1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモトミネラル」

マツモトミネラル第181号

配信日:2007年02月20日

第181号
『伝統的な共同体』『これからの企業』『異業種と組み新規事業や業務改善』『ホンダの「生涯CSの最大化」』『元気なファッション』


人間力を高める「場」として「共育の場」づくりを考えていきます。
これからは「場」の持っている力を得て、新しい自分を発見することが重要だと
考えています。
6月15日(金)16日(土)の「商品開発・会津車座塾」は、会津という歴史、
風土の力を借りて、新しい自分、マーケティングの考え方、商品開発の課題を解
決する「場」にしていきます。ご期待を。
力をもらえる新しい「場」をいろいろ考えていきます。

■『伝統的な共同体』
★解  説
 伝統的な共同体では、お互いの情報は筒抜けだった。あなたは私を、私はあ
なたをコントロールできるからお互いにひどいことは出来ないと、そうして秩
序を保っていた。
その「安心社会」が限界を迎え、新たな社会秩序が必要になった。だが、安心
社会になれた人は、見知らぬ人が自分のことを知っているのに、自分はそのこ
とをコンロールできないので大きな不安を感じ、情報を提供するメリットに目
がいかなくなる。
これはかなり根深いモノで、進化的な基盤も関係がある。不思議なことに、人
間には類人猿の中で唯一、白目の部分がある。瞳がどこを見ているかがわかり、
スキを見せてしまうから不利なのになぜ白目を進化させたのか、それは他者に
目を見てもらう必要があるからだ。「私には悪意がない」と伝えることが、社
会を作るのに重要だった。白目を見せないのは、サングラスをかけることと同
じだ。
今まで安心して提供していた閉ざされた社会が崩れることへの不安が強くなり
過ぎ、皆、サングラスをかける。これが今起きていることだ。それで社会を営
めるのかというのが匿名社会の問題点だ。社会的ジレンマの一種で、皆、不安
に駆られて情報を出さなくなれば社会は成り立たない。
         山岸俊男氏(北海道大学大学院教授) 読売新聞2006.2.28

★ミネラル
 共同体の復活が大きなテーマです。匿名の電子共同体では、平穏な社会、人
間関係が生まれない。サッカーなど「スポーツ共同体」、演芸場などでの「お
笑い共同体」などがおもしろいのでは。
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■『これからの企業』
★解  説
 これからの企業を考えると、消費者あるいは最終需要家の目線で自分たちの
仕事のあり方を再定義し続ける人たち。潜在需要を最初につかんで行動に移せ
るだけのリスク管理能力を備えた人材がどれだけいるか。そして彼らをいかに
刺激できるか。大きな変の本質やその先の経営をじっくり考え、前提をすべて
取り払い、仮想問題をたててみる。

★ミネラル
 時代・市場・生活価値観の変化を引き抜き、革新的な仮説の構築提案が出来
る人材がこれから必要です。変化に対する構えを持つことが第1歩です。
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■『異業種と組み新規事業や業務改善』
★解  説
 富士ゼロックス異業種と組み、新規事業や業務改善 
主なテーマ
・健康を考えたオフィス
・マニュアル・バンク(商品マニュアルの仕組み、あり方など)
・付加価値商品のものつくり
・ソーシャルネットワーク(社外での人脈づくり)
・ゼロ・エミッションに基づく環境対応
・ お客様の期待に沿ったメディアミックスの実現(企業と顧客とのあいだにあ
るメディアのあり方)
・ユニバーサルデザイン 
                         日経産業新聞2005.1.21

★ミネラル
 ソリューションの時代です。1社ではなかなかソリューションの提案は困難
です。
異業種との取り組みのあり方などを、日本オリエンテーションも研究していま
す。ご興味ある方はお問い合わせください。
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■『ホンダの「生涯CSの最大化」』
★解  説
 米国事業がお手本。
主力の「アコード」「シビック」は(事実上の値引きに相当する)販売奨励金
に頼らないため、中古価格が下がらない。国内でも中古価格の下取りから再販
までの仕組みを構築していく。従来は販売力が弱く商品力に依存していたが、
今後は好不調が生まれにくい企業に変えていく。
              福井 威夫氏 ホンダ社長 日経新聞2004.2.11

★ミネラル
 残存価値を高める仕組みが重要です。生涯価値の提案は顧客のロイヤル化、
ブランドづくりにとって重要なテーマです。
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■『元気なファッション』
★解  説 
 「元気なファッション」サプライズファッションの特徴は、曲線的でグラマ
ラス。モチーフも、パイソン、ドラゴン、ベイズリーのように、動物的な生命
エネルギーに満ちている。今の傾向は50年代に似ている。当時はびっくりす
るほど派手な色柄のネクタイやアロハシャツが大流行した。セクシー&グラマ
ラスなファッションが良家の子女にまで広がった。こうしたトレンドは50年
代をピークに下降し、代わって70年代以降は最近までクールで機能的デジタ
ル感覚のファッションが主流になった。50年代の流行は、長く続いた戦争の
時代への反動があった。今回のサプライズファッションの出現は、ITの進展
や弱肉強食の市場経済主義、テロの時代への反動ということか。びっくりする
ようなうれしいことに出会って自分の世界を拡げたいという気持ちになってき
ているように見える。日本が元気を取り戻しつつあると期待していいのかもし
れない。
        スガワラトレンド研究所 菅原健二氏 朝日新聞2006.1.27

★ミネラル
 人間の本能的欲望の喚起が重要なマーケティングテーマでは。
自然の力を取り込む、強い動物の力を取り込む、変容していく植物の力を取り
込む。身体感の回復もおもしろいテーマでは。 
              
                 日本オリエンテーション 主宰 松本勝英
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★マイカレンダー 2月5日(月)?2月17日(土)
5日(月)社内打ち合わせ。コンサルティングしている3社の課題について、
どんな切り口、視点で考えていくかの摺り合わせ。
6日(火)企業と新規プロジェクト打ち合わせ。新規事業のテーマ開発。
情報の本質的理解、先行情報としての将来的な課題、意識と現状のギャップの
発見、今日的現状と将来課題とのギャップの発見、課題の組み合わせによる新
しい課題の創造など。
午後、コンサルティング。テーマは事業方針、新商品をどう育てるか。事業の
方向付けでいろいろな意見があり、まずは成功のスタートから、ロードマップ
を作ることに。

7日(水)コンサルティング。ターゲットの明確化。まずはターゲットを考え
る軸づくり、9つの軸を元にターゲット・プロフィルの要素開発
8日(木)企業の方2社来社、日本オリエンテーションとのコラボレーション
をご一緒する方が来社、夜は健康Mの会で、ちょっとタイトでした。
9日(金)ワークショップセミナーの打ち合わせ。「商品コンセプト開発ワー
クショップ」「商品開発システムの革新ワークショップ」を検討しています。
10日?12日の3連休は、雪を見に行く旅に行こうと計画していたのですが、
雪不足で中止。映画を3本見る。

13日(火)コンサルティング。テーマの絞り込みと、自社技術の強さを、消
費者ベネフィットの視点から検討。新視点をどう取り込むかが課題。夜は、ヨ
ーロッパ、シンガポールにいる企業の方々と国内企業の人たちとの、臨時「織
縁亭(おりえんてい)」。
14日(水)客員研究員と日本オリエンテーションのコンサルテイングプログ
ラム作り。「中堅企業へのマーケティング革新プログラム」づくりと「研究所
の革新プログラム」づくり。
夕方、日本オリエンテーションがコンサルテイングをしている企業の人と、イ
ンフォーマル・ミーティング。本音が聞けてなかなか有効です。
15日(木)「感覚感性セミナー」打ち合わせ。「生活感性」をテーマが重要
だと認識。

午後、コンサルテイング。成熟商品の革新をどう起こすかがおもしろいテーマ。
16日(金)17日(土)社内教育。「高付加価値商品開発のための商品発想」
12時間、レクチャー、ワークショップを入れてよい出会いでした。
16日は17時セミナー終了後、「愉しみ開発」プロジェクトに参加。いろい
ろな方々とお会いできて楽しかったです。

土日早朝一人で映画を見るは、「善き人のソナタ」「エンロン」「不都合な真
実」の3本。
「善き人のソナタ」は、共産主義体制の東ドイツにおける「国家保安省」が市
民の情報を監視する映画で、監視される2人の芸術家の共産体制での苦悩と、
監視する人間の共感関係が見所。独裁制度の無表情が不気味。隣で見ていたド
イツ人?の女性(ドイツ語で上映しているので)が涙を流していました。複雑。

「エンロン」規制緩和という欲望を生み出す装置の中で、経営者、政治家、銀
行などのエゴが剥き出ている映画でした。お金が出来ると、またお金を求める
のはなぜなんだろうか。

「不都合な真実」地球温暖化のこれからの問題ではない、いまの問題。ゴア氏
が環境問題に取り組む原体験として、姉の死、子供の事故があった。
映画そのものはゴア氏の温暖化の世界を巡回するセミナーで、日本人にとって
はある程度既に理解されている事柄で新味にかける。アメリカ人にはぜひ見て
もらいたい。誰にでも見てもらいたい。TV放映する方がよいのでは。

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 ■□■ 「MATSUMOTO・MINERAL」
 ■■■ 第181号 (2007/2/20) (c) 1999 Japan Orientation
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