1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモトミネラル」

マツモトミネラル第224号

配信日:2008年11月18日

第224号
『寿司はアイデア、醤油は美の具体化』『精進料理の原則』『クルマ新世紀』『日常のイベント』『「仕事=自己実現」の洗脳』

 「商品開発プログラムのたて方36時間」セミナーが、来年2月開催で100回を迎えます。
25年間一度も途切れることがなく、3000人を超える受講者を数え、参加者の中からは、企業のトップ・役員、大学教授、コンサルタントになるなど多彩な人々が生まれています。また、セミナー参加者同士の結婚も3組になりました。
今後もマーケティングのR&Dと人間学をベースに進んでいきたいと思っています。

■『寿司はアイデア、醤油は美の具体化』
★気づき
 例えばいい寿司ネタであっても、子供や初めて食べる外国人のようにシャリに染み込むくらい醤油につけたら美味しくない。適量の醤油をつけられるのは、ネタのおいしさが分かっているからです。寿司は、そこで初めて完成するんですね。美として完結する。もちろんネタが悪ければ、いくらいい醤油でも美味しくありません。
 デザイナーとは適量が分かるひと、つまりアイデアという抽象的なものを美に昇華し、具体的な姿として見せられる人です。もちろん、アイデアを抜きにして独立した美というものはなく、表にも出ない。
 アイデアと、それが具体化されたときに発する美の全体を、デザインと捉えるのです。
工業デザイナー 深澤直人氏 朝日新聞2008.1.22

★コメント
 適量を感じ取れる、は大切です。適量を超えることによって、新しい美が生まれることがあるのでは。バランスを整える、バランスを崩す、崩すことにもチャレンジしてみたいと思っています。
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■『精進料理の原則』
★気づき
 精進料理の原則 「五味五色五法」を生かそう。
五味とは「甘い」「辛い」「苦い」「すっぱい」「塩辛い」。
五色とは、赤、白、黄色、緑、黒色の食材を指す。
五法は「生のまま」「焼く」「煮る」「揚げる」「蒸す」。
この原則を守ると食品の種類が自然と増える。
日経新聞2006.3.26

★コメント
 精進料理は豊かな食の世界です。シンプルの豊かさは魅力的です。
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■『クルマ新世紀』
★気づき
 フォルクスワーゲンジャパンは6月から7月にかけて全国10か所のディーラーで開いている「省燃費講習」。車に特殊な装置を取り付け、運転状況を把握。
エンジン回転数を抑えたり停止前の早めにアクセルを離すなどを指南。ドイツ本国以外の開催は初めて。「運転次第で燃費は2割変わる」という触れ込みで販売会社フォルクスワーゲン東京が一般参加を募ったら、定員9組の5倍が詰め掛けた。「1リットルあたり2キロメートル長く走れる。自分の車で試してみる。」
ブランド浸透に向け、全国展開を始める。
日経産業新聞2008.7.10

★コメント
 作る技術に対して、使い方の技術の開発がこれから重要になる。
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■『日常のイベント』
★気づき
 イベント曜日のススメ 「金曜日の夜だけ、自動販売機で好きな缶ジュースを買って、お風呂で飲んでもいい」子供にとってこれは想像以上に楽しい。月曜日にテレビを見ながらご飯を食べてもいい日、火曜日には・・・。特別なごちそうやお出かけイベントもいいけれど、普段しちゃいけないと勝手に自分で決めている縛りを、ちょっといい日を作る。 
ももせいづみ(クリエーター) 日経新聞2006.3.25

★コメント
 毎日同じことをしていると「ケ=日常」が「ケガレ」てきてしまう。時にはちょっとした「ハレ」を取り込んで「ケガレ」を「ケ」に戻すことが必要では。
毎日同じことばかりして、知らないうちに「ケガレ」ていませんか。
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■『「仕事=自己実現」の洗脳』
★気づき
  「自己実現のためには低賃金も厭わない」という若者は確かにいるが、今の社会には、彼らを食い物にし、収穫する仕組みがある。
 「仕事=自己実現」を思い定めるあまり、働きすぎてしまう人たちが今日増えつつある。「それで自己実現できているなら当人は幸福では」という見方もありうる。しかし、「彼らは自発的に『自己実現』に邁進しているように見えて、実は彼らをその方向に巧妙に誘う仕組みが、仕事の中に組み込まれている」(教育社会学者 本田由紀氏)
 一方、性急に「生きる意味」を求めてしまう現代人のこころの脆弱さを読み取ることもできるだろう。
 本来であれば、お仕着せの「自己実現」や「生きる意味」を解体する思想的力をもつはずの宗教でさえ、消費の対象にしてしまう時代。「夢を追うこと」の難しさは、そのような文化の貧困をも映しているように思われてくる。(作家 僧侶 玄侑宗久氏)
読売新聞2007.2.21

★コメント
 自己実現という背後に恐ろしい仕組みが隠されているのだ。恐ろしい自己実現よ、さようなら。
                              日本オリエンテーション主宰 松本勝英

【マイカレンダー】2008年11月4日(火)〜11月17日(月)
11月4日(火)社内仕事。コンサルティング資料づくり。コンサルティング企画書づくり。社内教育テキストづくり。夜、企業との食事を含めた懇親会。これからの成長産業、事業とは。自動車産業は成長産業か?
5日(水)企業来社。成功するには絞り込みが重要、拡げないこと。午後、コンサルティング。コンセプトテスト分析。リニューアル、商品ラインの拡張。

6日(木)調査会社とコンサルティング商品開発。ポジショニングマップに基づくテーマ開発。商品開発担当者のマインド分析と組織力の強化など、いろいろなコンサルティング新商品アイディアが出る。
7日(金)8日(土)「第9回商品開発・会津車座塾」次世代商品の切り口開発。
面白い成果が出ました。8日終了後、古川の友人と鳴子峡へ。紅葉満喫。
10日(月)次世代商品のカウンセリング。

11日(火)新規コンサルティングスタート。商品ライン、既存商品の活性化、新商品開発。13回の長丁場。夜、企業役員と快食。企業尺度が変わった、効率から次のステージへ。
12日(水)社内教育。マーケティングは面白い〜魅力の開発4時間。
13日(木)14日(金)「商品開発プログラムのたて方36時間」セミナー。コンセプト開発、テスト手法について。13日夜、参加者との懇親会。
17日(月)企業訪問。その後、カウンセリング・ディスカッション。戦略とは、やらないことを明確にすることである、などなど面白いディスカッションになりました。

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■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第224号(2008/11/18) (c) 1999Japan Orientation
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