1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモトミネラル」

マツモトミネラル第176号

配信日:2006年12月19日

第176号
『ポスト産業社会の時代』『自然の造形物の世界』『可処分時間』『自由ブランド』『不足こそ人間の安定』


ちょっと忙しくて、1日遅れのマツモトミネラルです。

12月13日「商品開発プログラムのたて方セミナー」の終了後、大阪の電気メー
カーの方が、年末のご挨拶ということで会場を訪ねてくれました。
仕事の現状をお聞きし、私なりの考え方を述べ、よい意見交換が出来ました。  
その時プレゼントとして、「旧暦と暮らす」「続々と、旧暦と暮らす」松村賢
治氏(ビジネス社)の2冊の本をいただきました。
彼は今、旧暦のカレンダーを使って生活を楽しんでいるそうです。
旧暦で暮らすとは、自然の変化と共に暮らすことでは。
私も自然との回路をもっとだいじにしていきたいと思っています。

12月26日(火)は、2006年マツモト・ミネラルで取り上げた120のキーワード
一覧をお送りします。日本オリエンテーションHPで検索しますと解説、コメ
ントを読むことが出来ます。

■『ポスト産業社会の時代』
★解  説
 ポスト産業社会の時代 経済の中心がお金から人間へと移っている。利益の
源泉が人間に移ったことによって、お金は確実な投資先を失い、少しでも利ざ
やを求めて、お金が世界中を動き始めた。それが「金融革命」であり「グロー
バリゼーション」。
人間の独創性による「違い」を意識的に作り出す。違いを連続して作り出せる
ようなチームをいかに作り、そのチームを組織としてどう支えていけるかが、
会社の重要な課題になる。日本的経営の泥臭さを切り捨てなかったトヨタやキ
ャノンが「成功」し、ソニーが一時低迷したことが教訓的。
経営者と会社との関係は、あえて名前を付けるとすると「信任関係」である。
新任とは、医者と患者の関係のように、他の人から信頼によって仕事を任せら
れることを意味する。信任関係が成立するには、そこに「倫理性」が要求され
る。会社法では、「忠実義務」という。
岩井克人さんと考える 朝日新聞 2006.7.25

★ミネラル
 黒沢明監督の「七人の侍」の映画に共感しています。
村人を盗賊から守るために、7人の侍が立ち上がる話です。戦うことによって
仲間的結合が生まれていくプロセスが魅力的です。組織は仲間であり、経営者
と働く人の信頼関係によって生まれ、作られていくのでは。
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■『自然の造形物の世界』
★解  説
 自然世界の造形物というのは形がみんな不定型である。ぐにゃぐにゃしてい
る。絶対の直線というものがどこにもない。真円というものもない。きっぱり
とした直角や真四角もない。
自然界の造形物の世界からいうと、文明世界の造形物というのはあまりにも目
に強く厳しく強引で強烈である。
椎名誠氏 日経新聞 1999.7.1

★ミネラル
 不定形で、ぐにゃぐにゃしたデザインは、不便を越えて有用では。
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■『可処分時間』
★解  説
 個人の平日の可処分時間は平均で2.6時間であり、値段をつけると1時間
2,500円(シチズン時計調査-1998年)。
GCT(グロス・コンサンプション・アンド・タイム・バリュー)→商品やサー
ビスの対価にその選択や消費に使った可処分時間値を合計した金額。
GCTを大別すると時間節約型モデル(旧型)と強制時間消費型モデル(新型)
になる。
これからの企業は自社の製品・サービスにいかに多くの時間を顧客に使っても
らうかを競う。購入後の使用時間だけではなく、購入前にいかに多くの時間を
使ってもらうかが重要になろう(例:旅行)。消費者の時間を獲得する競争が
始まった。
                    成毛 真氏 日経新聞 2001.5.5

★ミネラル
 可処分所得より、これからは可処分時間の取り合いの時代である。
可処分時間をどれだけ獲得できるか。旅行のような、楽しい購入前時間を提案
できるような商品、サービスを開発したいものです。
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■『自由ブランド』
★解  説
 米国、ハーレーのブランドを消費者は「ハーレー=自由の象徴」と読み替え
ている。個人の表現の自由、自分がしたいことは自分で決める自由、開かれた
道に向かって冒険心とともにハーレーと走る。
自分らしさを求めている時代の、自由ブランドの開発を。(出所不明)

★ミネラル
 自由ブランドという概念がすばらしいですね。しかし、自由というのはなか
なか難しい概念です。みなさんは、どんな自由ブランドを開発しますか。
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■『不足こそ人間の安定』
★解  説 
 「翁草」(著 神沢杜口 かんざわとこう 江戸中期の文学者)の中で、
「足を知る」という生き方が繰り返し述べられている。満足を求めてはだめだ
ということ。
不足こそ人間の安定にある。満ち足りたことを追求していくと、どこまでも切
りがない。いま大切なのは成長より成熟ということ。
人間でいえば、若さだけではない、老いや病なども含む弱さの論理です。
それが「足を知る」という調和を求める考えにつながる。「老い」の価値を認
める、人間なら、無理をせず自然のリズムで年を取っていったとき、かえって
豊かな老いの実りがある。
                   立川昭二氏 朝日新聞 2003.10.10

★ミネラル
 不足は不自由ではなく、むしろ自由ではないでしょうか。足ることによって
人間は「恩」ということを忘れていくのでは。

                 日本オリエンテーション 主宰 松本勝英
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★マイカレンダー 12月4日(月)?12月16日(土)
 セミナー3日、ウイスキーを飲む会、これからの生協とメーカーのマーケテ
ィングの会、海外から企業の人が来ての意見交換、コンサルティング、出張、
企業訪問2社、企業来社1社。

セミナーは「生活DELIGHT商品開発」で、イタリア的開発、こだわり開
発、クオリア開発、理念の開発などこれからのDELIGHT商品の開発。
「商品開発プログラムのたて方<30+6>時間」ネーミング&パッケージングでは
商品力を高めるネーミング&パッケージングの考え方、新商品の市場導入では
核を作って成功し、ドミノで市場を拡げるなどの話。

ウイスキーを飲む会では、元サントリーチーフブレンダーで日本オリエンテー
ション客員主席研究員の案内により、知らないアイラーウイスキーを堪能。

これからの生協とメーカーのマーケティングの会では、個配の成長とこれから
の消費者と企業のあり方、ダイレクトで消費者とつながることの重要性を認識。

海外から企業の人が来ての意見交換は、シンガポールの健康食品のR&D部門
の責任者と4時間半の長時間ディスカッション。
今後も、アジアで何ができるのか?日本にどうフィードバックするのか?、
健康食品というカテゴリーの商品開発、商品開発におけるR&Dの役割につい
て定期的に話し合いをしていく予定です。


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 ■□■ 「MATSUMOTO・MINERAL」
 ■■■ 第176号 (2006/12/19) (c) 1999 Japan Orientation
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