1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

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考えるヒント:メルマガ「マツモト・新商品開発ミネラル」

【マツモト・新商品開発ミネラル】第379号

配信日:2015年6月16日

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・■■■        商品開発・マーケティングの
・■□■   MATSUMOTO・新商品開発MINERAL
・■■■     発行者:日本オリエンテーション 松本勝英
        毎月第1・第3火曜日発行(創刊 1999/10/01)
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    ■□ 第379号 Table of Contents □■
      ◇マツモト・商品開発ミネラル
      『花王の長寿ブランド育成術』
      『ベトナム 年初5か月の小売売上高1305兆VND、前年同期比+9.1%増』
      『東京の銀座に「一冊の本しか売らない本屋さん」』
      『コンサルティングとは』
      『仲間守るボスに厚い信頼』

<伝言>
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2015年6月16日(火)
今回のミネラルの最後に載せた『仲間守るボスに厚い信頼』のピュアな猿のリーダーの話をぜひ読んでください。そして考えてみてください。
14日から28日までベトナム、タイに行ってきます。いろいろ「触発」をし合ってきます。

■『花王の長寿ブランド育成術』
★気づき
1. 新商品の追加でブランドイメージを強化、拡げる
「舞い上がりを抑えるハウスダスト除去スプレー」「食卓にも使えるリビングクリーナー」の新商品を、クイックルのブランドで売り出す。クイックルは便器を手軽に洗える「トイレクイックル」や床用フロアワイパー「クイックルワイパー」などの簡単に掃除ができるブランドイメージを活用して、「消費者の衛生を守る」というクイックルの新たなブランドイメージを拡げる。ブランドの資産を活かしつつ、新たな付加価値を加えて発展させる。
2. ブランドの再配置術
売り上げが落ち込んだブランドを好調なブランドに移管、商品を再び復活させるとともに、受け入れるブランド側も商品の幅が広がり活性化。マイペットのフローリング用とガラス用を、強い汚れを落とす掃除用品のマジックリンに再配置する。いかにブランドの鮮度を高めるかが重要。1人の新規顧客を獲得するよりも、1人のロイヤルユーザーを確保する方がコストがかからない。いかに使ってもらうかではなく、いかに使い続けてもらうかが重要。
日経MJ 2009.12.04

★コメント
 商品の機能価値と情緒的価値を統合したのがブランドです。浸透したブランドは商品より大切で、ブランドの拡張、鮮度維持のスパイラルな発展を促進することがブランドマネジメントですが、花王のブランドマネジメントはなかなかですね。

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■『ベトナム 年初5か月の小売売上高1305兆VND、前年同期比+9.1%増』
★気づき
 統計総局(GSO)の発表によると、5月の小売売上高(推定値)は前月比で+0.8%増、前年同月比では+9.3%増の260兆5000億VND(約1兆4800億円)だった。これにより、年初5か月の小売売上高は、前年同期比+9.1%増の1304兆5000億VND(約7兆4000億円)となった。
事業分野別で見ると、前年同期比で▲11.8%減少した観光を除き、◇販売:前年同期比+10.2%増の996兆9264億VND(約5兆7000億円)、◇ホテル・レストラン:同+2%増の145兆7349億VND(約8300億円)。◇その他サービス:同+10.9%増の151兆2023億VND(約8600億円)といずれも増加した。

★コメント
 ベトナムはいま第2次ベビーブームで、人口が9千万人を越え、1億人に迫っています。所得も伸びていて魅力的マーケットに変容しています。THINK GLOBAL ACT LOCALでベトナム市場を考えてみませんか。ベトナムの人たちの幸せをサポートしませんか。
6月14日から28日まで、今年3回目のベトナムに行ってきます。

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■『東京の銀座に「一冊の本しか売らない本屋さん」』
★気づき
 今月、東京の銀座に「一冊の本しか売らない本屋さん」が開業した。正確にいうと、常に1種類の本しか陳列・販売しない店だ。場所は東京都が歴史的建造物に指定したという昭和4年完成の古ビルの中。扱う本は1週間から2週間で入れ替えていく。
開店からしばらくは刺しゅう作家の作品集を置いていた。今は別の写真家の本に替わっている。壁には著者の作品を飾る。作家本人や編集者が店にいることも多い。朗読会なども開く。「一冊の本を通じ読者と作り手が出会ったり、本の向こうに広がる世界に触れたり。そういう場にしたい」と店主の森岡督行さんは語る。
インターネットによる通信販売や電子書籍に押され、街から本屋さんが消えていく。そんな流れにあらがうかのように、本屋さんからの反撃がさまざまな形で始まったともいえる。一冊の本が持つ手触りと、そこに込められた思い。本が並ぶ空間に身を置く刺激。そうした味わいを、デジタル世代も知ってくれたらと思う。
日本経済新聞 春秋 2015.05.24

★コメント
 これからのマーケティングとして大切なのは、コンシェルジェ・マーケティングです。顧客とのロイヤルな関係をどう作るか。消費者と商品の関係を愛着でどう結び付けるかを考えたい。

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■『コンサルティングとは』
★気づき
コンサルティングとは、これが正しいと教えることではなく、話の中から共感が生まれ、これが正しいのではという発見の機会をつくることだと思っている。その発見はその人のものであるので力になる。

★コメント
 日本オリエンテーションのコンサルティングのモットーです。気づきを促す、気づきを発展させる、気づきを進化させる、そして異質な組み合わせを促す。
クライアントはコンサルタントに過度の依存をしない、コンサルタントは創造の触媒です。

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■『仲間守るボスに厚い信頼』
★気づき
 サルの群れでは、オスザルにだけ明確な序列があります。順位を決める基本は、その群れに何年いるか。人間社会より、よほど年功序列的です。
 ボスザルの名にふさわしいC群のベンツが、昨年初め、35歳で亡くなりました。高崎山史上最年少の9歳でB群のボスになったものの、C群のメスと恋愛。B群を追われ、C群の最下位からやり直し、21年かけて再びボスに上り詰めました。二つの群れでボスになったのは彼だけです。
波瀾万丈の生き様を自らの人生に重ね合わせるお客さんが多く絶大な人気者でした。
律義者でもありました。序列4位の時、2位のサルが1位にクーデターを起こしました。ベンツも1位を攻撃すれば順位を上げられたのに、しなかった。その後、2位になってからは10年余、1位のサルの長期政権を支えました。
仲間を守る意識は強烈でした。迷子になった赤ちゃんが母親を求めてキャキャと泣くと、時に母ザルより早く飛んでくるサルがいる。見るとベンツなんです。赤ちゃんを守ろうとして、母ザルを待つ職員に跳び蹴りもしました。ある時、トイレの個室に子ザルが閉じ込められ、その泣き声に何百頭ものサルが周囲を囲みました。子ザルを個室から出し、離れた所にえさをまいて、取り囲むサルを誘導しました。ベンツはえさには目もくれず、最後まで個室の前にいました。
数が多いA群との集団闘争でも、先頭に立つのはいつもベンツでした。サルたちが個々の事実を覚えているとは思えません。でも、仲間を守り、秩序を守ろうとするベンツへの信頼は厚かった。
死ぬ前年の秋に失踪、18日目に7キロ離れた大分市内で捕獲されました。通常、群れを1週間も不在にすれば仲間とは認められません。認められても順位は下がるのが普通。若いサルに攻撃されて悲惨な最期を迎えるのではと、園内でも危惧の声が強かった。ところが彼はすんなり群れに戻り、親愛の情を示す毛繕いで迎 えられました。順位テストでも1位のまま。人間なら100歳を超えるじいさんです。見ていた私も、もらい泣きしてしまいました。
サルが年功序列を採用しているのは、腕力を競う無用な争いを減らすため。リーダーになりたくてなるサルはいません。天国のベンツは「伝説のボスザル」と今も持ち上げられて、「なりたくてなったんじゃないよ」と苦笑いしているんじゃないかな。でもお客さんたちは、仲間を守る意識の強い律義者を「リーダーに適格」と称賛します。人の社会でもそんなボスを見たい、そんなボスが欲しいという、夢の投影かもしれませんね。(聞き手・畑川剛毅)
木本智さん(高崎山自然動物園 楽猿〈らくえん〉案内班リーダー)リーダーに求める
朝日新聞2015.06.03

★コメント
 すごい猿のリーダーですね。利己的ではなく、徹底した利他的なリーダーです。資質なのか、経験なのか、相まったものなのか、皆さんこれからのリーダー論を考えてみてください。 

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◆土日朝一番の映画 映画は映画館で観るとワクワク・ドキドキです。
『靴職人と魔法のミシン』監督;トーマス・マッカーシー キャスト;アダム・サンドラー、ダスティン・ホフマン
日常と非日常、大人のファンタジー映画です。ホッとした感じになれる、最後もほほえましい。

日本オリエンテーション主宰 まつもとかつひで

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■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第379号(2015/6/16) (c) 1999Japan Orientation
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