1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモト・新商品開発ミネラル」

【マツモト・新商品開発ミネラル】第321号

配信日:2012年10月2日

‥‥…………………………………………………………………‥‥・・・
・■■■        商品開発・マーケティングの
・■□■   MATSUMOTO・新商品開発MINERAL
・■■■     発行者:日本オリエンテーション 松本勝英
        毎月第1・第3火曜日発行(創刊 1999/10/01)
・・‥‥…………………… by Japan Orientation ………………‥・・・

    ■□ 第321号 Table of Contents □■
      ◇マツモト・新商品開発ミネラル
      『遊牧社会が情報社会の覇者の予兆』
      『神秘』
      『企業レピュテーションの構築』
      『低価格領域とどう向き合うか』
      『「鏡衆」が反射し合い流行に−電通の「新大衆」分析(1)』

◇伝言
第14回「商品開発車座塾」10月26日(金)27日(土)
時代の変化とイノベーションを考える、1泊2日の合宿です。業界の垣根を越えた「触発の場」です。
第119回「新・商品開発プログラムのたて方36時間」セミナー
11月8日(木)スタートです。<顧客創造型新商品開発>をめざす"これから"の新・商品開発セミナー商品開発を実践的に、深く学ぶ『場』です。時代・市場・生活価値観の変化を引き抜き(マーケティング・センスアップ)、魅力的コンセプト開発(思考体力)を身につける6日間36時間のセミナーです。
「学び合いの場」10月11月の予定
参加者の触発の『場』です。皆さんの体験をもとに、新しいクリエーションを起こしていきたいと思っています。初めての方もぜひご参加を。
『美・エステティックマーケティングと商品開発』10月23日(火)
『美味しさイノベーション2』11月5日(月)
『ボクシングの魅力発見2』11月20日(火)予定
申し込みは office@jorien.com

■『遊牧社会が情報社会の覇者の予兆』
★気づき
 遊牧社会は農耕社会、工業社会を体験しなかった。工業化社会のしがらみから全く自由。工業化社会はモノの大量生産、流通、消費によって成長してきたが、情報社会では「モノづくり」ではなく情報すなわち「物語りづくり」が中心となる。そこでは農耕民的性格ではなく、遊牧民的性格が価値を持つ。遊牧民や非定住住民は移動が生活の中心になるため、巨大で重いものを維持できない。この点が生産装置が中核になる工業社会と大いに異なる。重さも体積もない情報で結ばれている。その代表がヘブライ語とユダヤ教という情報で結ばれているユダヤ民族。
奥野卓司 関西学院大学教授 日経新聞2008.4.8

★コメント
 情報化社会と遊牧社会と密接な関係を持つ。ひとびとは遊動化し、いろいろな空間で仕事をし、学び、遊ぶ。ノマドツールの開発はもっと進むのでは。ジプシーの研究も面白いのかも。
・・・‥‥...............‥・・‥.....................‥‥・・

■『神秘』
★気づき
 神秘とは、人々の目から隠されているもの、人々の理解を超えている領域。そこには2つの考え方がある。1つはわれわれの体のうちに神秘が隠されているというものだ。神が内在している、神にとりつかれていると表現。もう1つは、神秘は宇宙のはるか後方に隠されていると考えた。神がわれわれから超越して存在しているという考え方。

★コメント
 神秘体験をしたことがありますか。神秘への畏敬の念を持つことがだいじでは。
・・・‥‥...............‥・・‥.....................‥‥・・

■『企業レピュテーションの構築』
★気づき
企業レピュテーションを構築する要因は、大きく6つ。
(1)業績 (2)製品とサービスの質 (3)職場環境 (4)リーダーシップとビジョン (5)社会的責任 (6)感情的なアピール
米国の企業レピュテーションのNo.1は7年連続ジョンソン&ジョンソン社。これは同社がステークホルダーとの間に「J&J社=お母さんと赤ちゃん」という、感情に訴える良質のコミュニケーションを一貫して成立させていることに起因すると考えられる。
ウォールストリートジャーナル ニュースエディター兼シニアライター ロナルド・J・オルソップ氏
日経新聞2006.12.20

★コメント
 商品、ブランドなどを含んだ、企業の評判レピュテーションが大切。アップルは世界的にレピュテーションが高いが、いま日本の企業で評判の高い企業とは?
・・・‥‥...............‥・・‥.....................‥‥・・

■『低価格領域とどう向き合うか』
★気づき
最近、自動車、電気機器などで、日本のメーカーが低価格領域の商品開発に乗り出す事例が相次いでいる。従来、日本企業は高付加価値のものづくりで勝負すべきで、アジア企業などとの競争に巻き込まれる低価格領域を手掛けるのは得策でないという考え方が支配的だった。ここにきての方向転換には二つの要因がある。
(1)成長する新興国市場の取り込み。人口減少下の国内市場が低迷し、先進国市場が成熟化する一方で、新興国市場では急増する新中間層向けの商品の拡大が見込まれる。
(2)「利益のとれる低価格商品づくり」のノウハウを吸収して、コスト競争力の強化につなげようとする企業が増えてきたこと。
東レ経営研究所 産業経済調査部チーフエコノミスト 増田貴司氏
日経新聞2008.617

★コメント
 日産のゴーンさんが、タタ自動車の、ナノ(今あまりうまくいっていないが)に学ぶべきだと言っていました。低価格商品をつくり成功すると円高になるのでは。もしかすると負の循環になってしまうかもしれない。
・・・‥‥...............‥・・‥.....................‥‥・・

■『「鏡衆」が反射し合い流行に−電通の「新大衆」分析(1)』
★気づき
 世代や性別、関心などが異なるグループにまたがって爆発的にヒットする商品が目につく。大衆意識の新たな高まり。「自分を大衆の一員だと思う」との回答が72%にのぼった(電通、インターネット調査 昨年9月)。理由は「ネットの登場で社会や不特定多数の人々との新しいつながりを実感したから」というものが多く見られた。「大衆」(70年代)、「小衆」(80年代)、「個衆」(90年代)を経て、ネットの普及が新たに大衆意識を再形成している。こうした背景には、皆で共有できる目標や価値観がなくなってきた中で、「心の 価値観を共有できる仲間が欲しい」「人とつながって、心情や気持ちを交流させたい」という意識の高まりがある。長く注目された「自分探し」に代わり、「共通性探し」に人々の重心が移っている。彼らは皆、心に鏡を持っている。そこに自分と似たような気持ちや欲求を映し出し、周囲の人々に向かって反射させる。その際、共感や賛意などのそれぞれの思 いを込める。それが徐々に多数の人の間で反射し合いながら拡大していき、大きなうねりとなっていく。
電通 消費者研究センター 宮城美幸氏
日経MJ 2008.1.23

★コメント
 アイデンティティー不安とネット。「共通探し」を切り口として、ネットを活用してみると面白いのでは。
・・・‥‥...............‥・・‥.....................‥‥・・

◆土日朝一番の映画
ひさしぶりに4本のおもしろい映画を見ました。
◇「プロメテウス」監督;リドリー・スコット キャスト;ノオミ・ラバス
久しぶりに興奮。創造主を絶対的に信じる西洋的なもののスパイラルの負の輪廻。エンドロールもなかなか深い。リドリースコット監督の3D映像が素晴らしい。
◇「ボブ・マーリー/ルーツ・オブ・レジェンド」監督;ケヴィン・マクドナルド キャスト;ボブ・マーリー
すごい人の、すごい映画を見ました。ボブ・マーリーはすごいと思っていましたが、想像以上のすごい人でした。イギリス人と黒人の間に生まれたハーフ、レゲエを世界に広めたアーティストの一生。自分は白人の側ではなく、黒人の側でもなく、神の側にある。トレンチタウンの生活、 ジャーの神 、ラスターの思想哲学、詩人、貧しい人達へのメッセージ、最後は「起きろ 立ち上がれ」のボブ・マーリーの歌声。ケヴィン・マクドナルドの演出も素晴らしかった。
◇「ソハの地下水道」監督;アグニェシュカ・ホランド キャスト;みんなよかった。
ポーランドで、ナチに迫害されたユダヤ人がポーランド人の地下水道の管理人ソハの命をかけた助けによって生還する物語。助ける家族の葛藤、地下水道に逃げた人たちの困難、命をかけて助けるソハとユダヤ人の関係の変化。日本はどこかの国に占領・支配・蹂躙されることがあるのか、その時日本人はどうするのか。
◇「最強のふたり」監督;エリック・トレダノ キャスト;フランソワ・クリュゼ、オマール・シ―
映画は哲学的エスプリを絡ませたフランス映画らしく(アメリカ映画ですが)、楽しめました。身体不随のもう一度人生を取り戻そうと思っている富豪と、複雑な家庭で育ったユーモアあふれる看護人との交流。お互いの気持ちを理解して、ユーモアのある開いた関係が絆を作る。
みんなお勧めです。

日本オリエンテーション主宰 まつもとかつひで

■■■.......................................................................................‥‥・・
■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第321号(2012/10/2) (c) 1999Japan Orientation
・‥‥.......................................................................................‥‥・・

前のミネラル 次のミネラル