1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモトミネラル」

マツモトミネラル第215号

配信日:2008年07月01日

第215号
『経営の再点検』『オンリーワン』『下降感覚』『成功のための3つの差別化』『文化の中に現代の指針』

7月1日 マツモト・ミネラル215号です。
体調が回復してきて、エアロビクスも再開。遊び、学び、仕事も順調です。
みなさんからご心配メールなどをいただき恐縮しています。

マツモトミネラルを読んでいただいている方から、ご意見、感想が寄せられています。(いままでにもたくさんいただいています。感謝)
「無意味を考える」に対して、学生時代に、無用の用、とか、空間の間、を習いました。ないのだけど、それだからあるものが生きてくる、といったことでしょうか。この感覚は日本的なものでしょうか?個人的には日本人的なものなのかな、と思い、日本人の感性がすごい、と内心思っています。

『団塊世代 流れ変える』俳句グループ「船団の会」代表 佛教大学 坪内稔典教授の俳句に対して、今回のミネラルに紹介のあった上記の坪内稔典氏(通称:ねんてんさん)は私の大好きな作家の一人です。有名な句として、「三月の甘納豆のうふふふ」「魚くさい路地の日だまり母縮む」
などがあります。初期の句はもっとぶっとんでいます。「ひまわりは悲しにじり寄るアルミ鍋」なんてなものがたくさんあります。
語彙の豊富さ、言葉の自由さに惹かれます。無意味と思わせるような句を作るには鑑賞力を養っていくしかないのかなーと思っています。今のところまだまだです。
これは俳句に限った事ではないかのかもしれませんね。
マーケティングの世界でこの鑑賞力にあたるのは、どういうことになるんでしょうか?

そのほか、マーケティングの世界での古典再解釈の必要性、非常に納得しましたなど、いろいろです。

皆さんのご意見もたいへん良い刺激になっています。

■『経営の再点検』
自己点検の視点
(1)得意な分野に事業を集中しているか
(2)自社のコスト、工法、行程が一番合理的だといえるか
(3)高い固定費で無駄なことに挑戦していないか
(4)ソフトな分野で本当に競争力があるのか
(5)生産体制がグローバルに再編しているか
(6)日本、アジアを含めて国際分業体制ができているか

★コメント
 SWOT分析の視点です。もう一度環境に対する強さ・弱さを確認し、ビジネスモデルを再構築することが必要では。
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■『オンリーワン』
★気づき
 オンリーワンは、仕事(研究)を通して自己実現していくことがオンリーワンにつながってゆく。

★コメント
 ナンバーワンからオンリーワンへ。オンリーワンは自己実現の想いがベースになっているのでは。
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■『下降感覚』
★気づき
 法然、親鸞、といった人たちに惹かれるのは、そこに独自の下降感覚が通低しているから。
五木寛之氏 朝日新聞2000.3.13

★コメント
 小林多喜二の「蟹工船」が若い人たちに読まれているようです。法然、親鸞の生きる哲学を力にしていくことが、時代を変えることにつながるのでは。
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■『成功のための3つの差別化』
★気づき
1. 分野、特化による差別化
2. 競合の中での差別化
3. 顧客とのインターフェースでの差別化

★コメント
 商品差別化だけでは差別化にならない時代です。テーマの差別化、売り方の差別化が重要になってきています。
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■『文化の中に現代の指針』
★気づき
1. 歩いて、見て、聞いて、考え、「忘れがたい」ことを積みあげる。そこから生まれる何かがある。
「日本は狭いといわれますが、その文化の多彩なこと。日本は広い。」
「かつて静岡県で目にした、戦前の人が風土や季節性に合わせながら工夫をし、己の能力をフルに発揮して生きる姿には忘れがたいものがあります。農業の傍ら、川漁師、茶師、杜氏や葺師、木こりや木地師など、一人で複数の仕事をやっていました。たくましく、今の日本人のように脆弱ではありませんでした。」
「今は"環境""少子化や子育て""高齢化"など、未経験の大きなテーマを一度に抱えています。長い間蓄積してきた民族の心や知恵の中には、指針となるものが多々あると思います。」

2. "民族の教育力"
「江戸、明治期に来日した多くの外国人は、日本人が実に子供をかわいがり、大切にし、また、子供たちが礼儀正しかったかを記しています。一年の節目節目に子供たちをもてなし、馳走をするような行事が各地にありました。」
「長野県のある地域では、季節ごとに年上の子供が引率して山に入りました。草花や山の実を採ってくる。上の子が下の子達に教え、採ったものを分けてやる。キノコ採りから戻ると、年寄りに『小さいのは残してきたか』と尋ねられた。」
「手伝いをしながら自然や祖先を敬う心を学び、生き物と心から触れ合ってきた。家庭はもちろん、地域とその生活が一体となって子供を育んだのです。」
「子供の教育にも見られることですが、日本の共同体には柔軟性がありました。
『ムラ』の組織にしても、単純なものではなく宗教的な講、行政による組、親戚一統の組織などが重なり合っていました。それぞれリーダーは異なり、役割に応じて人も組織も動いた。身障者などにも役割を与え、排除せずに共同体にうまく包み込んできた。いまの企業組織が学ぶ点も多々あります。」
「毛細血管のように心配りが隅々まで行き届いていました。こんな配慮ある仕組みの上に成り立っていたから、日本がおおむね世界の信用を得てこられたのでしょう。この血管が断ち切られた今の日本社会は荒涼たる風景です。これを再生できるのか、消え去るのかはわかりません。」
民族学者 野本寛一氏 日経新聞2007.1.18

★コメント
 日本には日本独自の文化があります。その文化が衰退していることが現在の大きな問題です。いま私たちの世代(50代、60代、70代)がそれらの良き文化の経験者です。今伝えないと、もう伝える機会が失せてきます。次へ頑張らなければ。           
                 

日本オリエンテーション主宰 松本勝英

◆マイカレンダー 2008年6月17日(火)〜6月30日(月)
17日(火)新規コンサルティングスタート。既存市場のWHY分析。
18日(水)企業訪問、ブランド戦略構築について意見交換。
19日(木)「研究所・者マーケティング」セミナーで講演。一流の技術と一流のマーケティングを。その後、参加者を交えてパネルディスカッション。夜は、企業の人の転勤の会食。西麻布鮨寛で。

20日(金)企業訪問。新任会長と人材育成など。異業種企業同士のアイディア会議。視点が異なり面白いコラボレーションになりそうです。夜、客員研究員と西麻布で快食。
23日(月)感性開発・評価について、企業の人と話し合い。夜、「5人会」企業役員・部長の集まり。8人+日本オリエンテーション2人計10人参加で、グローバル化などの意見交換。

24日(火)コンサルティング。ターゲット開発、ベネフィット開発など。
25日(水)コンサルテイングWヘッダー。切り口から、コンセプト開発。コンセプトのブラッシュアップと、BtoBマーケティング開発。

26日(木)27日(金)第97回「商品開発プログラムのたて方36時間」セミナー。
今回は46人参加で満席になりました。役員から、商品企画新任者。モロッコの人、中国の人、台湾の人などグローバル商品開発の多様な参加者で面白いセミナーになりそうです。
26日夜は、恒例の「マーケティングだべる会」相対的価値の低下、若者は保守化しているのか、など話が弾みました。次回は7月10日(木)です。

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■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第215号(2008/7/1) (c) 1999Japan Orientation
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