配信日:2005年11月01日
第147号
前回の「五能線に乗って」に対して、白神に行ったのですよとか、ぜひ
五能線に乗りたいとかのメールをいただきました。
松本さんはよく一人旅をしていて羨ましいと思っています、その秘訣は?の
ご返事。迷惑をかけないわがままが大事では。
11月3日からの連休で、どこか行きたいと思いを巡らしています。
「脳」への興味関心も高く、宗教は「欲望の肥大化」が「苦」を生むことを
知って(経験して)欲望を捨てることを教えています。人間の脳のコピーで
あるコンピュータに「欲望を捨てる」プログラムを仕込めることができるで
しょうか???とのメールをいただきました。
みなさんはどう思いますか。
うれしいメールです。
■『変化する生活の楽しみ』
★解 説
生活演出とは。
日常と非日常。その中で普段という概念が重要。
自分で作ったハーブでパンを作る
ご馳走に対して、過ごし方が表現に。
自分が、能動的にプレゼンする、それを引き立ててくれる商品を欲している。
商品はあくまで生活を楽しみの刺激的なものとして。
本人にフィットしている、装い感を感じさせない。
もてなし術のお手本を欲している。生活のお手本。
センスアップ商品。無印良品のタイカレー、ナシゴレンがセンスアップ商品。
これからメーカーは生活センスアップ部品メーカーになるのか。
センスを表現できる商品とは、カラー・コーディネートが重要。
白をベース作りに生活センスを表現している。(フランス人は黒をどう使い
こなすかが重要)
使い遊び感覚。いろいろ固定的使い方に対して、センスで本来の目的とは
異なる使い方ができる。できない人へはその提案を。見立て感覚を刺激する。
暮らし方が受動的から能動的へ。
KW:もてなし感覚、普段日常、センスアップ、センス食部品、センスソフ
ト提案、編集力
★ミネラル
おいしいモノよりおいしい空間が重要。「自分らしい」プレゼンテーショ
ン術をマスターしたい。しかし、マニュアルがないと。企業が参考になるコ
ンテンツを提供。生活を楽しむ演出という情報と商品が一体にならなければ
魅力の提案にならないのでは。コンテンツの開発が重要では。
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■『ホルモン情報』
★解 説
「女性は気分の浮き沈みが激しい。女性ホルモン(エストロゲン)に脳を
覚醒させる働きがある。月経が終わって1週間後はエストロゲンが活発に
なり、活発で意欲的。排卵日を過ぎると脳内麻酔といわれる沈静効果のある
別の女性ホルモン(プロゲステロン)が出る。そのときは、頭にかすみが
かかったようにボーっとし、眠くなる。
読売新聞2003.04.22
★ミネラル
脳内ホルモンの分泌状態による、状況セグメントが考えられないか。
エストロゲンが旺盛なときにアプローチすると効果があるのでしょうか。
ホルモンが人間の感情を左右するということですが、脳内ホルモンの視点
からマーケティングを考えてみることは可能なのか。
何度もでていることですが、おもしろい、おもしろいテーマでは。
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■『フラッフィー』
★解 説
ペットの存在はIT社会に大切。
無機質なパソコンの画面に向き合っていると、どうしてもイライラが増加
してくる。この対策には何かフワフワしたもの(フラッフィーという)に
触るのが効果的だということになってきた。この「フワフワ」の典型が
犬や猫のお腹というわけだ。最近では犬を社員にしている会社も増えて
きたし、ペットはIT社会におけるサバイバル術には欠かせない重要アイ
テムとなってきた。
三石玲子(M&M研究所代表)2001.8.7読売新聞
★ミネラル
フワフワは脳にどんな刺激を与えるのでしょうか。フワフワ触感は、
ヌルヌル、ベタベタと違って、安心感、包容感が感じられます。
なぜなんでしょうか。
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■『自覚効果』
★解 説
乱用されるようなクスリが体の中に入ると何かを「感じる」。
この感じを「自覚効果」という。
サルの場合は、覚醒剤(アンフェタミン)やコカインのような「興奮系」、
モルヒネやヘロインなどの「麻薬系」、睡眠薬やアルコールなどの「鎮静薬
系」、大麻の成分やLSDなどの「幻覚薬系」の4つのカテゴリー。
高等な動物ほどカテゴリーが少なくなる。人は「興奮薬系」と「麻薬系」が
一緒になって「多幸系」でくくられる。
「人はなぜハマるのか」廣中直行(岩波科学ライブラリー)
★ミネラル
読みやすくて、おもしろい本です。「多幸系」っておもしろいですね。
人間は「多幸」を求めているのでは。
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■『情報操作のメカニズム』
★解 説
報操作のメカニズム
不確かさの下でのバイアスには大きく2通りある。
サンプリングバイアス。送り手が情報を選んで流すことで、情報そのものが
偏ること。もう一つは、人々の側にも自分の信じたいものだけで受け入れる
傾向があるので、その方向の情報だけが記憶され、行動に影響する。これが
動機バイアス。
この二つが重なり、人々の嗜好に応じる情報を送り手がさらに供給すると、
情報は事実から離れ、雪だるま式に一人歩きを始める。
もともと動物は生存のために、不確かな状況で素早く反応することが強いら
れる。じっくり分析してからでは間に合わない。素早く反応できるのは、特
定の刺激が引き金になって、形にはまった行動を引き起こす反応図式を持っ
ている。
ひな鳥の鳴き声が母親行動を誘発する。セキュリティー=国防=愛国という
反応図式、イスラム原理主義者=テロリストというステレオタイプを繰り返
し、タイミング良く働きかけると人々の認知過程に刷り込まれる。
受け手の「型にはまった反応」は、無意識医の認知反射ともいうべき性質を
持っている。脳内メカニズムとしても、情動脳ともよばれる、自動的な機能
が関わっている。
大脳皮質が意思や思考、意思の座だとするなら、その下を流れる無意識的な
感情と感化?運動の回路が情動系。
そこで情報操作の効果は、こうした潜在的な認知レベルに現れる。
潜在認知というパンドラの箱が開いた。集合的、情動的、反射的、無自覚的
という特徴を持つチャネルが、解放された。
KW:情報操作、情動系
下條信輔 認知神経科学 朝日新聞2003.10.14
★ミネラル
情報操作のメカニズムです。瞬間的に反応するメカニズムです。
マーケティングにも活用できますが、活用されると怖いですね。
理性を超えた行動のトリガーになる怖さがあります。
日本オリエンテーション 主宰 松本勝英
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★マイカレンダー10月18日(火)?10月31日(月)
この2週間は、コンサルティング・カウンセリング2社、セミナー2日
8人の人とお会いしました。
ある大学の(仕事が絡むので大学名は言えません)教授にお会いしました。
研究者の仕事はスゴイのだ。研究の財産もスゴイです。感心。
ご一緒にお酒を飲みましたが、宮城の「一ノ蔵」のファンだということで、
「一ノ蔵」をたっぷり、楽しいお酒でした。
フジロックなどの音楽のイベントを長年やっているヒトと久方ぶりに酒を
飲む。以前からアフロヘアーですが、その日は一段とアフロヘアーが目立ち
ました。
彼の仲間も加わり、映画プロデュース、音楽プロデュースの話で盛り上がる。
知らない世界の人と話をするのは刺激的です。
大学時代の友人で、35年前にアメリカに行っていたヒトが帰国。久方ぶりの
旧交を温めました。この年になってくると懐かしさ志向が強くなります。
コンサルティング。コンサルティングとは これが正しいと教えることでは
なく、話の中から共感が生まれ、これが正しいのではという発見の機会を
つくることだと思っています。その発見はその人のものであるので力になる。
上手くいったかな。
セミナーは26,27日で「商品開発プログラムのたて方」
なぜ新商品は失敗するのか、商品力の3角形、競争構造の変化、突然変異で
異業界からの参入、カテゴリーキリング、トップになる戦略、成功体質づくり、
これからのニーズ開発、参加企業の課題発表など。
いろいろでいろいろでした。
映画は2本。「アワー・ミュージック」「ランド・オブ・プレンティ」。
ゴダールの「アワー・ミュージック」はただ難しかったです。帰りのエレベー
ターの中でも、難しかったよねとの独り言を聞きました。チャンスがあれば
もう一度見てみたい。
昔、日劇文化で見ていた映画の感覚がよみがえりました。
「ランド・オブ・プレンティ」は「パリテキサス」などの監督、ヴィム・ヴェ
ンダースの作品。
9.11以後の、開かれたアメリカ人(ラナ)と、ベトナム戦争の過去を背負
っている、閉じたアメリカ人の伯父(ポール)の物語です。
淡々としている映像がよかったし、アメリカのこれからのあり方を暗示してい
る感じがしました。見てよかったです。
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■□■ 「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第147号 (2005/11/1) (c) 1999 Japan Orientation
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