1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモトミネラル」

マツモトミネラル第198号

配信日:2007年10月30日

第198号
『国際競争力の条件』『ブランドメッセージ』『文化の中に現代の指針 ? 子供を育てた共同体』『環境効果高い 植物開発』『幻の五輪案 磯崎新の挑戦』


9月22日(土)?24日(月)伊豆の松崎に、カヤックに乗りに行ってきました。

10月26日(金)・27日(土)『商品開発・会津車座塾』を開きました。
食品、自動車、文具メーカーの5人の方々と、日本オリエンテーションから松本
(私)と客員研究員の7名で、会津『向瀧』にて有意義でお互いが触発される
商品開発ディスカッションを行いました。
マーケットインからプロダクトアウトへ。定住から遊動の時代へ、新視点で新し
いカテゴリーを創造する、身体感の回復、相対的価値の低下、文明発想から文化
発想へ、コストパフォ?マンスの見方、ディシジョンのあり方、基本効用の再発
見などなど。
有形文化財の旅館で庭を見ながら(ちょっと作家になった気分で)『場』の力を
借りて触発された9時間のディスカッションでした。参加者に感謝。

■『国際競争力の条件』
★気づき
・グローバルブランドとグローバルマネージャー
・市場の最強のライバルと経営コスト、品質、サイクルタイムなどの指標を比較
して優位
・ナンバー・ワン、ナンバー・ツーの事業にフォーカス
・企業文化の転換。スピードを重視し80%の判断材料で意志決定
IBMルイス・ガスナー会長 出所不明
★ミネラル
グローバルに対してグローカルという概念も重要です。日本という国の『文化』
をもとにした発信も大切です。トヨタの『日本独創』によるグローバルブランド
づくりはおもしろいと感じています。
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■『ブランドメッセージ』
★気づき
マツダのブランドメッセージの「Zoom Zoom」は日本語で言えば「ブ
ーブー」。子どもがおもちゃを走らせるときに言う音だ。少しやんちゃなイメー
ジで、何でもやれるということを上手く言葉にした。
★ミネラル
オノマトペ(擬音・擬態語)が注目されています。日本語は豊富なオノマトペ
をもっていますが、英語にはあまりありません。『英語擬音語辞典』(研究社)
を見てみるとおもしろい出会いがあるかもしれません。
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■『文化の中に現代の指針 ? 子供を育てた共同体』
★気づき
現代は「環境」「少子化と子育て」「高齢化」など、未経験の大きなテーマを
一度に抱えており、これらすべてを行政の仕組みだけでは解決できない。
長い間に蓄積してきた民族の心や知恵の中に指針となるものが多々ある。
子育てに関して言えば、昔の日本にはコミュニティーをあげての子育てシステム
が存在した。大人の手伝いをしながら自然と祖先を敬う心を学び、生き物と心か
らふれあってきた。家庭はもちろん、地域と生活が一体になって子供を育んだ。
子育てに限らず、日本の共同体には柔軟性があった。
「ムラ」組織にしても、宗教的な講、行政による組、親戚一統の組織などが重な
り合い、それぞれの異なるリーダー、構成員、組織が、それぞれの役割に応じて
動いていた。心配りが隅々まで行き届いており、今の企業組織も学ぶものが多々
ある。現代の日本社会は、この心配りがとぎれている。
近畿大学民族学研究所所長 野本寛一氏 日経新聞 2007.1.18
★ミネラル
古い共同体に回帰するのではなく、新しい共同体を構築して行くことが重要で
す。民主的なヨコ型の共同体になって行かなければ。
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■『環境効果高い植物開発』
★気づき
トヨタ自動車が植物の新品種開発に力を入れている。重視するのは、大気汚染
物質の吸収や二酸化炭素の固定といった環境改善能力の高さ。
生産活動によるCO2排出をどんなに減らしてもゼロにすることは困難です。
幹や枝にCO2をため込む樹木の場合、一平方メートル当たり年約2kgを吸収する
と見込んでいます。
トヨタ自動車 松井邦夫氏 日経産業新聞 2007.8.3
★ミネラル
二酸化炭素を排出しているメーカーが、CO2を吸収する植物開発していること
は新鮮でおもしろいですね。ホンダが次世代型薄膜太陽電池の量産化を決定する
など、自動車メーカーがこれからの環境産業の中心になっていくのかも。
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■『幻の五輪案 磯崎新の挑戦』
★気づき 
2016年オリンピックの国内候補都市を争った東京都と福岡市だが、この二都市
にはそれぞれ日本を代表する建築家が関わっていた。安藤忠雄と磯崎新である。
安藤は東京、晴海埠頭にオリンピックスタジアムをデザインし、海に浮かぶ森と
いう健康的な都市モデル・イメージを提案した。東京都の計画書全体のイメージ
をスタジアムのイラストによって演出している。
一方、磯崎はオリンピック後の都市構造再編をも主張し、政治学者姜尚中と共同
して「東アジア共同の家」を構想するなど、リアルな政治世界に極めて強く関わ
ろうとしている。
しかし、従来の磯崎の仕事を考えると、これは驚くべき変化である。磯崎は記号
を生み出す虚像として都市を捉え、リアルな都市空間ではなく表層のイメージ操
作を担う建築家の先達だった。その磯崎が再び都市の深奥、本質を考える設計を
行っている。
これは決して磯崎が昔に回帰しているのではない。
国家・政治のドラスティックな変容が、都市空間の本質的な矛盾を露呈させ、
都市に対する新しいプログラムをつよく要請するようになってきたのだ。
京都工芸繊維大学教授 中川理氏 読売新聞 2006.9.28
★ミネラル
市場原理主義、グローバリズムの深層的、本質的矛盾を解決することが重要で
す。改善レベルでは解決しない矛盾をどう解決するか。

               日本オリエンテーション 主宰 松本勝英

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★マイカレンダー 10月16日(火)?10月29日(月)
16日(火)『商品開発プログラムのたて方』セミナー参加者が来社。
気づきの発見、新視点によるテーマ開発などの話。
午後コンサルティング。商品戦略の明確化と売り方開発。
17日(水)企業の方2社と話し合い。新カテゴリー開発。原料価格問題への
ポジティブな対応策など。HPづくり打ち合わせ。
夜は、企業の部長、役員の方々との『5人会』で神楽坂へ。これからの成長戦略
について意見交換。

18日(木)企業の方が来社。コンセプト評価システムの話。
夜、八丁堀で企業の方と食事。
19日(金)2社の方々と意見交換。共に健康テーマについて。
22日(月)プロジェクト終了後の会食。

23日(火)コンサルティング。コンセプト・使用テスト。ネーミングテスト・
パッケージテスト結果の読み込み。
24日(水)25日(木)日本オリエンテーションの仕事の棚卸し。2008年に向
って。
26日(金)27日(金)『商品開発・会津車座塾』。
29日(月)コンサルティング。成長の商品ライン戦略について。夕方から研究
会。異種感覚感連合?香りと他の感覚との相関など、おもしろい会合でした。


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 ■□■ 「MATSUMOTO・MINERAL」
 ■■■ 第198号 (2007/10/30) (c) 1999 Japan Orientation
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