1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモトミネラル」

マツモトミネラル第196号

配信日:2007年10月02日

第196号
『Stay hungry, stay foolish』『多量消費とリメーク』『ユニリーバの新宣伝戦略』『プレミアム市場』『各国のビジネスモデル』


9月22日(土)?24日(月)伊豆の松崎に、カヤックに乗りに行ってきました。
水面にピッッタリくっつき、波の揺れを直接感じ、ミズスマシ感覚を満喫して
きました。
自然と一体感になった気持ちよい刺激でした。

■『Stay hungry, stay foolish』
★気づき
スティーブ・ジョブズの話
私が若い頃、“The Whole Earth Catalogue(全地球カタログ)”というとんでも
ない出版物があって、同世代の間ではバイブルの一つになっていました。
それはスチュアート・ブランドという男がここからそう遠くないメンローパークで
製作したもので、彼の詩的なタッチが誌面を実に生き生きしたものに仕上げていま
した。
時代は60年代後半。パソコンやデスクトップ印刷がまだ普及する前の話ですから、
媒体は全てタイプライターとはさみ、ポラロイドカメラで作っていた。
だけど、それはまだグーグルが出る35年前の時代に遡って出されたグーグルの
ペーパーバック版とも言うべきもので、理想に輝き、使えるツールと偉大概念が
それこそページの端から溢れ返っている、そんな印刷物でした。
スチュアートと彼のチームはこの”The Whole Earth Catalogue”の発行を何度か
重ね、コースを一通り走り切ってしまうと最終号を出した。それが70年代半ば。
私はちょうど 今の君たちと同じ年頃でした。
最終号の背表紙には、まだ朝早い田舎道の写真が1枚ありました。君が冒険の
好きなタイプならヒッチハイクの途上で一度は出会う、そんな田舎道の写真です。
写真の下にはこんな言葉が書かれていました。
「Stay hungry, stay foolish.(ハングリーであれ。馬鹿であれ)」。
それが断筆する彼らが最後に残した、お別れのメッセージでした。
「Stay hungry, stay foolish.」それからというもの私は、常に自分自身そう
ありたいと願い続けてきた。そして今、卒業して新たな人生に踏み出す君たちに、
それを願って止みません。
Stay hungry, stay foolish. ご清聴ありがとうございました。
【ジョブズの卒業祝賀スピーチ】2005年6月12日 スタンフォード大学
★ミネラル
Stay hungry, stay foolish.(ハングリーであれ。馬鹿であれ)。
70歳に向かって、もう一度チャレンジをしてみたい気にさせます。
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■『多量消費とリメーク』
★気づき
マルタン・マルジェラのブランド「アーティザナル」。そのコンセプトは古着を
解体して新しい服へとリメークすること。リメークは使い捨てられてしまうことに
対するアンチテーゼ。
★ミネラル
リメークとハイ・ファッションのAND化でおもしろいコンセプトです。興味ある方
はネットでみてください。
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■『ユニリーバの新宣伝戦略』
★気づき
ユニリーバの新宣伝戦略「キャンペーン・フォー・リアル・ビューティー」
ダブのブランドイメージを刷新「肥満気味」「96歳の高齢」「そばかすいっぱい」
「白髪の女性」「バストの小さい女性」ポスター、雑誌広告からウェッブサイトに
誘導。
「メディアが非現実的な女性のイメージを作り上げている。人工イメージと生身の
自分を比較すれば自信をなくすのは当然」「美しさの定義が狭くなりすぎているとの
問題提起」
ダブ・マーケティング担当者 日経MJ2005.6.24
★ミネラル
美の再定義。今いろいろなことに対する再定義が重要です。
既存固定概念を捨てることによって新しい概念が生まれてきます。
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■『プレミアム市場』
★気づき
自動車市場は、マス市場とプレミアム市場。マス市場は規模の市場で合理的に
動く。消費者は、強いエンジンと低価格を求め購入するブランドを変えるので、
ブランドへの忠誠心は低い。
対するプレミアム市場は、消費者は合理的より情緒性に価値を求める。
だいじなのは自分の会社がどういうDNAを持っているのかの自覚です。
プレミアム市場での強さはポジショニング戦略にある。
ヘルムート・パンケ BMW社長 日経新聞2006.1.4
★ミネラル
企業ウェイを明確にすることが企業DNAを創って行くことです。
ブランドとは、大きな市場のなかでのポジショニングの明確化です。
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■『各国のビジネスモデル』
★気づき 
米国企業は知識集約的なモジュラー製品(パソコンネットワーク商品)
資金と意志決定に優れた一部の韓国企業は資本集約的なモジュラー製品(メモリー
半導体)
優秀な出稼ぎ労働者の動員力に優れているなどの中国企業は、労働集約的な
モジュラー製品(普及型の家電製品)
対顧客の表現力に優れる欧州企業はブランド重視の擦り合わせ製品(高級車、
ファッション製品)
オリンパスでは、ハイテク部品の寄せ集め(モジュラー)的な傾向のあるデジタル
カメラは中国、高度な擦り合わせ型製品の内視鏡は日本など、メリハリの利いた
国際分業型。
シャープのシステム液晶、東レの新合繊、も、擦り合わせ型は日本で。
藤本隆宏 東京大学教授 日経新聞2004.1.12
★ミネラル
日本企業と欧米企業は、擦り合せ型の技術をどう磨いて行くかが重要。
精妙の美(からくり人形などの細かい作りによる美しい動き)などの日本のもの
づくりの文化とブランド戦略との融合が日本の企業の強さでは。

                  日本オリエンテーション 主宰 松本勝英
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★マイカレンダー 9月18日(火)?10月1日(月)
18日(火)社内教育の打ち合わせ。商品コンセプト開発ワークショップ合宿。
ワークショップ型の社内教育が増えています。コンセプト開発、時代・市場・生活
価値観の変化、などのワークショッププログラムの開発を行っています。
夕方、企業の方が来社。健康の日常化などの意見交換。その後、神楽坂で快食。

20日(木)コンサルティング。市場のスイッチ状況の分析から、これからの魅力
市場の発見。
午後、企業の方が来社。新ブランドづくりなどの意見交換。夜、企業の方が来社。
マーケティングの仕組みなどの意見交換。その後、快食。
21日(金)コンサルティング。ブランドの構築。もの価値を超える上位の価値を
どう作り出すか。
22日(土)?24日(月)伊豆松崎でカヤック。若い人と一緒だと元気になります。

25日(火)客員研究員とコンサルティングの打ち合わせ。コンセプトの明確化と
マーケティング展開。午後、コンサルティング。使用テスト、ネーミングテスト、
パッケージテストについて。
26日(水)コンサルティング。コンセプトの明確化とキャッチフレーズ、マーケ
ティング展開。ストアカバーと店頭展開の重要性。

27日(木)28日(金)「商品開発プログラムのたて方30+6時間」セミナー。
2社の事例発表があり、議論活発でした。
27日夜、「健康マーケティングの会」。10人の参加で、OTC、健康食品、食品の
消費者からみた位置づけなどを話し合う。おもしろい意見が出て、議論活発でした。


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 ■□■ 「MATSUMOTO・MINERAL」
 ■■■ 第196号 (2007/10/2) (c) 1999 Japan Orientation
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