1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモトミネラル」

マツモトミネラル第169号

配信日:2006年09月19日

第169号
『日本列島人を惹きつけてきたもの』『教養主義』『企業を測る尺度』『ミスマッチ』『メタ・ソフト・パワー』


「叡智」という言葉が大変気になっています。
「英知」ではなく「叡智」です。
「えいち」を、広辞苑で引くと「英知・叡知・叡智」。意味は、深遠な道理をさ
とりうるすぐれた才知。
「叡智」には「英知」と比べて、東洋的で、全体的で、歴史的な意味合いを持っ
ている感じがします。
「出現する未来」ピータ・センゲ(講談社)の「叡智に基づく科学」(p224
?253)で、人間が技術から得た力と叡智の溝を埋めなければ将来に望みがな
いと、人間の叡智の重要性が指摘されています。
「叡智」の理解の手始めとして、「叡智」の「叡」という字が書けるように何回
も書いてみました。「叡智」へのスタートです。

■『日本列島人を惹きつけてきたもの』
★解  説
 日本列島人を惹きつけてきたもの
1,四季の変化 2,鎮魂のこころがまえ 3,縁起にまつわる言説 最後は、
気配に対する関心の強さ ヒトやモノの気配をいち早く察知して生活を整える、
風の気配、虫の身じろぎの気配、季節の変化を鋭く予見する、相手のさりげな
い振る舞いから何らかの情報を得ようと心を砕く、微少な予兆を捉えて、凶を
避ける吉を呼び込もうとする習性。肝心なことはそのどれか1つを決して突出
させないこと。
山折哲雄の宗教つれづれ 読売新聞2006:06:13
★ミネラル
 深い指摘です。微少な変化に対する鋭敏な感覚を磨く、そして決して1つを
突出させない。なかなか出来ないことですが、これからのマーケッターとして
の構えでは。
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■『教養主義』
★解  説
 人生論的教養主義 年配層が古典を読みかじり、映画の名作鑑賞に励む。か
っての教養主義は「背伸びする文化」だった。しかしいまの動きは背伸びしな
い教養主義。長いサラリーマン生活を終えたか、その終わりが見え始めた人が、
時間的にも金銭的にも余裕が生まれ、これまでの自分の人生の意味を考えるよ
うになった。「教養主義の没落」(中公新書)「やり直し教養講座」(NTT
出版)「グロテスクな教養」(ちくま文庫)教養アゲイン
                        日本経済新聞2005:07:22
★ミネラル
 自分がどう生きてきたのかを内省するための、教養主義には共感。私も今古
典に大変興味を持ってきています。成熟している日本では、若い人も含めて教
養=徳を深める必要があるのでは。
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■『企業を測る尺度』
★解  説
 1. 市場における地位:ナンバーワン、ナンバーツーの商品
 2. イノベーション:イノベーションの着手から製品化までの時間。またイ
   ノベーションを成長市場に集中すること。
 3. 生産性;生産要素が生み出す「付加価値」をそれぞれの要素で高める。
 4. 流動性とキャシュフロー:十分なキャッシュフローがあれば利益が出な
   くとも長い間やっていける。
★ミネラル
 測定できる断片で企業を評価してよいのか気になります。測れないことがこ
れからは重要になってくるのではないでしょうか。全体を評価するにはどうす
るのか、これからの課題です。
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■『ミスマッチ』
★解  説
 ここにもミスマッチが
いちご大福、さばカレー、納豆トースト、かつカレーラーメンに、りんごバタ
ー。
一見相性が悪そうな組み合わせによって意表をつき成果を狙う「ミスマッチ」
の手法である。
ミスマッチの驚きが通用するのは最初の数回だけ。シルクのブラウスにジーン
ズの組み合わせも、女警官の制服に深いスリットというアレンジも、当初こそ
新鮮なミスマッチとして脚光を浴びたが、今ならば「それで?」でおしまい。
ミスマッチという手法自体がマンネリ化していた。ところが、最近久々に、感
動的なミスマッチに出会った。「ゴスロリ」である。「ゴシック」と「ロリー
タ」という一見無縁に見えるテイストを組み合わせた、特定少数の女の子が夢
中になっているファッションでもある。
かわいいルックスと、ごつくて怪しい名称の、ぞくっとするようなミスマッチ。
これぞ名が体を表す、完ぺきなネーミングではないか。
中野香織(服飾史家)日本経済新聞2001:08:31

★ミネラル
 ワクワクするミスマッチと定着するミスマッチはクリエーションです。
朝日新聞の中野香織氏の記事もおもしろいですよ。
(何曜日なのか失念 夕刊、ファッションページです)
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■『メタ・ソフト・パワー』
★解  説 
メタ・ソフト・パワー ジョセフ・ナイ教授は、アメリカには自らを批判で
きる「器の大きさ」や「自省力」があり、それこそがアメリカの魅力や活力の
源泉であるという意味で、あえて「メタ」と称したようだ。今アメリカはその
メタを失いつつあるのでは。また、靖国問題などで、日本のソフト・パワーが
喪失してしまうことへの懸念がアメリカにある。政治が「魅力と正当性と信頼
性を巡る競争」(ナイ教授)になりつつある中で、メタ・ソフト・パワーのよ
うな強靱さを示していくことが、中長期的な視点に置いて、国力や国益の源泉
になるのでは。
                          朝日新聞2006:04:24
★ミネラル
 覇権的、アメリカ資本主義がグローバル世界の中で喘いでいるように感じま
す。アメリカは「不安の時代」「分裂の時代」を迎えているのでは。

                 日本オリエンテーション 主宰 松本勝英

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★マイカレンダー 9月4日(月)?18日(月)
4日(月)手打ち蕎麦の会「織縁亭(おりえんてい)」Wさんの手打ち実演。
打ち立てはおいしい。当日のつまみは、山形鶴岡白山の、だだ茶豆、玉子焼き、
発酵豆腐、会津のお酒。次回は10月に開く予定です。
5日(火)社内セミナー「商品コンセプト開発ー身につける」演習でコンセプ
ト開発を実際にやってもらう。

6日、午前中コンサルティング打ち合わせ。既存商品の需要創造戦略について。
午後コンサルティング。NBブランド開発について。
7・8・9日で関西出張。セミナー参加者の懇親会、関西PF会に出席。
9日客員研究員と、京都木屋町の「菊乃井」昼食。

11日(月)鼻からの胃カメラ。初めての体験、楽でした。異常なし、まだ胃
は健全でした。セミナー「商品開発大全」打ち合わせ。
12日(火)健康マーケティングウンセリング。夜、健康をテーマに企業の人
と会食。

13日(水)Delightについて研究会の打ち合わせ、「生活ナレッジ」
に基づく商品戦略について、夜、化粧品、大学の先生と会食。化粧品メーカー
を買って、おもしろい企業に再生したなどおもしろい場でした。
14日(木)風邪気味、16,17,18日は風邪でダウン。風邪をひくと1
週間は治らないですね。今日もまだ残り風邪。
15日(金)日本オリエンテーションのネットがダウン。てんてこ舞い。午後
はコンサルティング。コンセプト開発の切り口開発。


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 ■□■ 「MATSUMOTO・MINERAL」
 ■■■ 第169号 (2006/9/19) (c) 1999 Japan Orientation
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