性が、納得できる言葉である。

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■『折々のことば:1074 鷲田清一』
★気づき
 「至らない自分を消す」というところに、いわゆる渋好みの本来があるのでないかしら。(岩下尚史)から。服選びについて作家はこう説く。
渋味(しぶみ)というのは、弛(ゆる)んだまま凭(もた)れあう、そんな関係の甘さの否定である。でれでれし、ちまちました自分を消してゆく、その心の張りの中に艶(つや)が出てくる。その点でただの地味とは異なる。でもそれは大人の心得。「若いうちはどうせ何者でもない」のだから、見かけ倒しであっても「気障(きざ)なくらいがちょうどいい」とも。『大人のお作法』
折々のことば:1074 鷲田清一
朝日新聞2018.04.08

★コメント
 日本人の文化基層として、渋みがある。日本人の美意識について、ドナルド・キーンさんは、足利義政の東山時代に生まれたと述べています。(「日本人の美意識」中公文庫) その中で、日本人の美意識は、「暗示」「簡素」「不均整」「無常」だと述べています。かっこ良く日本人の文化基層を身につけたい。

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■『飲料に砂糖税 アジアで拡大』
★気づき
 アジアで甘い飲料に課税する「砂糖税」が広がっている。肥満につながる清涼飲料の消費を抑えるのが目的で、タイが2017年秋に導入。フィリピンもこのほど課税を始めた。背景には生活習慣病による医療費の増加に歯止めをかけなければ、 医療財政が立ちゆかなくなるとの危機感がある。相次ぐ課税の動きを受け、飲料各社も砂糖の削減に乗り出した。【バンコク=岸本まりみ】
日本経済新聞2018.04.03

★コメント
 健康税の発想がこれから重要では。消費者が望んでいるから開発するということだけでは支持が得られない。消費者と社会の支持と満足を得る市民消費社会に対応しなければ。

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■『ロッテ財団の研究テーマ』
★気づき
@-1健康の増進を目指す農・水・畜産食品開発の基盤となる新技術の研究
@-2栄養性・嗜好性を損なわない新しい食品流通・保護・加工法の開発研究
@-3副産物の活用に関する新技術の研究
A-1食と健康を志向したマーケティングないしビジネスモデルの研究
A-2食品の流通の研究
A-3食と健康に関わる消費者行動の研究
B-1菓子を含めた嗜好食品に関する食文化・伝統的技術を検証する研究
B-2食と健康の消費文化変容に関する研究
B-3食と健康に関する規制の現状と望ましい政策提言
C-1五感の末梢・中枢における感知・認知機構の解析・応用研究
C-2嗜好の変化に関わる因子・機序の研究
C-3咀嚼・嚥下に関わる食品物性の解析・応用研究
D-1栄養素・機能性食品成分の疾病予防効果を事前予知する研究
D-2加齢と栄養の関わりや運動と栄養の関わりを検証する研究
D-3消化管・膵臓・脳などに発現する味覚受容体の存在意義の解析研究
E-1食の安全と衛生の評価法の開発研究
E-2食品成分の摂取不足のリスクと摂取過剰のリスクに関する研究
E-3食の安全・安心の社会的関心の高まりの変遷に関する調査研究
F-1香気成分が身体・精神面におよぼす機能の機序の解析研究
F-2食事と香気の相乗効果による機能向上、新たな機能創出等の研究
G-1発酵代謝物の生体への健康効果の解析研究
G-2機能性素材、呈味素材としての発酵食品の研究
※下記はあくまで参考例です。この例にとらわれず、独創的、先端的テーマを歓迎します。
ホームページより

★コメント
 おもしろいテーマの一覧です。香気成分の研究などおもしろい。やみつき研究やりたいと思っています。テーマをどう解決するかより、どんなテーマをつくるかが重要、デザイン発想的視点である。

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■『「プロジェクトには3人必要」:消費者視点で「わくわく商品開発のススメ」忽那公範』
 商品開発をする時には、「こんな商品を出したいと思う人」、「思いを理解して仲間になる人」、「2人を理解してくれる上司(偉い立場の人)」の3人が揃わないと成功しません。一人だと、いくら思いが強くてもだんだんパワーが 低下してくるので仲間は必要です。具体的に動くには、サラリーマンなので、ちょっとした上司の理解(「やってみたら」の雰囲気)が、どこかでないと表の仕事になりません。
1990年代は担当レベルにパワーがあって、思いを持つ人が多く、また、思いを理解して仲間になってくれる人が多かったと思います。仲間って、共通の敵が存在すると、すごくまとまってプロジェクトとしてもパワーが生まれてきます。当時は、自分の考えが正しいと思って、部下に指示する上司が多く、理解してくれる上司がいなかったと思います。
今は、「2人を理解してくれる上司」は存在しています。1990年代に「仲間だった人」です。ですが、「思いを理解して仲間になる人」がいなくなってきていると思います。
例えば、事業部の人が思い持つ人だとすると、開発を進めていくときに関連する部門である「研究の人」、「生産技術の人」が仲間になってくれなくては、商品が出せない、レベルアップが出来ないまま商品化が進むといったことになります。部門の壁が課題となっていると思います。今は、「思いを理解して仲間になる人」を作ることが、ヒット商品を作るコツだと思います。
忽那 公範(くつな きみのり)

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◆土日朝一番の映画 映画は映画館で観るとワクワク・ドキドキです。
『タクシー運転手 約束は海を越えて』。
1980年の光州事件の真実を報道するドイツ人記者、それを支えるソウルと光州のタクシー運転手の、真の勇気と家族の物語。
タクシー運転手役のソン・ガンホのリアリティーのある演技が輝いていた。終わった時に私は、共感と感動の拍手をした。

日本オリエンテーション主宰 まつもとかつひで

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■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第435号(2018/5/29) (c) 1999Japan Orientation
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