1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモトミネラル」

マツモトミネラル第159号

配信日:2006年04月18日

第159号
『消費に倫理価値を求める傾向』『「富めるもの」台頭』『中国ビジネスモデル』『住まい提案』『グーグルでの開発』

緑の色が毎日変化しています。今が一番きれいな新緑では。
第88回「商品開発プログラムのたて方<30+6>時間」が満席になりました。
ありがとうございました。
第89回は7月27日スタートです。   詳細、申込は http://www.jorien.com/seminar-pr88_89.html

■『消費に倫理価値を求める傾向』
★解  説
 消費に倫理価値を求める傾向 フェアトレードの発達、大量生産品を拒否
し、有機生産物などの個別販売網を求める傾向。売ること自体が「二の次」
になっている店の出現。店がクリエーターのアトリエと一緒になった、販売
が切り離されず、モノの制作現場に直結している。他者とつながる消費へ。
                     浅野素女氏・ジャーナリスト
★ミネラル
 消費という概念に、共感という概念が強くでてくるような感じがします。
新商品開発にどのように取り込んでいくのか、おもしろいテーマです。
難しいことですが、地球にとってよいこと、社会にとってよいこと、人間に
とってよいことの共感開発はどうするのか。
・・・‥‥……………‥・・‥………………‥‥・・

■『「富めるもの」台頭』
★解  説
 「富めるもの」台頭 日興コーディアル証券プライベートバンキング部門
統括、鈴木則義常務の話。上場企業のオーナーを中心に数千人のお金持ちの
資産管理「そのうち上位100人の顧客が、今月末の株主総会後に手にする配当
収入は500億円弱」今後この額は増えそう。このクラスは「金を増やす資産 
運用」には興味がない。不慮のリスクを回避する「資産保全」が最大の関心。
日本のお金持ちを実地調査した、森剛志・甲南大専任講師「資産家の多くは
小売りや外食など地味な事業をこつこつ積み上げた堅実型。IT長者、巨大
な遺産相続、天才的才能の持ち主は一握り。」
                          日経新聞2005.6.6

★ミネラル
  見える市場と見えない市場。これからは、今まで表にでてこなかった、
 見えない市場が魅力的では。ニッチ・リッチ市場をどう開発するかは、
 おもしろいテーマでは。
 ・・・‥‥……………‥・・‥………………‥‥・・

 ■『中国ビジネスモデル』
★解  説
 製品開発のスピードは日本の4倍。このスピードには秩序がないところに
特徴がある。エアコンが1年間で半値以下になる。背景には市場規模の7割
もの流通在庫という問題がある。それも不良在庫の相当数を海外に放出した
後の結果である。このような状況の中で一部のメーカーは吸収合併を繰り返
し、さらに生産能力を拡大して収益を高めようとしている。
中国ビジネスモデルは、製品の陳腐化が速い以上、生産台数は低めに設定。
その上で、速度に対応するために「ため」を生かすこと。「ため」とは、今
までの技術的な蓄積の中で埋もれて、市場に出回っていない技術や特許を生
かすこと。量産化されていない製品や技術を、中国で「敗者復活」させる。
         「中国ビジネス学」UFJ総研上海総経理 太田謙二氏 
                       日経産業新聞2005.5.12

★ミネラル
 生かされていなかった企業資産を生かして変化に対応するのが、中国ビジ
ネス成功のポイント。「ため」という言葉がおもしろいです。「ため」とは
蓄え、遊びのようなものでは。
・・・‥‥……………‥・・‥…………………‥‥・・

■『住まい提案』
★解  説
住まい提案、女性が主導 西川祐子「住まいと家族を巡る物語」集英社新書
家父長制を土台とする男の家、戦後は男不在の女の家、やがて個と社会が直
結する個人に分裂した家になった。さらに持ち家率が増えるにつれて、住人
の滞留時間が減った。家にいる時間が多い高齢者の問題が切実になってきて
いる。
高齢者と若者がシェアする、ホームスティの発想がおもしろい。現代受託に
おける女の閉塞感、男の疎外感という問題意識。
島村八重子・寺田和代「家族と住まない家」春秋社 集合住宅にキッチン等
の共有空間を設けて、それぞれの世帯がサポートと交流を目指すコレクティ
ブハウス、単身者が個室をシェアして一軒家に住むシェアードハウス、そし
て住民自らが発案企画した高齢者専用の共同住宅。問題は、他者との共存を
いかにドライにルール付けできるか。「血縁から暮らし縁へ」子育て、その
前提になるエロスが語られないのはなぜか、今問題になっているのは密室育
児に圧迫されている若い育児者と、その子どもたちではないか。
                 作家 藤原智美 日経新聞2005.3.6読書

★ミネラル
 「家をつくること」(プレジデント社)の著者、藤原智美さんの新聞読書
欄の、住まい方の本のダイジェストです。
在宅時間が少なくなり、誰もいない住宅(ペットと、ロボットしかいない)。
暮らし縁で結びつく家族、吉本バナナの「キッチン」の世界ですね。
本のダイジェストのダイジェストメモです。情報はダイジェストのダイジェ
ストになりつつあるのでは。
 ・・・‥‥……………・・‥…………………‥‥・・

■『グーグルでの開発』
★解  説
 「グーグルでの開発」 ネットで起きる現象はすべてマーケティングでコ
ントロールできるものではない。分散化や双方向性というネットの特徴は、
そういう点にもあらわれている。だからグーグルでの開発プロジェクトは上
からの指示で始めるのではなく、誰かがおもしろそうだと思ったことを試し
に始めて、よかったら利用者にサービスを提供する仕組みにしている。
      グーグルエンジニアリング・ディレクター マグラスみづ紀氏 
                       日経産業新聞2006.2.21

★ミネラル
 不確実、読めない市場に対しては実験、試しが重要。小さな実験を繰り返
していくことによって未開発市場が開拓できるのでは。
                 日本オリエンテーション 主宰 松本勝英

★マイカレンダー 4月4日(火)?4月17日(月)    
 4日(火)セミナー受講者来社。いろいろな課題で話を。
企業の人と社内教育内容の打ち合わせ。5月19日(金)から6ヶ月間、マーケ
ティング発想に基づく商品開発、変化を引き抜く力、商品コンセプト開発力
を高めるをテーマの社内教育。このごろ、商品開発人材教育を重視したいと
考えています。
5日(水)生活研究の打ち合わせ。夜、企業の事業部長と歓談。10数年ぶり
で話が弾む。

 6日(木)コンサルティング。健康テーマの成功キーファクターについて。
夜「健康Mの会」。14人の参加で盛り上がる。ヒント満載でした。インドの
方からアエルベーダーの話を聞き、なるほど。
7日(金)企業訪問3社。今までのマーケティングに対して、変化の気づき、
引き抜く力をつけるための教育プランを提案。企業サイドも同じ認識を持っ
ていて、必要性を強く感じているとのこと。
8日(土)8時30分より社内ネットの打ち合わせ。

 10日(月)、11日(火)打ち合わせが続く。12日(水)東大で行わ
れた「工学の新展開とシステムデザイン学」ワークショップをのぞく。
新しいシステム工学の提案があり、いろいろ話し合いも出来、有益。
夜、カウンセリング。コンセプトとして、どんな生活メリットを提供するか。
消費者基点の強化。
13日(木)「生活ナレッジ」結果のディスカス。おもしろい切り口が発見
出来、スタートとして上々。
14日(金)企業の方々2社来社。刺激されることによって、思ってもいな
かった考え方が浮かび、収穫大。
ちょっと楽な2週間でした。


・■■■………………………………………………………………………‥‥・・
 ■□■ 「MATSUMOTO・MINERAL」
 ■■■ 第159号 (2006/4/18) (c) 1999 Japan Orientation
・・‥‥………………………………………………………………………‥‥・・

前のミネラル 次のミネラル