潜在市場、創造市場を発見し、いままでなかった新カテゴリー商品を開発することと、すでにテーマが決まっている顕在化している市場で、魅力市場を発見するアプローチは全く違います。
前者は、新規事業に近く、革新的なシーズと今までにない市場の見方が必要になります。
日本オリエンテーションでは、時代・市場・生活価値観の変化を引き抜き、新しい提案型、生活ソリューション型テーマの開発をしています。
例えば、ヴァーチャル化社会の中で、身体感の回復が求められているという変化を捉えて、生命体としての身体、運動体としての身体、変容体としての身体、回復体としての身体などの視点から、健康、衣服、遊び、食、化粧、学びなどの新規テーマ開発にアプローチしています。
テーマのレベルは別にして、少し具体的なテーマが決まっている場合の、魅力市場発見はどのようにするか。
まずは、市場という概念を取り込むことが必要です。
市場とは、消費者と、商品が出会うところです。消費者と商品のマトリックスを作成し、魅力市場を発見する方法です。
基本的なステップは
アルコール飲料で考えてみます。
一般的には、年令、性別、お酒の好き嫌いのレベル(何でも飲む、ビール派、ワイン派、地酒派、焼酎派)、お酒に対するこだわりの強弱(有名ブランド派、稀少品派、何でもござれ派)、お酒の飲む量の多少(ヘビードリンカー、メディアムドリンカー、ライトドリンカー)、誰と飲んでいるのか(1人か、夫婦で恋人と、男同士で、大勢で男女一緒で)、お酒の飲み方(食べ飲み、飲み食べ、飲み飲み)、お酒の飲む目的など、まだまだいろいろな切り口があるともいます。
人口統計的な消費者分類から、テーマ商品から見ると消費者がどう分けられるかを考え、いろいろな視点から消費者を分類してみることが必要です。
お酒のタイプ(ビール、日本酒、ウイスキー、焼酎)、アルコール度数(高度数、中度数、程度数)、価格帯(高級、中級、普及、低価格)、飲み口(濃厚、スッキリ、さっぱり、甘口、辛口)、飲み方(ストレート、割る、冷やす、暖める、常温)、楽しみ方(味、香り、テクスチャー、組み合わせ)。
まだまだ考えられると思います。
商品を分類するときに、ハード(製品特徴)の視点から、ソフト(効用視点)まで、いろいろ分類視点で見てください。
分析のポイントは、市場のサイズ、成長性と競合関係における勝ち負けです。
マーケット・サイズ | |||||
大 | 小 | ||||
競合大 | 競合小 | 競合大 | 競合小 | ||
成 長 率 |
大 | ||||
小 |
魅力市場の評価をするときに、アンソフのモデルをヒントにしてみるのも役立ちます。
既存技術 | 新技術 | |
既存市場 | (1) | (2) |
新市場 | (3) | (4) |
(2),(3)象限のテーマは自社の強さを生かせる可能性があり、(4)象限は新規事業になり、リスクは大きくなります。(1)象限から、(2),(3)象限へ、しみだすテーマは成功の可能性が高くなります。
最後はトップディシジョンで新しいテーマが成功するかどうかは、トップの意欲によることが多いです。
私のコンサルティングの経験で、成功するならやりたい、失敗しそうならやめたいというトップがいました。これでは成功はおぼつきません。
テーマの最終決定はトップディシジョンによって決定することが重要です。
日本オリエンテーション 松本勝英
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