1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモトミネラル」

マツモトミネラル第134号

配信日:2005年04月19日

第134号
『TDKの高収益化』『情緒性』『ジェネレーション・クロス現象』『改良のステップ』『サマータイム』

★新緑の季節
いろいろな色の緑がつやつやしています。
5月になると一色になってしまいますが、いまが新緑の見頃です。

★気になる、業務内、業務外
いろいろ企業の方々と話をしていると、気になることがあります。
業務内のことは良くやるが、業務外のことはあまりやらない。
新しい複合ショッピングセンターが出来たときに、何か面白いもの・
ことがあるから見てきたらと言うと、食品メーカーの人は食品の売場
だけ見て、アパレルなどの先行的売場は見て来ない。業務内の仕事で
す。地方に出張に出かけると、目的の仕事だけやってきて、地方巡り
をして来ない、地方のおいしいものも食べて来ない。そんな人が多い
そうです。もったいない話です。

日本オリエンテーションの「商品開発プログラムのたて方セミナー」
は、6日間で16万円です。高額?ですが40人?60人の参加があります。
皆熱心に聞いてくれています。業務内の教育です。
毎月「商品開発・だべる会」をやっています。いろいろな企業の人が
集まって、開発ホンネを語る会です。毎回10人ほどの方が参加してい
ます。少ない参加です。
これは業務外の学ぶ場?です。もっと積極的に利用すると、いろいろ
なネットが出来るし、生の声が聞こえるし、おもしろいのに。
業務外のおもしろいことに積極的に参加する、また環境をつくること
が必要では。             
            日本オリエンテーション 主宰 松本勝英

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■『TDKの高収益化』
★解  説
  新製品の拡大で収益をあげていく。3年間で製品すべて入れ替
 わるよう、売上高の35%を新製品で置き換えていくのを目標にし
 ている。今期で新製品率が30%?40%の間になりそうだ。新製品
 で値引きの影響を吸収し、2006年3月期も増益を目指す。今期の
 売上高営業利益率は予想9.1%。高い収益性を実現し、製品開発
 のために十分な再投資が出来なければ、完成品メーカーから認め
 てもらえない。だからこそ営業利益率にこだわる。来期には営業
 利益率二桁にこだわる。 
        TDK執行役員 江南清司 日経新聞 2005.3.30

★ミネラル
  ハイテク業界の新製品率はスゴイ。5年後の新製品率が50%で
 業界のリーダーといわれている業界から見ると、すごいスピード
 です。新製品率は企業の成長と同時に、営業利益率の向上に寄与
 してきます。10%以上の営業利益率を確保するには、新製品率の
 スピードを速めることが重要になってきます。
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■『情緒性』
★解  説
  花王 機能性だけでなく情緒性を強化。
 生理用品「ロリエ・エフ」は「肌に感じるストレス軽減」を打ち
 出し。
 食器用洗剤「キュキュット」で「きゅきゅっ」という洗い心地の
 良さを訴求。

★ミネラル
  生活DELIGHTを各企業とも訴求してきています。これからは
 DELIGHTの研究を。そのためには開発者、企業がDELIGHTにならな
 ければ。
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■『ジェネレーション・クロス現象』
★解  説
  母親は娘から消費情報を得て同年代の友人と共有したい。母娘
 の共有している時間の充足度が高い、母娘がつながりたいのは、
 母親からみると「一緒にいると楽しく、刺激的」「会話や情報の
 交換によって、お互いにためになる」。娘からの情報が仲間内の
 情報の活性化につながる。孫は祖父母から自分にない技能、知識
 を求めている。世代間相互の交流が新たな消費行動につながる。
 3世代で食事、3世代で旅行が今後活性化するのでは。
 ジェネレーションクロスのコネクト回路に注目。
       博報堂エルダービジネス推進室 日経MJ2004.9.7

★ミネラル
  ターゲットを複合的に捉えることが必要です。パーソナル市場
 に対して、ペァー市場がこれから魅力ターゲットになるのでは。
 その時双方のベネフィットのコンフリクト(相反する)を解決す
 ることが必要です。
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■『改良のステップ』
★解  説
  二年に1回は改良を。
 1. まず、品質の向上を図る 
 2. 次に品質を落とすことなくコストダウンを
 3. 次に感覚的な魅力を高める(例えば、香りをよくする)
 4. パッケージデザイン、ラベルを変えて鮮度を高める

★ミネラル
  新商品の成功確立は1/10と大変低いものです。成功商品から多
 くの利益を上げるためには、改良強化により競合他社との競争に
 勝ち続けることが重要です。継続的改良のすすめです。
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■『サマータイム』
★解  説
  都市生活を研究している人から、日本は欧米と比べて都市形成
 の歴史が浅い。
 都市生活者は人工的な環境の中で暮らすために、季節や時間を情
 報と捉えるようになる。つまり、自分の五感を働かせて、暑くな
 ったなあ、夏が来たんだ、と感じるのではなく、テレビや新聞の
 「本日の最高気温は」という情報で納得してしまう。太陽を見た
 り、お腹の空き具合で時刻を推し量ったりせず、時計で確認する
 ことが当然だと思い込んでいる。19世紀に急激な都市化が起こり、
 都市生活者が国民の大半を占めるようになった欧米では、本来の
 人間の五感を少しでも回復させ、自然のリズムを都市再生生活に
 持ち込む努力を模索した。日本でのサマータイム導入は自然を取
 り戻すライフスタイルの見直しになれば。
       ケント・ギルバート(米カリフォルニア州弁護士)
                     読売新聞2005.3.11

★ミネラル
  自然との回路を太くしていくことが、これからの都市ライフス
 タイルです。
 自然の変化を感じる感性をどう磨くか。今年も桜の花の下で、夫
 婦で朝食を食べました。朝の桜の下は空気が澄んでいて、朝飯が
 大変おいしいです。お金のかからない自然との回路です。


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 ■□■ 「MATSUMOTO・MINERAL」
 ■■■ 第134号 (2005/4/19) (c) 1999 Japan Orientation
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