1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

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考えるヒント:メルマガ「マツモトミネラル」

マツモトミネラル第146号

配信日:2005年10月18日

第146号
『『脳科学と倫理』『私のぐちゃぐちゃ』『心地よい緊張状態』『ポイント・オメガ』『欲望の研究』


「脳と仮想」茂木健一郎(新潮社)を読みました。
以前「脳とクオリア」(日経サイエンス社)、「心を生み出す脳のシステム」
(NHKブックス)、「スルメを見てイカがわかるか」(角川書店)など、
茂木さんのクオリアに関する本を読みましたが、今回は、ドキドキしながら
読みました。今回のマツモト・ミネラルは、「脳」に関するキーワードです。

マツモト・ミネラル146号スタート
■『脳科学と倫理』
★解  説
 脳科学と倫理、という新分野が考えられる。身の危機を察知してすぐさま
攻撃・防御する能力や、ご褒美(本能に根ざす快感から名誉まで)を感じる
能力、そして、愛や憎しみの源となる新旧両皮質の関係、さらに「心の論理」
と呼ばれる相手の心の動きを推し量る能力まで、各種の脳機能描画を用いて
研究できる。人類だけが特に進化した前頭葉(額の裏側)の働きは、人間
らしさを生み出す。「心の論理」の延長上にある「他者を思いやり、相手の
立場になって考える」ことは心の温かさであり、今、世界が必要としている
倫理そのものかもしれない。 
          小泉英明 日立製作所フェロー 朝日新聞2005:07:11

★ミネラル
 「心の論理」が、脳の世界では語られています。
子供の時代に「心の論理」を豊かにする体感をたくさん持つことがだいじ
では。
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■『私のぐちゃぐちゃ』
★解  説
 「わたし」という言葉の脳の中で、動く様を描写しているだけ。パソコンで
ネットサーフィンするかのように軽やかに転換していく。ストーリーを統合し
て牽引する「わたし」はいない。「手触りのない言葉、生きている手触りより
も、世界と私の関係性も、小説に書くのは困難な時代で私自身のことがよく分
からないと思っている自分をそのまま出していく」
           <世紀末饒舌体><脳内実況中継> 作家 大下さなえ

★ミネラル
 脳のことって難しい。脳のことを考えると、どうすることもできないことが
感じられてくる。
ぐちゃぐちゃの次は何が見えてくるのでしょうか。
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■『心地よい緊張状態』
★解  説
 緊張感で収量二倍。インゲンのつるは本来右巻きだが、強制的に左巻きに
して育てると、収量が2倍になることが明らかになった。「植物は、環境変化
でストレスを生じ、活性酸素が一定レベル以上に増えると細胞がダメージを
受けるが、ある種に活性酸素は少し増えても害にならず、逆にプラス効果を
生むという研究結果もある」。「強制的な左巻きはストレス一歩手前の
『心地よい緊張状態』を生み出し、光合成など代謝系が活発化し、たんぱく質
が増えたのではないか」
 手塚修文(名古屋大学大学院教授 物質・生命情報学)読売新聞 2001.8.4

★ミネラル
 なるほど、心地よい緊張状態は、代謝系を活性化させるのだ。植物に少量の
水を与えることが、植物を強くするといわれています。過剰の時代より、過少
で緊張感がある環境の方が人間も強い人間になるのかも。   
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■『ポイント・オメガ』
★解  説 
 コンピューターと通信技術の進展によって、地球社会に脳とでも呼べる
ものが出現しつつある。情報化は一般に情報の中央集権と個人行動の自由の
制限を意味するが、それを二律背反的に考える必要はない。全体主義的社会を
超えたより大きな全体に、われわれが自己同一性を認識すればよいからだ。
そのような人間的共感が通信技術によって、世界を覆うときに発生するのが、
「ポイント・オメガ」である。

★ミネラル
 宇宙飛行士が地球を見たときに感じる感覚かもしれません。
宗教的な解脱感かもしれません。どちらも実感したことがないので何ともいえ
ませんが、わかる感じがします。
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■『欲望の研究』
★解  説
 脳科学も文学も「欲望の研究」という側面がある。茂木健一郎と話し得た
結論は、大衆が求める欲望には二種類あって、ひとつは自分たちの身近な
世界を説明してくれるものへの欲望、もうひとつは日常からかけ離れた、
未知の世界を覗き見したいという欲望。前者が共感や納得への欲望なら、
後者は謎や不思議への欲望である。ベストセラーやビジネス書や新書は
前者の欲望に訴え、直立するレッサーパンダの風太君や、記憶喪失のピアノ
マンが一躍有名になったのは後者の欲望に訴えたから。
              文芸時評 島田雅彦 朝日新聞 2005.06.27

 かって、ナブコフは言った。洗練された文明の元に暮らしながら、脳の
奥深くに隠した野蛮な本能が顔を出すようなものこそ小説家は好んで書いて
きた。また、人間は本能が壊れた動物だともいう。神話の時代から文学者が
熱心になしてきたのは本能の分析だった。産業文明の中にくらし、新皮質
しか使わない。日常生活を送るには、理論や制度に基づく思考だけで足りる
からだ。だが、脳の深いところには農民や狩人だった祖先の記憶が宿って
おり、誰もその影響から逃れることは出来ない。
宮沢賢治は心理学や社会学といった諸学問の手がかりを使わずに、ダイレクト
に本能と向き合おうとした。
                文芸時評 島田雅彦 朝日新聞 2005.06

★ミネラル
 本能的欲望について考えてみることが必要では。
マーケティングの世界は文化的欲望研究が主であったが、今後は本能的欲望に
迫らなければ。   

                 日本オリエンテーション 主宰 松本勝英

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★マイカレンダー10月4日(火)?10月17日(月)    
三連休を利用して、「息入れ」の東北一人旅に行ってきました。
目的は、秋田から弘前までの五能線に乗ること、酒を飲みながら津軽三味線
を聞くこと。
紅葉には少し早かったのですが、満喫してきました。
秋田では、酒屋に入って、地元の人たちが飲んでいる小さな店は、と聞いて
紹介を受け、成功。親父さんと秋田の酒の話で盛り上がる。秋田の酒は甘い
ので今の味覚の流れに反しているという意見が多いが、同じにしたら、秋田
の酒の魅力が無くなってしまう。「あまうま」の酒を造らなければと意見が
一致。
五能線は、曇り雨の中を、日本海と白神の間を縫って進み、絶景でした。
酒屋で買った、秋田の酒「冬樹」を飲みながら堪能。
五所川原で下車、津軽鉄道で金木へ。太宰の生家 斜陽館、津軽三味線を
聞き「息入れ」。22Mの高さの「立ちねぶた」を見学。
弘前では、津軽三味線のライブを二軒はしご。満足、満足。翌朝、白神山地の
入り口へ。大樹に触って「息入れ」。

仕事は、コンサルティングを三テーマ。主力ブランドのリニューアル、生活
研究の視点開発、新商品開発とブランド開発。
打ち合わせのため、三社の方々が来社。次世代商品開発の切り口、軸開発に
悩んでいる感じがしました。

土・日一番で映画をみるは、「シン・シティ」を見ました。
アメリカンコミックの映画化です。「キルビル」のタランティーノ、コミック
クリエーター フランク・ミラーが監督をしているので、おどろおどろしいの
ではと思っていましたが、おどろおどろしかったです。コミックの映画化は
おどろおどろしさが倍加する感じがします。女性が1/3位いましたが、
平気で見ているのにびっくり。罪の街の残虐性を、パートカラーの映像が
鎮めてくれている。他の人にとっては増幅になっているのかもしれませんが。 
               
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<伝言?2005年10・11月>
   
□■商品開発プログラムのたて方<30+6時間>セミナー
  第86回(10月スタート)
  テーマ: 商品創造・重要創造・魅力創造・市場創造
  講師:日本オリエンテーション主宰 松本勝英
  詳細、申し込み: http://www.jorien.com/seminar-pr86_87.html

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 ・戦略を学び、商品開発成功確率を高める
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 ・これからの新商品開発の成功視点を学ぶ
 <プログラム>
  11月29日(火)10時?17時「商品開発“成功・失敗”経験原則から学ぶ」
  11月30日(水)10時?17時「こだわり型商品開発」
  12月1日〔木〕10時?17時「カテゴリー・ナンバーワン商品開発」
  12月8日(木)10時?17時「健康マーケティング・商品開発成功研究」
  12月9日(金)10時?17時「次世代プランナーのための
              『商品企画調査入門』」
  詳細、申し込み: http://www.jorien.com/seminar-taizen-2.pdf
  問い合わせ: mailto:webmaster@jorien.com

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  定量データではもう見えない「そういえば!」のあるリサーチへ
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  問合せは ifo@interest.ne.jp までお願いいたします。
  株式会社インタレスト主催

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 ■□■ 「MATSUMOTO・MINERAL」
 ■■■ 第146号 (2005/10/18) (c) 1999 Japan Orientation
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