1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

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考えるヒント:メルマガ「マツモト・新商品開発ミネラル」

【マツモト・新商品開発ミネラル】第380号

配信日:2015年7月7日

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・■■■        商品開発・マーケティングの
・■□■   MATSUMOTO・新商品開発MINERAL
・■■■     発行者:日本オリエンテーション 松本勝英
        毎月第1・第3火曜日発行(創刊 1999/10/01)
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    ■□ 第380号 Table of Contents □■
      ◇マツモト・商品開発ミネラル
      『ターゲットの捉え方;ミドルクラスセグメントを狙う』
      『流通はまだまだ旧形態』
      『家族関係がキーファクター』
      『車で貧富の差を感じる』
      『味は複雑味覚』

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2015年7月7日(火)
この数年、2〜3ヶ月に1回ほどメコン圏を回っています。ベトナム、カンボジア、ラオスに行っていて感じた気づきをミネラルにしました。
マクロなデータも大事ですが、現場での体感もヒントになるのでは。

■『ターゲットの捉え方;ミドルクラスセグメントを狙う』
★気づき
 新興成長国のターゲットは一般的には三層に分かれています。
プレミアムセグメント:最高品質の商品を求めるハイエンドコンシューマ
メインストリームセグメント:便利で高品質かつ値ごろな商品を求めるミドルクラスセグメント
エコノミーセグメント:便利さで高品質を求めるがメインストリーム商品を買いにくい低所得層(参照ネスレ)
日本の企業は、プレミアムセグメントを攻めているが大きな成果を出していない。日本の商品はそもそもヨーロッパのプレミアム商品とは違い、本来はメインストリームセグメント向け商品です。成功するには、メインストリームセグメントに、日本クオリティー・現地価格商品を提供すべきです。
ターゲットのイメージは、オフィスに勤務している日本の昔風に言うとホワイトカラー層で、今後も収入が向上してきてより魅力的なターゲットになるのでは。しかしこれからの主戦場は、所得の向上と共に、エコノミーセグメントに移ってくる。
ベトナムではメインストリームセグメント+エコノミーセグメント。カンボジア、ラオスではメインストリームセグメントが主力ターゲットではないでしょうか。

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■『流通はまだまだ旧形態』
★気づき
 まだ消費者はその日に消費するものを毎日購入する傾向があるため、スーパーなどのモダントレードで購入することは少ない。近くの街の市場のトラディショナルトレードがメインです。
食品では、モダントレードとトラディショナルなトレードの構成比は20:80ぐらいでトラディショナルトレードが優位です。
食品の場合80%の店舗をカバーするのに、味の素、ロッテのように毎日ダイレクトに販売するやり方が優位になっています。
今ホーチミンに2つのイオンモールができ、カンボジアのプノンペンにもイオンモールができ、まとめ買いをする人たちも増えています。しかしその増加は予測より遅いのが現状です。そのため、販売力のある代理店を確保、育てることが急務であり、また現地の企業への資本参加も考えられますが、経営哲学などのすり合わせが大事になってきます。一般的には現地企業は短期的利益を重視する傾向があります。

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■『家族関係がキーファクター』
★気づき
 家族の関係がたいへん密です。ダナンのIT大手のFPTで、若い人達に日本のビジネスの話をして欲しいということで、「5時に行きます」と言ったら、「5時ではみんな帰ってしまいます。3時に来て欲しい」と言われ、行ったことがあります。5時に終わって遊びに行くのではなく家に帰るそうです。家族を大切にしているからです。
ベトナムで日本に留学した30代の起業家に、なんでそんなに不機嫌なのと質問したことがあります。家で奥さんに、あなたはなんで早く帰って来ないの、周りの人はみんな早く帰って来ると毎日言われているそうです。本人は、仕事はやる時はやって、時間を作って、家族と旅行をしようと考えていると話すそうですが、理解してくれないそうです。
ベトナムは旧のテト正月です。地方から出て来た人達は故郷に帰りますが、正月明けに会社に帰って来ない人がたくさんいることが問題になっています。故郷で両親からこちらで働けばと言われて残ってしまうそうです。
ベトナムの家族関係を研究することはマーケティング上重要です。家族間の情報伝達も面白いテーマでは。ワークライフバランスを考える時にもヒントになるのでは。

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■『車で貧富の差を感じる』
★気づき
 ベトナムはオートバイ文化で、オートバイが氾濫しています、耐久性が高く、乗り心地もいいということで、ホンダとヤマハが大きなシェアーを持っています。
彼らはすぐ乗り物に乗る習慣があります。歩いて15分ぐらいの距離だと車で行きましょうと言われます。暑いせいもあるのかもしれませんが。タクシーは大変安いので日本人もすぐタクシーに乗る傾向があります。
今ホーチミンではメトロの工事が進んでいます。メトロが開通したらこのオートバイ文化はどう変わるのかはたいへん興味があることです。
車のことで気になることは、ベンツ、アウディー、レクサスなどの高級車がよく走っています。日本と比べてみても、高級車の比率が高いです。カンボジアのビエンチャンの日本料理屋で食事をしていたら、かっこいい若者が店に入ってきました。店を出てみたらマセラッティが止まっていました。店の人に聞いたら先程の若者が乗ってきたそうです。高級役人の子供だそうです。車から貧富の差が大きいと感じます。

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■『味は複雑味覚』
★気づき
 ベトナム、カンボジア、ラオスの人たちは辛味が大好きです。有名なフォーの店に行くと必ず唐辛子を漬けた調味料と、わからない辛味のソースが置いてあります。辛味に対しては、私は日本では普通レベルですが、ちょっと敬遠する辛みです。
生春巻きのたれも、材料は青唐辛子、赤唐辛子、ニンニク、砂糖、酢、魚醤、ライムで、甘、辛、酸味が同時に来るミックスされた複合味覚です、味の文化を感じます。
南の国は、辛味が食の文化のベースにある感じがします。甘みは生得的味覚ですが、辛味は文化的、風土的な味覚です。日本も温暖化されてくると辛味化は進んでくるのでは。これからの研究テーマでは。 

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◆土日朝一番の映画 映画は映画館で観るとワクワク・ドキドキです。
『海街dairy』監督;是枝裕和 キャスト;綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず
日本映画らしい映画で、日常の四姉妹のdiaryです。日本人だから、是枝監督だから作れ、日本人だから共感できる映画でした。四姉妹みんなの悩みをすがすがしく描いていて、オススメです。

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』監督;ジョージ・ミラー キャスト;トム・ハーディ、シャーリーズ・セロン
マッドマックス・シリーズ4作目。迫力の連続だが、間がなくて疲れる。
迫力あり、面白い。緑の大地はあるのか、オススメです。

日本オリエンテーション主宰 まつもとかつひで

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■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第380号(2015/7/7) (c) 1999Japan Orientation
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