1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモトミネラル」

マツモトミネラル第182号

配信日:2007年03月06日

第182号
『昆虫の生き様から私たちのライフスタイルを学ぶ』『ビール飲料市場』『人はどうして酸味や苦味を好むのか』『においの効用』『情報社会の変化』


ウグイスの初鳴が事務所で聞こえました。梅も満開で、桜のつぼみがふっくら
と色っぽくなってきました。春のドキドキ感を感じます。
今年は温かいので、いまから早起き習慣にトライするとよいのでは。
朝の2時間は昼間の6時間ぐらいに感じます。仕事も、読書も、考え事も進むし、
ポジティブです。

■『昆虫の生き様から私たちのライフスタイルを学ぶ』
★解  説
 昆虫の生き様から私たちのライフスタイルを学ぶ。 地球は「昆虫の惑星」
生物250万種そのうち昆虫は120万種で全体の半分。繁栄した理由は、第
1に体を小さくしたこと。個々の生存競争に勝つのではなく、世代交代を早め
て種を存続させる昆虫の戦略は、巨大化して絶滅した恐竜とは対照的。
第2は飛ぶことで空中を生活圏にし、3次元の空間を利用できたこと。
第3に、一生の中で生活のスタイルを変化させたこと。たとえば蚊は、幼虫の
時代は水中で、さなぎは地表で、成虫は空で、生活する。親子が同じ場所に住
まず、同じものを食べないことで、大昔に高齢化問題を解決した。
おもしろいのはカイコで、1年の内10ヶ月を卵として休眠し、寝て暮らす。
理由の1つは交尾をする際、集団の中で成長度がそろっていた方が効率的で、
社会全体の活力が保てるため。また、休眠することで、桑を食べる他の生物と
共存できる。競争するだけでなく、身を引くことで種の多様性を保ち、自らも
存続しやすくなる。
      山下興亜(おきつぐ)氏 中部大学副学長 読売新聞2004.12.24

★ミネラル
 昆虫はおもしろいですね。ドーキンスの「利己的な遺伝子」戦略を上手にや
っている感じがします。人間のいまの競争とは違う競争戦略があるのですね。
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■『ビール飲料市場』
★解  説
 ビール飲料市場における、浮動層の実態把握とその変化構造の予測はおもし
ろいテーマではないか。

★ミネラル
 東国原宮崎県知事の当選から、急に浮動票は重要視されています。ビールの
世界もロイヤリティーが低下して、浮動票が多くなっている感じがします。ロ
イヤルユーザーに対して、浮動票研究が必要になるのでは。
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■『人はどうして酸味や苦味を好むのか』
★解  説
 妊婦の嗜好の変化。妊娠する前はコーヒーや紅茶を嫌いでなかったが、妊娠
すると生物本来の感覚がよみがえるように、嫌いになることがよくある。逆に
チョコレートやアイスクリーム、ポテトチップなどを好むようになる。ごく最
近の研究によると、ストレスがたまると、苦みに対して鈍感になることがわか
っている。苦いビールでも苦みが減りおいしく感じる。

★ミネラル
 メンタルと味覚はおもしろいテーマです。「メンタルケアー・フーズ」を開
発してみませんか。
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■『においの効用』
★解  説
 何人かの痴呆症の高齢者に「ぬかみそ」をかいでもらったとき、徐々に笑み
が表れたり周囲の人に話しかけてくるなどの変化があった。一時的にせよ豊か
な感情を表したのは、ぬかみそのにおいによって、幼少時代の我が家の記憶が
甦ったことと密接に関係している。若い世代の日常的なにおい体験が偏ってい
ること。
「ヒノキ」などこれまで芳香とされてきたものや、「墨汁」「樟脳」など、こ
れまで暮らしを彩った香りが次々と消え、メンソールやミントなどの作り物の
においに慣れ親しむ傾向がある。
  通産省工業技術院 心理情報研究室長 齊藤幸子氏 日経新聞2000.11.06

★ミネラル
 脳の古層にどうジャックインできるか、おもしろいテーマです。
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■『情報社会の変化』
★解  説 
1.インターネットが資本財から消費財に転換する。
2.情報量が幾何級数的に増大するのと並行して、ディス・インフォメーシ
  ョン(非情報)も増える。噂や、嘘も反乱する。
3.人間の顔の見える情報社会をいかに構築するか。便利な英語と情のこもっ
  た日本語の双方が必要。
4.社長以下全員がほぼ情報を共有してスピーディーに環境の変化に対応でき、
  価値を創造できるエネルギーを持った世界とカルチャーが必要になる。
                          日経新聞2000.03.03

★ミネラル
 情報化社会における情報の共有化と情報の可視化がポイントになる。 
             
                 日本オリエンテーション 主宰 松本勝英
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★マイカレンダー 2月19日(月)?3月3日(土)
 19日(月)「情報感知に基づくアイディア開発」のコンサルティング。
 変化を引き抜き、スパークする。変化に対する意識の高まりが新しいアイデ
 ィアを生み出す原動力です。
 20日(火)客員研究員と「発見型調査と評価」のプログラム開発の打ち合
 わせ。午後食品メーカーの社長と意見交換。エタノール開発の動きがコスト
 アップになってきている。既存の売り方、チャネルを変えることにより予期
 せぬ売り上げのアップが得られている。CVS頼みからどう脱却するか。売
 り先開発・売り方開発・売り物開発の三位一体開発の重要性を感じます。
 CVSはこれからどうするのか。
 夜、面接。おもしろい人が日本オリエンテーションに参加しないか、日夜頭
 を悩ます。面接は空振りでした。(いい人いませんか。みなさんご推薦くだ
 さい)


 21日(火)企業と社内教育打ち合わせ。マーケティングとコンセプト開発
 をテーマに2日間の社内教育の話。人間が最大の財産です、グローバルで戦
 える人材価値をどう作るかが重要。
 22日(木)23日(金)「商品開発プログラムのたて方<30+6>時間」セミ
 ナー。「本能的・生理的欲望」に訴求するコンセプトの開発など、コンセプ
 ト開発、評価の12時間でした。

 22日夜、セミナー参加者との懇親会。おもしろくみなさんと会話。中国人
 で神戸大学の大学院博士課程の女性が受講。23日夜、10年前に日本オリ
 エンテーションに在籍していた人が来社。一杯飲む。「見えているものを追
 うのではなく、まだ見えていないものを捉えることが重要」などの話をする。
 25日(日)事務所の模様替え計画で事務所へ。

 26日(月)客員研究員と新規に始まるコンサルティングの打ち合わせ。
 27日(火)コンサルテイング。新規テーマ出しのチェック。既存に落ちて
 きてしまって、インパクトに欠けているテーマを新視点で見直し。
 夜、社内のITネットの革新打ち合わせ。MacからWindowsに変えることを話し
 合う。ビジネスにおけるMacの限界を感じています。

 28日(水)コンサルテイング。現在のターゲットを明確にし、コンセプト
 と売り方を開発する。既存のターゲットがよく見えていない課題が浮き彫り
 になる。
 1日(木)9:30から社内教育。ディスカッションをしながら、コンセプト開
 発の考え方。4日間のスタート。製品と商品の違いから、これからの魅力を
 どう開発するか。

 2日(金)夜、客員研究員と、大塚の「こなから」で飲む。
 6時の開店と同時に入り、最後の看板まで話しながら飲む。
 コンサルティング方法。消費者の生の声をコンセプト開発に結びつけるには。
 激論5時間半でした。
 3日(土)東大で開催されている「Cubes for Innovation:Information
     Systems for Design and Marketing」を聞きに行く。英語でのレクチャーな
 のでちんぷんかんぷん。しかし、これが重要なんだと勘を頼りに話を聞く。
 午後、コンサルティングをしている企業の事業部長が来社。最後の詰めをど
 うするかの打ち合わせ。夜、マツモト・ミネラルづくり。
 ちょっと疲れた2週間でした。

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 ■□■ 「MATSUMOTO・MINERAL」
 ■■■ 第182号 (2007/3/6) (c) 1999 Japan Orientation
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