配信日:2005年03月01日
第131号
★3月1日 早春です
菜の花のおひたし、ふきのとうの味噌炒め、ウドの酢味噌和え、春野菜
のてんぷら、蛤の吸い物など、早春の食べ物が生き生きしてくるこの頃
です。みなさん食べましたか、春への期待を持った食べ物を。
★探検
2月26日(土) 風邪気味で喉が痛い中、餃子探検隊へ行って来ました。
神保町に14時集合。
一軒目は、神保町の「天鴻餃子房」。元祖餃子、黒豚餃子、水餃子の3
種類を喰う。
2店目は神保町「上海朝市」焼き餃子、水餃子の2種類を喰う。
次は大手町丸ビル内の「赤のれん」で水餃子、小粒で酒の肴にぴったり、
つるんと口の中に入る。
4店目は蒲田の「歓迎(ホァンヨン)」で水餃子、はねつき餃子の2種
類。
最後は蒲田ニイハオ(別館)で、はねつき餃子、水餃子、蒸し餃子、あ
んこ入り餃子の4種類にチャレンジ。
計5店で12種類の餃子を食いました。満腹。
どの店もおいしいのですが、これは絶品といわれる餃子には巡り会いま
せんでした。どれもがうまくなっている中で、「めちゃうま」をつくる
ことは大変だと実感。
しかし、今、うまさの進化が求められているのではないでしょうか。
餃子とラーメンの比較論などの論議をしながら、楽しい探検でした。
★マイ・カレンダー
マイ・カレンダーはおもしろいというご意見をいただくのですが、おも
しろくないと思っている人もたくさんいるのではないかと、いつも気に
して書いています。
私にとっては、ちょっとマンネリになってきている感じがしています。
ブレークしなければ。
15日(火)食品メーカーの商品開発担当の部長が来社。10年前にセミナ
ーに来てくれた人で、いろいろな分野で活躍している話を聞き、刺激に
なりました。書いてしまってすみません。
16日(水)以前事務所にいた人で、今は独立して仕事をしている人が来
社。感性を磨くためにどうするかの話と、「感性を盗む」社内教育プロ
グラム作成についてディスカス。
現在プログラムを作成中です。興味ある方はご連絡ください。
夜、日本オリエンテーション客員研究員のKさんと話し合い。同じ62才、
今後どんな仕事をしていくか、酒を飲みながら議論。延長戦略か、チャ
レンジ戦略か。ライスワークではなく、ライフワークをしたいですねと
共感。
17日(木)関西へ。ビジネスモデルの開発コンサルティングのスタート。
業界、業界周辺、先行業界のビジネスモデルの分析と成功の本質把握。
18日(金)企業のマネージャー・若手が10人ほど来社。企業内の課題に
ついてディスカッション。プロとしてどう仕事に取り組むか、自分自身
が課題解決のための方法を発見していかないと進まない。他人に期待す
るのではなく、どんどん解決手段を提案し、他の部署、人を動かしてい
くことが必要では。夜遅くまで活発な議論でした。
19日(土)恒例一人で映画を見るへ。「オペラ座の怪人」を見ました。
わたしには、女の打算の愛の物語に見えました。闇の魅力に魅了される。
21日(月)そば打ち5年のWさんの打ったそばを食べる会。私もそば屋風
卵焼きを朝作りました。総勢8人でそばのうまさを堪能しましした。しか
し、飲み過ぎでダウン。翌日午前中は休み。
22日(火)二日酔いが残っている頭で、事務所で本を半日読んでいまし
た。「イノベーションのジレンマ」。大手企業がベーションに失敗する
原因の分析で、なかなかおもしろい。無意識の保守に陥っているのでは。
23日(水)「健康マーケティング研究会」に出席。テーマは『健康「食」
マーケット開発』。健康データの裏の読み方、食事の多様性研究と健康
との関連、健康リーダーのターゲット・プロフィルの重要性、健康エキ
スキューズ商品、ストイックな健康食とヒューマンな健康食など。
私なりにいろいろヒントをもらいました。
24日(木)25日(金)
第83回「商品開発プログラムのたて方」セミナー講演。
今回はゲストスピーカーがいたので、2日間で10時間の講演でした。
商品のこれからの魅力開発。需要があるから提供するから、提案するこ
とによって需要を生み出すことが魅力開発、「が」をつける、ポジティ
ブの拡大、生活DELIGHT、効用の開発=生活メリットの開発、関係開発
による商品コンセプト開発、効用・ターゲット・場面開発の視点につい
て6時間。
商品力のテストについては、早く有望のコンセプトに絞り込むことが、
効率的開発につながる、評価と判断の違い、評価感性を高めるには、商
品コンセプトテスト、コンセプト・プロダクトテスト、比較テストとテ
ストマーケティングの方法についてレクチャー4時間。もっと時間があれ
ば、もっといろいろな話ができるのに。
25日夜、セミナーの疲労回復に、行きつけの「千川」でうまい魚をつま
みに一杯。
26日(土)餃子探検隊。嗜好品文化フォーラムに行けず残念。
風邪よ飛んでいけ。
日本オリエンテーション 主宰 松本勝英
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■『現代の消費者像』
★解 説
2%の「いかれた過激派」
8%の「アルファ」
20%の「ビー」
50%の「主流」
20%の「遅れた人」
アルファは第1号であることに快感を覚えるトレンドセッター。
ビー(蜂)とはアルファから得た情報を主流層に広めることで認めら
れたいトレンド普及役。バズ・マーケッターにはこの28%の把握と操
作が重要。
中野香織 日経新聞 2003.10.10
★ミネラル
商品の普及プロセスの現代版では。蜂の情報伝達を学んでみるとヒ
ントがあるかも。短絡発想ですかね。
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■『花王商品開発の5原則』
★解 説
1. 真に社会に有用であること
2. 自社の独自の技術が盛り込まれていること
3. パフォーマンス・バイ・コストで他社のそれに勝っていること
4. 商品化される前に、徹底的な消費者テストがあらゆる局面で行わ
れ、そのスクリーニングに耐えられていること
5. 流通のあらゆる段階で、商品に関わる情報を上手く伝達する能力
があること
★ミネラル
活用されている開発原則、活用されていない開発原則。活用されて
いる花王の開発原則五原則に強さの源があるのでは。
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■『現代人の脳』
★解 説
現代人の脳を作る遺伝子の仕組みは、狩猟採取をしている数万年前
から変わっていない。
狩猟採集社会では、子供の脳は、大家族集団の密接な人間関係と自然
の中で育つのが前提。
その環境が近年変化している。子供の脳に人工化学的物質が入ってく
るようになり、さらに核家族化やゲームなどによって、今までとはか
け離れたものとなってしまった。学習障害や注意欠陥多動性障害や自
閉症が急増している。
黒田洋一郎 東京都神経科学総合研究所 朝日新聞 2002.7.15
★ミネラル
脳を取り巻く、環境、家族、食などが大きく変化をしている。これ
からはどんな脳になり、どんな問題が生じてくるのか興味津々。脳が
孤立していくのでは。
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■『情報自体が商品』
★解 説
「エコナ」の市場化で実感したのは「信頼の情報」。
商品を売るために情報があるのではなく、情報が商品になっている。
花王ヘルスケア第1研究所長 安川拓次氏
★ミネラル
健康商品にとっては、商品そのもの以上に「約束できる情報」が重
要になってくる。エビデンスは商品の価値を決める大切な情報です。
しかし、エビデンスで効果は確認できません。エビデンスは実感感を
感じてもらうまでの情報では。やはり実感効果がなければ成功はしな
いのでは。
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■『情報操作のメカニズム』
★解 説
不確かさの下でのバイアスには、大きく2通りある。
送り手が情報を選んで流すことで、情報そのものが偏ること、サンプ
リングバイアス。
もう一つは、人々の側にも自分の信じたいものだけでけ受け入れる傾
向があるので、その方向の情報だけが記憶され、行動に影響する。こ
れが動機バイアス。
この二つが重なり、人々の嗜好に応じる情報を送り手がさらに供給す
ると、情報は事実から離れ、雪だるま式に一人歩きを始める。
もともと動物は生存のために、不確かな状況で素早く反応することが
強いられる。じっくりして、分析してからでは間に合わない。
素早く反応できるのは、特定の刺激が引き金になって、型にはまった
行動を引き起こす反応図式を持っている。ひな鳥の鳴き声が母親行動
を誘発する。
セキュリティー=国防=愛国という反応図式、イスラム原理主義者=
テロリストというステレオタイプを繰り返し、タイミング良く働きか
けると人々の認知過程に刷り込まれる。
受け手の「型にはまった反応」は、無意識の認知反射ともいうべき性
質を持っている。脳内メカニズムとしても、情動脳とも呼ばれる自動
的な機能が関わっている。大脳皮質が意思や思考、意思の座だとする
なら、その下を流れる無意識的な感情と感化?運動の回路が情動系。
そこで情報操作の効果は、こうした潜在的な認知レベルに現れる。
潜在認知というパンドラの箱が開いた。集合的、情動的、反射的、無
自覚的という特徴を持つチャネルが、解放された。
下條信輔 認知神経科学 朝日新聞 2003.10.14
★ミネラル
9・11は情動的認知レベルに働きかけ、セキュリティー=国防=
愛国とイスラム原理主義者=テロリストという、すり込みをはかる機
会になったのでは。認知無意識レベルへの情報には気をつけなければ
いけない。情動に流されない冷静さ、疑い深さも必要では。
怖いですね。
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■□■ 「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第131号 (2005/3/1) (c) 1999 Japan Orientation
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