1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモトミネラル」

マツモトミネラル第165号

配信日:2006年07月18日

第165号
『イノベーションが民主化する』『商品の超寿命化率』『人口減少社会と農』『日本ビジネスに3C期待』『ドラッカー「イノベーションと企業家精神」』


暑中お見舞い申し上げます。

まだ梅雨明けしていないのに、酷暑です。
緑陰の涼しさ感じて、ビールを飲みながら本でも読みたいですね。

今回は、イノベーションをテーマに、私のメモから引っぱり出してみました。

■『イノベーションが民主化する』
★解  説
 「イノベーションが民主化する」ユーザー自身イノベーションを手がけるよ
うになってきた。潜在顧客が、メーカー開発製品よりユーザーが開発した製品
を好む。自分たちのニーズを訴えかけるだけでは飽きたらず、さらに先を行く
リードユーザーが存在する。
彼らは自分の欲しいものを自分で発明し作り上げる。
そしてリードユーザーが開発した新製品が、ターゲット市場で明日欲しがられ
るケースが多い。
スケートボード、ウインドサーフィン、スノーボードはどれもスポーツ用品メ
ーカーではなく先端ユーザーが開発した。人工心肺も医療器メーカーではなく、
先端ユーザーである医師だった。先端ユーザーと共同で開発。
レゴ社は先端ユーザーによるイノベーションを取り入れた。ユーザーのコミュ
ニティーで生み出されるイノベーションを見守り、先端ユーザーと協力して製
品開発をする方法を学んでいる。ユーザー・イノベーションに必要なツール、
ビジネスモデルが次第に広く理解されるようになった。
         エリク・フォン・ヒッペル マサチューセッツ工科大学教
                          日経新聞2006.01.27

★ミネラル
 リードユーザーの内なる興味、想いがイノベーションのチャンスでは。これ
からは、ユーザーとの価値共創が重要になる。新しい価値共創の仕組みをどう
作るかがこれからの課題です。

■『商品の超寿命化率』
★解  説
 「商品の超寿命化率」使い捨てない電池、三洋電機の充電式ニッケル水素電
池「エネループ」1個500円、充電1回あたりのコストが6円。(オフィス通販で
は1本20円) 携帯型音楽プレーヤーやゲーム機のハードユーザーに支持。
石塚硝子の独自に開発したガラスコーティング技術「MUC」によって、軽量
化と耐久性を高めた牛乳瓶、200ミリリットル瓶で42グラム軽い140グラムを実
現、利用回数もこれまでの平均40回から80回に倍増。「商品の超寿命化率」企
業のCSR(企業の社会的責任)を測る指標のひとつになるのでは。
                          日経MJ2006.04.09

★ミネラル
 商品の超寿命は社会的価値としての環境と、個人的価値としての、めんどく
さくない(エコノミー)を合わせたメリットが魅力では。
社会的価値AND個人的価値の,AND化はイノベーションにつながってくる
のでは。まだスタート段階ですが。
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■『人口減少社会と農』
★解  説
 人口減少社会 木村尚三郎さんに聞く 「成長が止まった社会は江戸時代と
同じ。明日ではなく今日に関心が向いて文化が花咲く「新・江戸時代」になる
可能性がある。今後20年、30年たったとき、「新・江戸時代」ともいうべき文
化・芸術大国日本になっている可能性が十分ある。農業における美意識が非常
に信頼度の高い商品を生んでいる。「ひとりぼっちでは生きにくい時代になり、
人とのつながりがいっそう求められる。その鍵になるのは心を開かなければ出
来ない「農」だ」家族や仲間と楽しむ生活へ。
                   木村尚三郎氏 日経新聞2005.01.10

★ミネラル
 不易流行の、流行のところだけにイノベーションのチャンスがあるのではな
く、不易にもイノベーションのチャンスがあるのでは。
自分たちの足元を見つめ、よいところを深く掘り下げてみることもイノベーシ
ョンのチャンスになる。
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■『日本ビジネスに3C期待』
★解  説
 日本ビジネスに3C期待 
 1.Caution(注意)インフレに対して慎重になろう。
 2.Compassion(思いやり)伝統的な日本型経営スタイルを完全
   に失わない。儲け主義と理想を掲げる中道を歩むチャンス。
 3.Culture(文化)日本文化をヒントとした商品開発。風呂文化、
   畳、炭、美しい染めや織りの着物、郷土料理などの。
  ブルース・ホルコム氏 ホルコム・アソシエイツ代表 日経新聞2006.01.04

★ミネラル
 日本独自のイノベーションのスタイルを発見・開発をすることがおもしろそ
うだ。外だけを見るのではなく、内の良さを再発見しよう。
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■『ドラッカー「イノベーションと企業家精神」』
★解  説 
 体系的で、マネジメントされれば、イノベーションのリスクは必ずしも大き
なものではない。
イノベーションとは、資源の創造、富の創出能力の増大、新聞や保険などの社
会的イノベーション、需要と供給のイノベーション。
イノベーションのための7つの機会
1.予期せぬことの生起。予期せぬ成功、予期せぬ失敗、予期せぬ出来事。
リスクが少ないイノベーション。予期せぬ成功を認める勇気が必要。
異常として拒否してしまう可能性が高い。
自らの過誤を認め受け入れる能力もマネジメント。
気づかない成功に気をつける。一般的には、問題が起こったことに注意が向か
ってしまう。予期せぬ成功が定性的なものであれば数字はその存在さえ教えて
くれない。予期せぬ成功は兆候である。何の兆候か分析しなければならない。
イノベーションのための機会であるだけではなく、それはまさにイノベーショ
ンのための機会である。
 予期せぬ成功が必ず目に留まる仕組み、注意を引く仕組みを作る。
 ・これを機会として利用することは、我が社にとっていかなる意味があるか。
 ・その行く先はどこか
 ・そのために何を行わなければならないか。
 ・それによって仕事の仕方はいかに変わるか。
 予期せぬ失敗
 ・予期せぬ失敗もイノベーションの機会。慎重に計画し、設計し、実施した
 ことが失敗したときにはその失敗は機会の存在を教えることが多い。全体が
 現実と乖離している、顧客の価値観や認識の変化、同じものを買っているが、
 違う価値を買っているのかも、かってひとつの市場、ひとつの最終用途であ
 ったものが、全く異質の二つの、あるいはそれ以上の用途に分かれてしまっ
 ている。
 ・予期せぬ失敗時は、外へでて、よく見、よく聞くことである。
        ドラッカー「イノベーションと企業家精神」ダイヤモンド社

★ミネラル
 イノベーションのための7つの機会の2以降は次回に掲載します。
イノベーションのチャンスは、企業の内と外の両方にある。内の変化はとかく
見逃しがちであり、外の変化もなかなか気づかない。危機意識を強く持つ、い
ろいろな人たちと会う。変化への構えが重要では。
                 日本オリエンテーション 主宰 松本勝英

★マイカレンダー 7月3日(月)?7月16日(日)    
コンサルティング2社、商品開発エンジン「THE SOLUTION」のプ
レゼン、健康Mの会、織縁亭(おりえんてい)、夜の会食3、打ち合わせ、
ディスカッション7社、美術館1館など。

コンサルティング
・健康テーマのコンサルティング、日常の生活の中に落ちる健康訴求商品でな
 いとライフサイクルが短い。このことをどう解決するか。
・生活研究のコンサルティング。生活研究から、ベネフィットへどう飛躍させ
 るか。

商品開発エンジン「THE SOLUTION」プレゼン
社外開発エンジンで、社外取締役、アドバイザリー・ボードのようにかっこよ
く役に立つように。
健康食品は化粧品学べ。健康ネガティブを解消するだけでなく健康ネガティブ
を解消した後の健康ポジティブの提案などの話をしながらプレゼンをしました。
ご興味ある方はお問い合わせください。

日本オリエンテーション主催の会
・「健康Mの会」満員の盛況でした。カロリーオーバーで豊かな食経験を持っ
 ているターゲットに、低カロリー食をどのように提案するか、おもしろいテ
 ーマでした。
・ 「織縁亭(おりえんてい)」手打ち蕎麦を味わう会です。マーケティングの
 つまみで、おいしい手打ち蕎麦を食べました。8月末に開催予定です。

企業の方々との話し合いで
商品の購入動機開発、5感を楽しませる、意図的2位の選択軸開発など。

15日(土)酷暑のなか、東京国立博物館へ。
伊藤若冲の「若冲と江戸絵画展」を見に行ってきました。
昔から気になっていた、江戸の画家です。
描くテーマ、表現の仕方、絵のリズム、構図、色使い、すべて凄い。江戸時代
にこんな人がいたのだ。革命家です。ぜひぜひ、見に行って下さい。
「ハマリごと伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)」のサイトをご参照下さい。
 http://park5.wakwak.com/~birdy/jakuchu/index2.html


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 ■□■ 「MATSUMOTO・MINERAL」
 ■■■ 第165号 (2006/7/18) (c) 1999 Japan Orientation
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