1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモトミネラル」

マツモトミネラル第170号

配信日:2006年10月03日

第170号
『成熟』『雨上がり』『強い食品企業』『デモが映す世界の不安心理』『国是、国訓』


「芸術新潮」8月号で、韓国 未知の美と出会う旅の特集がありました。
李朝のルーツ 全州、開岩寺のドラゴンの木彫り、など韓国の百済の旅への誘い
です。
来年の春には、韓国の百済を訪ねる「行こうよ」へ行きたいと考えています。
今年は11月22日から27日まで、企業の方6人と、ベトナムへ「行こうよ」
へ出かけます。フエ、ホイアン、ホーチミンで、食と文化を堪能してこようと思
っています。
10月7,8,9の連休、航空チケットが取れれば、旭山動物園、ニセコ、函館
へ行きたいと思っています。
みなさんも「行こうよ」へ行きませんか。

■『成熟』
★解  説
 社会の成熟が個人の未熟を招いた。生活の技を持たなくとも衣食住が手には
いる。豊かさ故に、自分探しの余地ができて、結局は自分でなにも決められな
い未熟さが目立つ。
成熟社会とは豊かな停滞で、新しい価値軸が出てこなければ混乱はなくならな
い。
成熟する方法は、社会性の基本である快楽を他者と共有する装置。食である。
農業から料理まで、食を自らの手に取り戻し、そこに生活の基盤をおくことで
経済的にも社会的にも安定感を持つ社会にすること。生き物という側面に注目
した食と人間の特有な文化の組み合わせで成熟社会が作り出せないか。
           「今を読み解き」JT生命誌研究館館長 中村桂子氏
★ミネラル
 生活の能動化が必要では。成熟化の中ですべてが受け身的生活になっている
ことにより生活力、生命力が希薄化している。生活の中に、生み出す、育てる、
食べる、そして快楽(けらく)を感じるプロセスを入れないと、人間は弱って
いくのでは。
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■『雨上がり』
★解  説
 日本の山河が最高の美しさを見せるのは雨上がり、と紀行作家の宮脇俊三氏
が指摘している。日本人の心性の根ざした美の光景は、湿っぽい幽遠さにあり、
もやであり、日本の代表的な絵画は今も雪舟の山水図とされる。
★ミネラル
 わかる感じがします。私は雨上がりの晴れた朝が、さわやかで大好きですが。
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■『強い食品企業』
★解  説
 食には「安全な食」「健康の食」「楽しむ食」という要素があり、それぞれ
で新しい需要を創造、提案する力を備え、それを体質化していること。
需要創造の指標として、売り上げにしめる新事業・商品の増加分で、10-
20%が目標。これが2-3%では売り上げが落ち、30%以上だとリスクが
大きくなる。
これからは中食の世界が大きく広がる、素材を買い、3度の食事を作ることは
女性の犠牲の上に成り立っている、また団塊世代が退き2人暮らしが増える。
料理の手間がかけられない、調理法が変わる、惣菜やハーフメードを買ってき
て調理する。単なる冷凍食品、弁当的なものより高品質で簡便なものが求めら
れる。スーパーも外食産業も参入する。食品企業として、ローリスク・ミドル
リターンをめざす。営業利益率は5%がその及第点。
               カゴメ社長 喜岡浩二氏 日経MJ2006.3.20
★ミネラル
 成熟市場の食品業界の成長戦略である。需要創造テーマの開発、時代・市場
・生活価値観の変化を捉える。ローリスク・ミドルリターンは成長戦略か、生
き残り戦略なのかちょっと気になります。
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■『デモが映す世界の不安心理』
★解  説
 デモが映す世界の不安心理 フランスの雇用政策反対100万人デモ、イギ
リスの地方公務員100万人スト、ドイツの労組ストなど、長年享受してきた
安定が急激に崩れ人々は落ち着かなくなっている。
二つの危機、一つは低成長や高齢化という現実の中で抱く将来の悲観、もう一
つは頼るべき政府や企業への信頼の喪失。
米国のヒスパニック系移民が移民規制強化法案に対する反対デモ。
今回のデモは、グローバル化と国際競争の先頭に立っている米国で、こうした
寛容さに基づく安定が失われつつあることへの抵抗ともとれる。
                    地球回覧 日本経済新聞2006.4.18
★ミネラル
 不安の時代に寛容を求める、難しい課題です。日本から「もったいない」と
「寛容」の精神を世界に発信していきたいですね。
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■『国是、国訓』
★解  説 
 日本の将来は過去の歴史から考え、こうあるべきだという国家目標を持たな
い。
松下幸之助は、日本精神をよみがえらせるには、民族の衆知を集めることが
第一、和を以て貴しとなすという、聖徳太子17条の憲法の第一条にあげら
れた理念が第二、他国の文化、風習が入ってくるとこれを吸収し、日本独自の
伝統の主座を明け渡さないことが第三であると指摘。
               津本陽氏 日本経済新聞 経済教室2003.8.6
★ミネラル
 どのような国になるかが国民の生活を大きく左右します。知恵の結集と和を
尊ぶ、そして伝統と吸収。納得する国の国是、国訓では。

                 日本オリエンテーション 主宰 松本勝英

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★マイカレンダー 9月19日(火)?10月2日(月)
9月14日からの風邪が治らず、2日現在まだ風邪気味です。今年の風邪は高
熱が出るわけではありませんが、咳が長く、治りかけたなと感じてからも、ぶ
り返し、長くなります。2日から、エアロバイク再開。
19日(火) コンサルティング。成熟商品の需要創造のコンセプト開発。
日本オリエンテーションの「商品コンセプト開発の三角形」を有効に活用して
くれていて、うれしいですね。
20日(水)動画配信の企業の方がお見えになり、企業のマーケティングに動
画配信を。これからの動画活用についての知恵開発。
興味ある方がいれば、今の最先端をプレゼンしてもらうことも可能です。
第5回「商品開発大全」セミナーへ行き、研究・開発者のマーケティング基礎
編。マーケティングと技術の両輪がまわると成功の可能性が高まるのでは。

21日(木)松山へ出張、社内教育。コンセプト開発の演習1回目。
22日(金)第5回「商品開発大全」セミナーへ行き、客員研究員のデータ解
析の話を聞く。企業で役立つ分析の考えがよかったです。
23日(土)24日(日)風邪で休養。

25日(月)第5回「商品開発大全」「商品開発のための『感性力』セミナー」
講演・演習。情報感知能力を高め、クリエーションの方法と、的確に表現する
ことのレクチャーと演習。満席で、数名お断りをしてしまいました。またの機
会にぜひご参加ください。
26日(火)風邪が治らず、早退。

27日(水)28日(木)「商品開発プログラムのたて方<30+6>時間」
セミナー。2日間で12時間の長丁場。参加企業のケース事例発表もあり咳を
しながら無事終了。27日は、セミナー参加者とセミナー終了後、焼酎で一杯
久方ぶりのお酒でした。
29日(金) コンサルティング。健康商品の、トライアル、リピート、ロイ
ヤル化のフックをどう作るか。トライアルも重要ですが、健康商品は、実感感
が感じられずリピートが得られないのが問題。その解決策を。
午後2社の企業の方が来社。顧客購買代理人としての通販、新業態開発として
の通販のビジネスモデルについてと、B2Bとしての、業務市場の開発につい
て。

土・日朝一番1人で映画を見るは、せき込まないかと心配しながら、2本。
「キンキーブーツ」イギリスの倒産しそうな老舗の靴メーカーがドラッグクイ
ーン(ゲイの芸人)のデザインと協力で再生する映画です。イギリスの俳優に
よるイギリスぷんぷんの映画です。ドラッグクイーン(ゲイの芸人)という異
界の感性がすばらしい。音楽も踊りもセクシーでよかったです。大変おもしろ
いイギリス映画です。
「カポーティ」作家トルーマン・カポーティの「冷血」を書き上げたときの伝
記映画。
カポーティ役のフィリップ・シーモア・ホフマンの爬虫類感のある甲高い声が
印象的。作家の嫌らしさとすごさを感じました。ぜひご覧ください。


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 ■□■ 「MATSUMOTO・MINERAL」
 ■■■ 第170号 (2006/10/3) (c) 1999 Japan Orientation
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