成熟の時代、商品のシンプル化が求められています。シンプル化によって、商品のコアなベネフィットが再確認され、
魅力がより明確になります。
自分にとって何が必要か分かっていない者は、それゆえに全てを求めがちです。多機能な家電は、多くを持っていることが豊かされてしまった、成熟の時代の消費者は、本当に必要なものは何かを理解しており、自分の生活スタイルに合わない、余分なものに魅力を感じません。
シンプル化で成功するためには「シンプルデザイン、シンプル機能、シンプル使用」という3つの方向性があります。
ここ最近、輸入家電製品の売れ行きが好調です。現在、家電購入者の9割以上が、国産家電に対して不満を感じており、 その多くが「機能過多」「デザインが悪い」といった意見に集中しています。この不満を埋めるものとして、シンプル (単機能)でデザインリッチという特徴を持った外国家電が支持されています。デザインには、こうありたいと思うラ イフスタイルを提案する力があります。
多機能は、魅力の拡散につながります。シンプル化を考えるときに重要なことは、その商品が持つコアなベネフィットにフォーカスして、それをもう一度際立たせることです。ただシンプルにするだけではプアーな商品になってしまいます。
リアルリッチの部分をクローズアップすることで、シンプルでリッチな商品が生まれてきます。
外国家電には、単機能でも、その機能だけをとってみれば、業務用のものと比べても何ら遜色ないという魅力があります。
ダイソンの掃除機は「吸引力」というリアルリッチの部分に優れています。
また、シンプルとは使用場面を限定しない多様な使い方ができるもの、多様性への対応であるともいえます。
「いつでも、どこでも、誰でも」使えることが大事です。
自由度を高めることで、他のものと組み合わせたときに違和感がないという魅力も生まれます。
日本オリエンテーション 松本勝英
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