1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモトミネラル」

マツモトミネラル第160号

配信日:2006年05月09日

第160号
『期待から欲求へ』『マンダラ』『昭和史の教訓』『消えた人生論』『情報=生命』

連休のため、1週間遅れの「マツモト・ミネラル」です。

なぜ人間は、もちろん私もですが、他人より前へ、早く、そして高く、へ
行きたがるのでしょうか。

■『期待から欲求へ』
★解  説
 期待が欲求を生む。血液の血中濃度が期待時には低下し、それを一定に保ち
たいとの欲求が生まれる。
欲求から渇望へ
「コントロールの喪失」による強迫的欲求のことを「渇望」という。渇望こそ
「やみつき」の原因。クスリにハマり込んでしまうと、クスリに対する欲求が
食物、水、睡眠など、生きていくために不可欠なものを求める欲求と同じにな
る。コカインにはまった人は、コカインを連想するような注射器やスプーンな
どを見せると「渇望」する。
「渇望」は条件付けで形成された記憶の1種なのだ。
ドーパミン神経の活動
おいしいものを食べているときはドーパミンは増えるが、これはじきに慣れが
生じ、ドーパミン濃度は増えない。新たなおいしいものがなければドーパミン
は増えない。ミルクをなめられるというときは増え、実際になめている最中は
むしろ減っていて、なめ終わると、次の機会を期待して濃度が上昇する。
「これからなにか起こる」という期待「予測の時期」と深い関係がある。
反応を続けさせるためには与える時間感覚を不規則にすればよい。いつもらえ
るかをわからなくしておくことが重要。意外性が必要。
       「人はなぜハマるのか」廣中直行氏(岩波科学ライブラリー)
★ミネラル
 今週の12日金曜日に、廣中先生の研究室をお訪ねする予定です。
興味ある方はご一緒に行きませんか。どんなおもしろい出会いがあるか楽しみ
です。行きたい方は matsumoto@jorien.com までご連絡ください。
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■『マンダラ』
★解  説
 「現代人にとって世界は2つある。自分を取り巻いて外に広がる世界と、自
分の中にある得体の知れない闇の世界。自分の外は科学技術の発達でわかった
ような気がするが、内は、目を閉じても自分の闇かどうかさえわからない人が
多い。そんな時代だからこそ、心の秩序を描くマンダラが関心を集める。
                    杉浦康平氏 朝日新聞2003.06.05

★ミネラル
 心の闇の投影がマンダラです。時々自分の心の闇をマンダラを通して感じる
時間が必要では。マンダラの塗り絵が本になって出ています。試してみてはい
かがですか。
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 ■『昭和史の教訓』
★解  説
 「昭和史の教訓は根拠なき自己過信」「日本人は集団催眠にかかりやすい」
「自分の力も知らず、物事は自分に都合よく動くという夜郎自大的な判断、起
きて困ることは起きないと言う発想」「小集団エリートの弊害、ある種のたこ
つぼ社会で、暴走しやすい」「猛烈な勢いで普及した携帯電話は、自分の嫌い
な情報をカットして好みの世界に没入できる。画面が小さいので短い言葉、勢
いのあるメッセージが伝わりやすく、論理的なプロセスが省略される。集団催
眠を演出する小道具として。政治家に利用されないか心配。」
                半藤一利さんに聞く 日経新聞2006.04.20

★ミネラル
 歴史の重要性をつい忘れがちになります。昭和史の教訓と、携帯電話、集団
催眠の可能性、つながっているのですね。歴史を鏡として、今をみることをし
ないと、同じ過去の失敗を繰り返すことになる。
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■『消えた人生論』
★解  説
 現代では人生論が消え、その代わりに登場したのが「ライフスタイル」だ。
「人生を破滅させるようにも生きられるが、ライフスタイルのコースにはそれ
はまったくない」「僕は経済を基盤として、人生を“国債化”し、29年後に豊
かさとして全額受け取るなんてことは、いやである」
                             赤塚不二夫氏

★ミネラル
 潔しの生き方で共感。おもしろい人です。おもしろい生き方をする人は少な
くなっています。おもしろい人生を生きたいですね。
「赤塚不二夫 これでいいのだ」のホームページもおもしろいですよ。  
 http://www.koredeiinoda.net/
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■『情報=生命』
★解  説
 物質、エネルギーに次ぐ第3の根源的存在が情報。情報とは、生物にとって
の「価値=意義」にほかならない。情報を生命活動と関係してみると、情報と
は本来、ズレをはらむ流動的な性格を持っている。情報を担うパターンと、そ
れを解釈するものとの間に成り立つ「ダイナミックな関係」が情報の本質。
つまり情報とは実体概念ではなく、関係概念。遺伝情報の流動的解釈こそが、
生物進化をもたらした。IT社会とは反自然的・刹那的・無機的な社会と見な
され、情報の「意味解釈」ではなく、情報の形式的・機械処理のためにせっせ
と働くようになった。
       西垣通氏 東京大学大学院情報学教授 朝日新聞 2003.05.19

★ミネラル
 情報とはその時々によっていろいろに解釈される流動的なモノであり、また
解釈する人によって、いろいろ異なる解釈が生まれる、関係的なモノなのだ。
情報をどのように解釈するかがクリエイティブでは。
                 日本オリエンテーション 主宰 松本勝英

★マイカレンダー 4月17日(月)?5月8日(月)    
コンサルティング、セミナー、名古屋への出張、企業の人たちといろいろな
ミーティングがあり有意義でした。 

19日(水)、20日(木)「商品開発プログラムのたて方<30+6>時間」セミナー。
55人で満席になりました。
55人×6時間、1日330時間をお預かりするということになるのでちょっと責任重
大でした。緊張もしました。
人間学をベースにヒューマンな商品を開発したいと考えています。
より良き生活道具の開発、より良き生活時間の開発、より良き生活空間の開発、
より良き生活方法の開発がテーマです。

21日(金)企業のマーケティング部門の部長、役員の方との語り合う場、「5人会」
があり、経験豊富の人たちならではの話し合いがあり、楽しく満足しました。
5人会ですが11人の参加になりました。
「今回も新しいヒントがたくさん頂けてうれしく思っています。何か、これから
このような気の通じ合った人々が集まること自体、すごいエネルギーを生み出し
そうです。」とのメールもいただきました。

この連休は、4月29日(土)から5月7日(日)までのタップリ連休でした。
遠出はせず、映画を見たり、事務所へ行ったり、ボクシングをみたり、企業の人
と食事をしたりのんびり過ごしました。
映画1「プロデュサーズ」ミュージカル・コメディーで楽しめました。
失敗しようとミュージカルをプロデュースしたのが成功してしまう話ですが、コ
メディーの楽しさは、現実に笑いの風穴を開けてくれることです。

映画2「ブロークン・フラワーズ」私の大好きな監督ジム・ジャームッシュのひ
さかたぶりの映画です。物語もおもしろかったのですが、ジム・ジャームッシュ
の魅力はシーンにあります。おもしろいシーンがたくさんで満足満足。

映画3「Vフォー・ヴェンダッタ」。「マトリックス」の生みの親ウォシャウス
キー兄弟の脚本、制作。おもしろかった。恐怖がファシズムを生む、今も気にな
る時代です、恐怖を煽る人たちには気をつけなければ。
イヴィー役(名前もいいですね)ナタリー・ポートマンがおしゃれでした。
丸坊主は、あまりいいとは感じませんでした。ヒューゴ・ウィービングのマスク
も魅力的でした。欲しいな、マスク。怪傑ゾロに重なりました。

映画4「寝ずの番」伊丹十三映画に重なる、手作り感が楽しみを生んでいました。
日本映画独特の愛嬌、ペーソス。たのしい日本映画でした。 
4本ともお薦めです。

最後は、企業の人たちと、ボクシング世界タイトルマッチを見に行きました。
ひさびさなので興奮、大きな声が出て、終わった後のビールがおいしかったです。
イーグル共和は強いです。


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 ■□■ 「MATSUMOTO・MINERAL」
 ■■■ 第160号 (2006/5/9) (c) 1999 Japan Orientation
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