1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモトミネラル」

マツモトミネラル第171号

配信日:2006年10月17日

第171号
『アイスクリームDELIGHT』『遊び』『気づき』『人間とは何か』『錯覚に見る人間の本性』


ひさしぶりにディック・フランシスの競馬シリーズ「利腕」を読みました。
ディック・フランシスの競馬シリーズはイギリスの冒険小説で、男の強さ、弱さ、
寂しさ、格好良さをワクワク読ませてくれて、大好きなシリーズです。
今回の「利腕」は、有名な騎手だった片腕の調査員、シッドハレーが競馬界の悪
と、離婚した元の妻の災難を救う物語で、自己を律するストイックな男の物語で
す。
物語の中ではよくウイスキーが登場します。傷ついた心を慰める時、肉体的な苦
痛に耐える時など、ウイスキーは心と体のきつけ薬になっています。
いいウイスキーをストレートでグィーと飲みたいですね。秋でもあるし。

■『アイスクリームDELIGHT』
★解  説
 米アイスクリーム大手、日本で好調 零下9度に冷やした石の上で、歌を歌
いながらアイスクリームにフルーツやチョコレートを混ぜ込むパフォーマンス
をする、コールド・ストーン・クリーマリー社。創業した夫妻はまず、毎日新
鮮なアイスクリームを作ることから始めた、お客さんにより喜んでもらうため
フルーツなどを混ぜ合わせてカスタマイズが加わった。お客さんがよりハッピ
ーな体験を出来るよう、少しずつ改良して現在に至っている。
                          日経MJ2006.03.31
★ミネラル
 一度食べてみたいと思っていますがまだ未経験です。
魅力ある商品を、魅力ある方法で提案する。
これからは商品の生活提案の仕方が重要です。
生活DELIGHT商品をDELIGHTに提案する。
日本オリエンテーションでは、生活DELIGHTのコンセプト開発を提案し
ています。
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■『遊び』
★解  説
 時代によって違うが、「遊び」というものは体を楽しませて遊ぶのと、知識
で遊ぶものがある。演者は身振り手振りに歌を組み合わせ、演技で楽しみを見
いだすが、見る方は「先代はこうだった」とか知識の蓄積の中で遊ぶ。
                    市川団十郎 読売新聞2006.04.13
★ミネラル
 体と知識を合わせた遊びがこれからは重要では。旅は、行く前の情報を入手
する楽しみ、行って体を動かす楽しみ、そして帰ってきてみんなで話す楽しみ。
旅は楽しく遊ばせてくれます。
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■『気づき』
★解  説
「大きな宝のそばをたまたま通りかかる・・・大部分の人は、気づかずに通り
すぎてしまう」「皆が気づかない宝がすぐそばに落ちているのに気づく」人こ
そ、立派な研究者。この気づく力を「視力」と呼んでいる。視力は、なんの役
に立つかわからなくても幅広く知識をどん欲に吸収し、自分の中に体系化する
ことから生まれる。(故月田承一郎 京大教授)
脚気を解明したのは日本人ではなく、インドネシアで研究し後にビタミン発見
でノーベル賞を受賞したオランダ人エイクマンだった。糠(ぬか)の効用に気
づいたのはその後だった。
                       朝日新聞2006.05.02
★ミネラル
 あとで気づくことがよくあります。先に気づくことはなかなか難しいのが現
状です。変化に敏感な構えが必要では。ちょっとした変化を気にする。
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■『人間とは何か』
★解  説
 人間とは何か 人間とは「中間的存在」。「天使と悪魔」の中間であり「広
大な宇宙と微少な原子」の中間でもある。「だからこそ、人間は高慢さを捨て、
感謝と責任感を持って生きないといけない」憲法学者 小林直樹。
対して、小原秀雄氏(哺乳類学)は自然の中にいる「ヒト」に光を当てる。ヒ
トが進化し、文明を築き上げてきたプロセスを「自己家畜化」と位置づける。
ヒトは手の延長として道具をつくり、その道具から派生したモノに満たされた
人工的世界の中に自らを囲い込んできた。その囲いとの相互適応により種とし
て個体数を増やし発展したのだが、その進化には影もあると読み解く。
         「総合人間学会」が誕生。単眼複眼 朝日新聞2006.07.11
★ミネラル
 人間学が重要です。人間をどのように捉えるか。人間学アカデミーが始まっ
ています。   興味ある方は http://www.ittsy.net/academy/
10月21日(土)人間学アカデミーを聞きに行く予定です。
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■『錯覚に見る人間の本性』
★解  説 
 錯覚に見る人間の本性。認知の偏りで社会は動く。
心の操りには不安も。脳ブームは錯覚 「脳ブームに限らず、今の世の中は錯
覚であっても誰も気づかずに、錯覚が現実化します。みんなが同じように錯覚
や認知の偏りをもとに動くから錯覚にリアリティー(真実性)がでて、世の中
が動いてしまう」「錯覚は勘違いとは違う。勘違いなら間違いを教えれば、認
識は改まる。しかし、錯覚になると、理屈を教えられて原理がわかっても修正
されない。知覚機能の誤作動でも錯誤でもない。知覚機能が正常に働いている
のに、入力情報が乏しいために起きるのが錯覚」
視覚と聴覚の両方が絡む錯覚。
光を一瞬光らせ、音を連続的に二回鳴らすと、二回光って見えてしまう。脳は
見聞していることを遙かに越えて解釈する。とっさに判断を迫られたときに、
確率的によりよい選択をするよう淘汰の圧力を受け、錯覚を起こすようになっ
た。
「今の世の中は、快感をもたらす脳神経系の活動を最大にするのがリアルとい
う方向に走ってしまう。その活動を最大にするとナウいとか、かっこいいとか
の反応につながる。これを意図的に強調するのが若者文化で、『オタク』も
『キャラ萌え』もこの流れ。」
脳内の快感刺激を刺激するための技巧が考え出されている(ハイパーニューラ
ルリアリズム)。
かってのフォトリアリズムという絵画の技法がはやった。縁取りを誇張し鮮明
な感じに仕立てると、写真以上に写真ぽい。視角神経系には縁取りが強調して
あると反応する神経があり、それを刺激する手法。
                下條信輔さんに聞く 日経新聞2006.07.13
★ミネラル
 時代は、錯覚で動いているのでは。マーケティングと錯覚、政治と錯覚、い
ろいろな錯覚づくりが行われているのでは。健康ブームもひとつの錯覚では。
                 日本オリエンテーション 主宰 松本勝英

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★マイカレンダー 10月2日(月)?10月16日(月)
10月6日と7,8,9の三連休で、旭川の旭山動物園、北海道土地値上がり
トップのニセコ、そして、行きつけの店が三軒ある函館に行って来ました。
旭山動物園は、「動物」の「動」と「物」の間に「く」を入れて、「動く物」か
ら「行動展示」を考えたということですが、オランウータンの上空散歩、ペンギ
ンの泳ぐ姿が間近に見える、またあらゆる動物がいろいろな視点から見えるよう
な工夫がされていて大人も楽しく、おもしろい。
動物の本能を生かして、自然に近い空間を開発している努力は共感。
人間ももっと本能的生活が出来る空間が必要では。
働いている人たちが想いを持って仕事をしているのを間近に見ました。

この期間は、コンサルティング3件。成熟市場の活性化。成長市場の切り口開発。
新規プロジェクト打ち合わせ2件。テーマは、新カテゴリー商品開発。情感知能
力を高める社内教育について。両テーマともおもしろいテーマです。

12日(木)社内の人間と、パッケージ、ネーミング探検隊へ。店頭にはおもし
ろいヒントが満載です。13日(金)ある企業の工場見学。生産の現場はいつも
びっくり、おもしろい。

土・日の一人映画を見るは、「魚と寝る女」の韓国のキム・ギドク監督の「弓」
を見ました。老人と少女の愛の映画で、生と死、そして性をテーマに、極力会話
をそいで、象徴的に表現した映画です。しかし、うまく描き切れていなくてちょ
っと退屈でした。「魚と寝る女」はおもしろかったのですが。


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 ■□■ 「MATSUMOTO・MINERAL」
 ■■■ 第171号 (2006/10/17) (c) 1999 Japan Orientation
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