変化は私どもの周りに起きています。
時代・市場・生活価値観の変化を引き抜くには、「ちから」が必要になります。
サントリーの飲料「ダカラ」に対して。私としては悔しい思いを持っています。
私は痛風持ちで、毎日2リットルの水を飲んで、排出するように毎日言われていました。
「捨てる技術」という本が、ベストセラーになっていることも知っていました。
「ソフト断食」が一部の人ではありますが、オピニオン的な人たちに興味を持たれているのも知っていました。
「過剰の時代」だと認識していました。
「過剰」のなかで「浄化」という価値感が高まっていることも感じていました。
しかし、飲料は「補給」するという固定概念を脱することができませんでした。
「排出」は「補給」と全く反対の概念です。そして今までの概念とは異なった新しい変化の芽でした。
変化というのは定量的ではなく、定性的です。なかなか数字にはでてきません。
変化の芽は、体で感じることで重要です。
変化を感じていながら、変化を引き抜けなかった私の経験です。
過剰の時代の化粧品として「浄化」化粧品は、おもしろいのではとの仮説を持っています。
みなさんの商品を「浄化」という切り口で考えてみたらおもしろくありませんか。
しかしこの仮説だけでは成功しません。仮説を消費者とのキャッチボールで検証し、消費者との「共感づくり」が必要になります。
「共感づくり」はこれからのマーケティングにとって重要なキーワードだと思います。
顕在化している変化として、「遊動化」という変化キーワードがあります。
現象としては、地下鉄の中で化粧をしている、50過ぎの女性がしていると何か気になりますが、その世代の人たちも電車の中で堂々と化粧をしています。
地下鉄ではあまり気になりませんが、JRなどの明るい車内だと、まだ気になります。車内が暗いことが関係しているのかも。
暗い外から攻めよう。
新幹線のなかでパソコン仕事をしている人が多くなっています。
混雑時のホームでカップラーメンを食べている若い人がいました。
公園、コンビニの前での食事、歩きながらの食事。食事がどんどん「外化」されてきています。
抱擁している男女を見る機会も多くなりました。なぜかあまりカッコ良いカップルでは見かけません。
「家庭」「企業・学校」などの中でやっていたことが「外」へでてきています。
携帯電話がこのような状況をつくる契機になったのかもしれません。
水なしで使えるシャンプーが開発されました。
「介護用シャンプー」として商品化することも可能ですが、私なら「遊動化」の時代という変化を引き抜いて「水なしで、どこでも、いつでもシャンプーできるシャンプー」として商品化を考えたいと思います。
地下鉄のなかでシャンプーする、会議でアイデアがでない時に、頭をさっぱりさせるためにシャンプーをする。
1日に1回、入浴場面でシャンプーをするという固定概念を破ってみることが出来ないのかに興味があります。技術的にはまだまだいろいろ開発が必要になると思いますが、新しいマーケット開発の切り口になればおもしろいのでは。
「家庭」「企業・学校」内でやっていたことが、これからどんどん「外」化されてくるとすれば、新しいマーケット、商品が生まれてくるのでは。
時代・市場・生活価値観の変化を引き抜きましょう。
日本オリエンテーション 松本勝英
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