配信日:2011年5月17日
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・■■■ 商品開発・マーケティングの
・■□■ MATSUMOTO・新商品開発MINERAL
・■■■ 発行者:日本オリエンテーション 松本勝英
毎月第1・第3火曜日発行(創刊 1999/10/01)
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■□ 第286号 Table of Contents □■
◇マツモト・新商品開発ミネラル
『20年後の自動車の理想像』
『磨かれた言葉こそ源泉』
『アーキテクチャー差異を理解』
『おもちゃ』
『花王の中国事業の拡大』
◇伝言
◆第111回「商品開発プログラムのたて方36時間」セミナー
6月9日(木)スタート。
"これから"の新商品開発をわかりやすく、深く学び、そして考える。
◆≪車への想いと、車マーケティングをだべる会≫の開催
イタリア車のオーナーズクラブを立ち上げた越湖信一さんと、
車に興味を持っている皆さんとの「だべる会」です。
車好きな、面白い方々も参加予定です。
日時:5月23日(月)19時から
会場:日本オリエンテーション事務所
参加費:1000円(サンドイッチ、ビール)
申込み:office@jorien.com
5月17日(火)
風邪を引いて頭がぼーっとしています。温度の差が激しいので体がついていかない。健康のありがたさを実感しています。皆さんもお気を付けください。
■『20年後の自動車の理想像』
★気づき
20年後の自動車の理想像は「化石燃料に頼らない、安全で意のままに個人ベースで動けること」 「大量輸送機関は線の移動です。点から点へ面的な移動手段として、個人の乗り物は人類が繁栄する限り絶対に必要。自動車に限らず二輪車でもジェット機でもいいのですが、個人の乗り物は絶対になくならないし、なくしてはいけない」 「ネガティブな面をどう減らすか。都市部では渋滞が起きる、車の運転は危険だ、環境にもマイナス、そうした点を排除した上で魅力をどう作るか、自動車を使うことでどんな生活ができるかを提案しないと」 「グローバルなマーケットを重視、最悪なときは日本の市場が極端にシュリンクしても構っていられない場合もありますね。日本の市場は世界的に見ても特殊なんですよ」 「ホンダはもうすでに単なる自動車メーカーではなく、パーソナルモビリティー、個人の移動手段を提供してサービスする会社だと思っています」 「主力は自動車だが、二輪もある、ロボットの「アシモ」もある、ジェット機もある」 「アシモは3次元を越えて4次元の移動手段と読んでいる。個人が移動しなくてもことが済むのが究極の移動だとすれば、時空の壁を越えてオーナーの望むことを何でも可能にする家庭用ロボットはモビリティーだと位置づけている。20年後、30年後に、ホンダの販売店でアシモを売るようにしたい」 「新入社員全員をバイクに乗せようと思う。二輪事業は原点。それを忘れて利幅の大きい自動車にのめ
り込んではだめ。二輪車にも乗れないで何だ、ですね」
ホンダ社長 福井威夫氏 朝日新聞 2009.4.15
★コメント
未来は予測することではなく、創造することなのだ。夢を形にしていくことがこれからのマーケティングでは。5月23日(月)7時から「車を語る、だべる会」があります。興味ある方々の参加を。
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■『磨かれた言葉こそ源泉』
★気づき
この十数年、「感性の時代」という美名のもと表現の三役の座から言葉が追い出され、音や映像に取って代わられた。「言葉こそが創作の源泉なんです。言葉が言葉として伝わらない歌は、歌ではない。歌は、創造的な言語で歌われた時に初めて世の中を動かす力を持つんじゃないでしょうか」
シンガーソングライター 小椋佳氏
日経新聞 2006.8.31
★コメント
商品コンセプトを開発するためにも言葉の創造は大切です。言葉の創造には辞書が役立ちます。身近にいろいろな辞書をおいて活用してください。私が活用している主な辞書類は「語源辞典」「類語辞典」「イメージシンボル辞典」などがあり、有効です。
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■『アーキテクチャー差異を理解』
★気づき
国際間の企業連携で重要なのは、アーキテクチャー、設計者の思想だ。アーキテクチャーの違いによって製品はインテグラル型とモジュラー型に大別できる。前者は専用設計部品を使う自動車やゲームソフトがあり、後者は汎用部品の寄せ集め的なパソコンや自転車がある。日本はインテグラル。米、中、韓はモジュラーを得意とする。一方、インドは基本的に多様だが、総じてインテグラル型だと見ている。インドの傾向として、1)エリートが現実主義的 2)地道な産業資本的発想が意外に強い 3)高学歴で優秀な多能工や技術者が多い 4)コピー製品が氾濫していない 5)中間価格帯の製品が多い、以上の5点があげられる。
このような各国の得意とする製品アーキテクチャーを踏まえた上で、国際分業モデルを検討すべきだ。
東京大学大学院 経済学研究科 藤本隆宏教授
日経新聞 2006.12.18
★コメント
グローバル化の中での国際的連携の視点として面白い。
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■『おもちゃ』
★気づき
「普通の人が道具のように使える"おもちゃ"を作りたい。手になじんだ道具って、ずーっと触っていたくなる。折に触れて取り出して使って、長いこと古びない。そんな遊びを一つでも多く残したい。」
宮本茂氏 任天堂代表取締役専務
朝日新聞2009.4.11
★コメント
過触覚は愛着につながってくる。機能を使い捨てていく商品に対して、長く使える愛着商品がこれから重視されてくるのでは。
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■『花王の中国事業の拡大』
★気づき
花王における中国事業の拡大 第一段階 1993年現地法人の上海花王を設立、中国市場に参入。当初は商品を店頭に置くだけで売れたが、値下げ競争に巻き込まれ、流通構造も複雑で販売チャネルをコントロールできず、ブランド力の維持向上が困難。第二段階は、日本で手掛ける直販体制を導入したが、販路の広がりがなくなってしまった。
第三段階として北京や上海など主要都市は直販とし、都市周辺の郊外は問屋ルートを使っている。中国は広く、北部と南部では洗濯、洗顔、化粧などの習慣がかなり違う。国全体を一つの市場と見るのではなく、経済圏や生活圏でくくっていく必要がある。たとえば洗濯は水資源の少ない北京では節水型で、逆に広州は水をたくさん使う。洗剤はすすぎの部分で影響を受ける。洗顔でいえば、日本人は洗顔料を手で泡立ててから顔につけるが、中国人は直接顔に塗りつけながら広げていく。使い方の違いは成分配合に影響がでる。
花王コンシューマプロダクツ国際事業本部長 高木憲彦氏
日経産業新聞 2009.2.10
★コメント
グローバル・ローカルの発想が大切。これからは中国の各地域の生活研究がだいじになってくる。昨年訪ねた日本家電メーカーの上海事務所は、中国各地域の生活研究を専門的に実施していましたが、国土の広さが大きな壁だと言っていました。
日本オリエンテーション主宰 まつもとかつひで
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■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第286号(2011/5/17) (c) 1999Japan Orientation
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