1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモト・新商品開発ミネラル」

【マツモト・新商品開発ミネラル】第403号

配信日:2016年7月19日

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・■■■        商品開発・マーケティングの
・■□■   MATSUMOTO・新商品開発MINERAL
・■■■     発行者:日本オリエンテーション 松本勝英
        毎月第1・第3火曜日発行(創刊 1999/10/01)
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    ■□ 第403号 Table of Contents □■
      ◇マツモト・商品開発ミネラル
      『計画の課題化はドラマづくりである』
      『ベトナム農業の新しい芽』
      『低成長への転換』
      『眼のデジタル化』
      『学力世界一といわれるフィンランド』

<伝言>
第137回「新・商品開発プログラムのたて方36時間」セミナー
10月6日スタート
“なぜ30年以上、企業から支えられているのか”
☆36時間セミナーで、36の成功の秘訣が深く学べるセミナー
☆40年のコンサルティングの成功、そして失敗のエキスです。
☆30年企業のリピーターによって支えられ、続けて来られたセミナーです。
☆商品開発の厳しさ、楽しさが実感でき、成長を促すセミナーです。
商品開発カウンセリング−新しい風を吹かせる「場」です
商品開発社内教育−発想刺激の「場」です

2016年7月19日(火)
3分法が狂ってきた。
70歳を過ぎたら、日本での仕事1/3、ベトナム・メコン圏の仕事1/3、自分の好きなこと1/3をする予定でいたが、このごろその分け方が変わってきてしまった。ベトナム・メコン圏の仕事(主にボランティアですが)が多くなり、日本にいてもベトナム・メコン圏との関わり、ベトナムでのスタート・アップのサポート、日本企業のベトナム進出の相談が増えてきています。3年間の継続が楽しい結果になっています。これからもメコン圏の若い人たちへのgive backに努力していきたい。日本の仕事も好きなことも大事にしていきながら。
8月7日から13日までホーチミン、9月10日からホーチミン、プノンペン、ビエンチャン、出来ればヤンゴンに行ってきます。

■『計画の課題化はドラマづくりである』
★気づき
 明日から今日を考える。部分は部分として考える。非合理も非合理として考える。計画と実行のギャップをどう埋めるか。「やりとげる目標と」「どうやるかの計画」のドラマづくりが「計画の課題化」である。目標と現実のギャップを冷静に読むことが、プランナーの仕事です。目標、計画をドラマにすることによってやる意欲が高まります。意欲がでるドラマづくりもプランナーの大事な仕事です。

★コメント
 計画は理性と感性の融合によって生き生きしてくる。生きた計画を作りたい。「物語化」のノウハウもぜひ身に付けよう。大塚英志の「物語の体操」は役立つのでは。

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■『ベトナム農業の新しい芽』
★気づき
 ビングループ[VIC](Vingroup)の子会社で有機農産物の生産・販売を行うビン・エコ農業投資生産開発(ビン・エコ=VinEco)は23日、紅河デルタ地方ビンフック省の自社温室栽培施設で生産した安全な野菜の販売を開始した。面積1.5haの同施設は、イスラエルのテシュバ・アグリカルチュラル・プロジェクト(Teshuva Agricultural Projects=TAP)のハイテク技術を導入。ベトナム安全農産物生産基準(Vietnamese Goods Agricultural Practices=VietGAP)や国際基準のグローバルギャップ(GlobalGAP)を満たしたスプラウトなど20種類や水耕栽培野菜12種類を栽培・供給している国内市場に供給するだけでなく、シンガポールやマレーシア、香港、日本、ドバイなどへの輸出も目指しているという。

★コメント
 ベトナムの農業は魅力的です。ある層では健康意識も日本以上に高まり、安全な野菜を生産し、国内だけでなく、海外にも輸出して行こうという気運が高まっています。私がサポートしているベトナムのスタート・アップも、農業をテーマにしている人が多くいます。私は、無農薬・多収穫の農業「BLOF」農法を定着させたいと考えています。

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■『低成長への転換』
★気づき
 無理に、成長、成長といわずに、むしろ低成長を前提にする方が現実的であろう。そして私にはそれが悪いことだとは思われない。日本はすでに物的な財や資産という点ではかつてなく豊かな社会になってしまった。「失われた20年」なのではない。低成長へ移行するのは当然のことであろう。そして低成長経済は、過度な競争社会であってはならないし、グローバル経済に国家の命綱を預けるべき経済ではない。それは、従来の成長主義、効率主義、競争主義という価値観からの転換を要するだろう。
(異論のススメ)アベノミクスの前提 成長主義の妥当性こそ争点
佐伯啓思
朝日新聞2016.07.01

★コメント
 アベノミクスの高度成長に対する対立軸として、低成長戦略に共感。身の詰まった筋肉体質にしていくことが、これからの幸せではないか。「もったいない」をもっと深堀していきたい。そして世界に発信していきたいですね。

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■『眼のデジタル化』
★気づき
 眼がデジタル化して、見た目に派手な映像を求め始めた。階調表現が豊富であるということは、見た目が地味に見え、階調表現の幅が狭いということはコントラストが高くなり、見た目に派手になる。色の派手さ加減であるフィルムの彩度においても、かつてのフィルムの彩度が自然に近い地味な色であるとするなら、今主流になっているフィルムの彩度はすでに飽和点に達しつつあるほど高く、人工的なものになっている。例えば木の葉ひとつ撮っても、その緑の色は実際の色とは似ても似つかない、あたかも造花の葉のよう派手な色としてフィルムに定着される。このことは視覚も自然ではない派手な色を記憶色として脳内に定着させ、それを「きれい」と感じるデジタル的感性になっている。そのような現代人の視覚が階調の間引きと彩度の飽和点を求めるようになったのは、環境の変化に追うところが大きいのではないか。まずは日本列島の総都市化によって自然の地味な色から人工物の派手な色へと環境が激変した。また第二の視覚環境ともいえるテレビモニターの色は人工化して第一環境の彩度や階調に比べ、さらに派手だ。また、第三の視覚環境になりつつあるテレビゲームやパソコンのモニターはさらにこの傾向が顕著である。パソコンモニターはお互いの競争原理から近年ますます彩度とコントラスト比を高める傾向にあり、モニター上で画像を作り込まねばならないプロの写真家は標準色が再現できなくなっている。恐るべきことに、わずか10秒間で人間の眼の感性は瞬間的に変化するのだ。自然な色を見せた後、派手な色の風景を見せると、最初に見た自然な風景は精彩を欠いたものとして脳が錯覚してしまう。アナログからデジタルへの移行は、そういった現代人の感性のデジタル化と同時進行の出来事である。縦縞の飼育小屋で育ったネコは横縞が見えなくなるという衝撃的な実験がある。どうやら2000年代の人類は、その猫の生態に似てきているようだ。
藤原新也 写真家、作家
朝日新聞2006.04.03

★コメント
 4K、8Kの世界になったら眼のデジタル化はどうなるのだろうか。自然とは、リアルとは、どのようにかわっていくのか。昔、化粧品のメーカーの人が、バーチャル肌が求められてきていると述べていました。求めても得られないシミひとつないなめらかな肌にあこがれる人が増えている。印刷・映像技術の進化で雑誌・テレビなどではそうした肌が当たり前になっている。(花王化粧品事業本部牛山正和氏 日経産業新聞2005.06.09)
どのように変化し、脳はどう変わり、人間の五感はどのようになるのか?白黒の画像も大事にしていきたい。

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■『学力世界一といわれるフィンランド』
★気づき
 第一に、正解を先回りして教えない。理科の授業では、まず実験だ。様々な現象を見させて、各自が仮説をたてる。自分とは違う意見にも耳を傾け、もう一度考えてみる。教師が理論を説明するのは一番最後だ。正解を教えると、その時点で思考が止まってしまう。次に、他人と競わせないことだ。競争させると、順位に関心が向いて、考えることへの興味がそがれる。テストは各自がどこでつまずいているかを確認し、補うためのものだ。考える力がつくとともに学力差が少ないのは、この2つの理念と実践が成果をあげているからだ。
都留文科大学教授 福田誠治氏
朝日新聞2008.1.7

★コメント
 これからの教育で重要なことは仮説構築力。マーケティングにおいても、どれだけ魅力的で新しい仮説を構築できるかが成功のスタート。時代・市場・生活の価値観の変化の芽を引き抜き、仮説を作る。仮説を作ろう。

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◆土日朝一番の映画 映画は映画館で観るとワクワク・ドキドキです。
『ブルックリン』原題;Brooklyn 監督;ジョン・クローリー キャスト;シアーシャ・ローナン、エモリー・コーエン
アイルランドの移民少女がニューヨーク・ブルックリンに移住してくる。1950年代の移民の暮らし、ブルックリン、アイルランドの故郷の映像が何か初々しい。イタリア系移民との出会い、恋も新鮮。終わりもいい。おじさんにとっても若い人にとっても愉しい映画です。オススメです。
『帰ってきたヒトラー』原題;Er ist wieder da 監督;デヴィッド・ヴェンド キャスト;オリバー・マスッチ、ファビアン・ブッシュ
タイムスリップしたヒトラーがモノマネ芸人として過激な発現を繰り返す。その発言に反応する今のドイツ人の表情がおもしろい。ブラックだが今の世界への皮肉かも。前に大きい人が座っていてドイツ語の字幕が読みにくく苦戦。

日本オリエンテーション主宰 まつもとかつひで

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■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第403号(2016/7/19) (c) 1999Japan Orientation
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