1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモトミネラル」

マツモトミネラル第161号

配信日:2006年05月16日

第161号
『条件刺激』『アメリカの思想風土』『売上高営業利益率8.7%』『情報』『日産自動車「ティーダ」』


2週続けてのマツモト・ミネラルです。
続ける。20年ほど前から、朝5時に起きています。
この春からは4時おきにチャレンジしています。今はまだ起きてから10分ほど
ぼんやりしていますが、それを過ぎると快調です。
7時まで、本を読んだり、新聞を読んだり、メール(出来るだけ時間をかけない
ようにしていますが)をしたり、仕事のことを考えたり大変有効に使っています。
朝の1時間は普通の時間帯の2?3倍位の価値があります。
また、この3年エアロバイクを朝7時から40?50分、週に5日はやっています。
汗をたっぷりかいて、シャワーを浴びて、朝食。空腹で食欲旺盛。
体脂肪、心拍数が落ちています。体重、ウエスト変化なし。
3年、5年そして10年後の、健康貯金です。

■『条件刺激』
★解  説
 パブロフの条件反射に習って、条件付けによって反応を引き起こす力を獲得
するようになったことを「条件刺激」。夕方になり、赤提灯に灯がともり、鳥
を焼く煙が道路まで漂ってくると酒が恋しくなる、これが「条件刺激」。
薬にハマッテしまった人々の場合は「条件刺激」の影響は深刻。条件刺激はい
ろいろで、部屋の明るさ、動物から見た形、床の足触り、臭い、その他諸々の
複合体。
動物の生存に関わるようなことの条件付けはとても早く成立する。
       「人はなぜハマるのか」廣中直行氏(岩波科学ライブラリー)
★ミネラル
 マーケティングの仕事の一つは「条件刺激」を発見し、商品、コミュニケー
ション売り方の中に組み込んでいく。
商品を買いたい「条件刺激」は、心の空虚感は解消することでは。愛情的な
「条件刺激」を考えてみることも有効では。しかし、本来の愛情には勝らない。

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■『アメリカの思想風土』
★解  説
 アメリカの思想風土は建国以来、二面性を内包している。
一方はピューリタニズムの傾向。禁欲的蓄財を尊美、富は徳の表れと考える。
他方はジェファーソン(三代大統領)に代表されるリベラルな思考で、王権や
教会の権威に屈しない。
この二つの力の均衡の上に米国は動いてきた。
     エリック・シュローサー氏 ジャーナリスト 朝日新聞2004.3.14

★ミネラル
 これらの二つの伝統的なソフトパワーがアメリカの魅力です。しかし、現在
はこれの二つの力が低下して、アメリカは世界の不安要因になっている感じが
します。

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■『売上高営業利益率8.7%』
★解  説
 船井電機 利益率で圧勝。売上高営業利益率 船井電機8.7%、松下3.5%、
シャープ5.9%。総資本当期純利益率(ROA)10.75%、0.75%、3.4%。
売上高販管比率11.6%、25.6%、16.9%。
高収益を生み出す原動力は
1. 世界流通最大手である米国ウォールマート・ストアーとの安定した取引を
  基盤にした数量確保
2. トヨタ方式を改良した独自の低コスト生産方式
3. OEM戦略による販売管理費を低く押さえる「無駄の排除」
                        日経産業新聞2005.5.13

★ミネラル
 メーカーとは、付加価値力とブランド力の両方を有している。それに対して
製造業とは付加価値力があるが、ブランド力はない。
船井電機はモノの付加価値力に特化した製造業で、一つのビジネスモデルです。

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■『情報』
★解  説
 「情報は待たずに取りに行け、四六時中仕事のことを考えていると情報が欲
 しくなる。自分から現場に取りに行くことで最新の情報がわかる」
                        キャノン社長 御手洗氏

★ミネラル
 情報とは能動的なモノでは。問題意識に基づき、問いを発することが重要で
す。問いが出ると、解を求める情報が欲しくなります。今、問いを発する力が
弱まっています。

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■『日産自動車「ティーダ」』
★解  説 
 日産自動車「ティーダ」。小型車に高級感を持たせることによって、子育て
を終えた50?60代世代と、子どもがまだ小さい「団塊ジュニア」世代双方  
の支持を得た。人口構成の中でもっともボリュームの大きな層。この二つの層
は、「生活スタイルの質にこだわり、充実した時間を過ごしたいと考え、一方
では『飾りすぎないのがおしゃれ』という考えている人」
日産商品企画本部商品企画室チーフ・プロダクト・スペシャリスト松本秀二氏
                        日産産業新聞2004.12.29

★ミネラル
 複眼のターゲットの捉え方としておもしろい。二つのターゲットの要求を魅
力商品に出来ると大きな商品になる可能性があります。複眼のターゲットを考
えてみましょう。
                 日本オリエンテーション 主宰 松本勝英

★マイカレンダー 5月8日(月)?5月12日(金)    
この1週間、コンサルティング、講演、「健康Mの会」と企業の人たちとこれ
からの仕事提案、打ち合わせなど。 

企業の方々と話をしていて感じることは、
・いま、潮目が変わってきているのではないかという認識。資源、価値観の変化
をどう取り込むか。
・カオスの中でどのような変化を引き抜くか、強い固有技術とどう結びつけるか
・選択集中で、真の強者ブランドをづくり。まずは強い商品をより強くです。
・カテゴリの境目が曖昧になってきている。カテゴリーキリングの展開を。
・社内のベンチャーマインドを高める。

11日(木)「健康Mの会」。企業の方々が参加し、健美について。健康と美の訴
求の重要性と、美の捉え方、また、爽健美のコンセプト作りについて。
12日(金)企業の方、客員研究員と共に科学技術振興機構・戦略的創造研究推進
事業の下條潜在脳機能プロジェクト・嗜癖行動研究グループ 廣中さんをお訪ね
して、嗜癖と嗜好についての話を聞き、ディスカッションをしました。
嗜癖と嗜好について、報酬系に先立つ脳幹の役割について、大変興味を持ちまし
た。
パチンコにハマるメカニズムなどの話も興味津々でした。
4時から9時過ぎまで、お酒を飲みながらの楽しい時間でした。感謝。

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 ■□■ 「MATSUMOTO・MINERAL」
 ■■■ 第161号 (2006/5/16) (c) 1999 Japan Orientation
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