1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

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考えるヒント:メルマガ「マツモト・ヒントビット」

商品開発15のヒント!(10/13)

配信日:2009年10月15日

「商品開発・ヒントビット」第15号

1.「豊かさ」の時代から「幸せ」の時代へ 他

商品開発・マーケティングのための「小さな・小さなヒント=ヒントビット」です。

皆さんのヒントビットの投稿、コメント歓迎です。

1.「豊かさ」の時代から「幸せ」の時代へ
ものがあふれる現在のような豊かな社会では、選択肢や豊かさが増加するにつれ、幸福感の低下を招くと指摘されている。過去30年で米国のGDPは2倍以上になったが、「非常に幸せ」を感じる人は5%減った(米国社会学者バリー・シュワルツ スワスモア大学教授)。現在はもっと低下しているのでは。

2.「豊かさ」はモノ持ち
「豊かさ」とは、いろいろ高価なモノを持って自分を表現する生活スタイルです。
高価な車、化粧品、バッグを持っていることによって得られる感情です。

3.「幸せは」ヒト持ち
「幸せ」はヒト持ちです。良い家族、よい仲間、よい仕事仲間を持っていることです。

4.「幸せ」のコト開発
「幸せ」とは、コト開発です。幸せは人と人との繋がりの中に存在する。「おいしいよ」「おいしいね」と誰かと分け合って食べ、夕焼けの美しさを「きれい」と大きな声を出した友人と共有できる。幸せのコト開発からモノ開発へ。

5.夫婦メンテナンス、家族メンテナンス開発
夫婦の関係、家族の関係をよりよくメンテナンスする。夫婦、家族の会話が弾むような商品は「幸せ」商品では。ペットは魅力的な幸せ商品?では。

6.幸せの色、幸せのにおい
幸せ商品を開発するには、五感から幸せ感を表現することが必要では。童話の色の世界に幸せの色があったり、街の中に幸せの五感情報のヒントがあるのでは。
街を歩いた時に、幸せの色、におい、音などを探してみてください。

7.幸せの食開発
私はカステラを食べる時に幸せ感を感じます。味なのか、食感なのかわかりません。
皆さんにも、食べた時に幸せ感を感じる食品があるのでは。そこに幸せ商品開発のヒントがあります。

8.幸福感の共通項に「懐かしい」というものがある
30年前のことがたった今のごとく眼前にあるから懐かしい。夕暮れ時の豆腐屋さんの笛の音、石鹸のにおい。何故か懐かしく、幸せです。伝統商品をベースにした幸せ商品は開発できないか。
  
9. 「サザエさん」の暮らし
「サザエさん」で描かれている昭和30年代のサラリーマンの暮らし、そこには日本人の身の丈にあったつましい暮らし方、ライフスタイルのモデルが描かれていて、今の子供たちに共感を呼んでいるのは興味深い問題である。
(読売新聞 山田洋次映画監督)

10.出来るだけシンプルにしたとき
出来るだけシンプルにしたとき、生きるって感じを強く持つ。生きているってすばらしいと思う。余分な物を一つひとつそぎ落とし、野心や競争心や見栄などの邪魔ものから解放されるとき、幸せに近づいているような感じがする。
(かまたみのる「しあわせ論」 読売新聞2004.1.9)

11.毎日ちょっとした幸せを求めている
3分目の幸せ=3分間の幸せ、をどう提供できるか。(伊藤元重 東大大学院教授日経MJ2004.7.20)ちょっとした幸せの開発にも商品開発のヒントがあるのでは。

12.伊藤元重さんが述べている3分間の幸せ
・コンビニで新しい商品を探す楽しみ
・どうせ食事をするならおしゃれな店で
・毎日使うトイレは快適なものがよい
・コーヒー店でちょっと一服
・15分マッサージで癒し
・携帯電話で友人とちょっとした会話を
(伊藤元重 東大大学院教授 日経MJ2004.7.20)

13.幸せの商品開発
幸せの車とは、幸せの食品とは、幸せの化粧品とは。いろいろな幸せ商品の開発が可能では。

14.消費パターンマップ
「贅沢消費−質素消費×幸せ消費−豊かさ消費」のマトリックスで消費をとらえてみると何かが見えてくるのでは。

15.「裸のサルの幸福論」デズモンド・モリス 新潮社
「裸のサル」を書いたデズモンド・モリスの幸福論です。ご参照を。

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