配信日:2008年07月15日
第216号
7月14日だというのに真夏の暑さです。
事務所の私の部屋も冷房があまり効かず、今日から半袖シャツ、綿パン出勤です。
企業の人たちとの日本オリエンテーションでのミーティングは、ホテルの会議室でやる方がいいのではとの話も出ました。
日本人、アメリカ人、フランス人、イギリス人、中国人、インド人、ブラジル人、ロシア人という国発想ではなく、私たちはみんな地球人だ、の発想で取り組まないと、温暖化も食糧問題も解決できないのでは。
■『異業種との連携も模索』
★気づき
コンビニ市場の成熟化による「収益踊り場」からどう脱却するか。
「90年代半ばまでコンビニは技術革新を続けてきた。だが、96,7年以降は革新がない。成長力を取り戻すには構造改革が必要だ」
「働く女性向けの『ナチュラルローソン』、生鮮食品を拡充した『ローソンストア100』は客層拡大で一定の成果をあげた」
「郵便局やドラッグストアを誘致したり、業態の枠を超えた連携も検討する」
ローソン社長 新浪剛史氏 日経新聞2007.8.2
★コメント
パソコン業界では、その道のプロに委託するグローバルな機能別アライアンスが重要。自己完結型のビジネスはコストもかかる。先駆的アライアンスの業界では。
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■『地球品質』
★気づき
ライフサイクル・アナリシスの3つのステップ(環境毒物化学協会SETAC)
1)例えば、紙おむつなら使用する材木やプラスチックの量、プラスチックを作る過程で出される汚染物質の量。布おむつなら綿を育てるのに使われる農薬の量、使用中に使われる洗剤の量など製品になるまでのあらゆる段階で測定可能な数値。
2)それらが一つ一つ環境に対して、与える影響の大きさを考察する。
3)最後にそれらの数値を環境改善のために活用する。
★コメント
ライフサイクル・アナリシスにもとづく環境発想が重要では。部分ではなくトータルで、ライフサイクル的なアプローチで。
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■『だまされぬ5つのヒント−ずさんな実験データ』
★気づき
バイアス(偏り)
米大統領選で約240万人の調査で有利とされた候補者が、二万人の調査で有利とされた候補者に敗れた。240万人調査は対象者を選ぶ段階で自動車登録名簿などから選び、裕福な層に偏ったため。
分母と分子
「ある村で80歳以上の男性の10人中8人が喫煙者」だったとしても、タバコを吸っていると長生きできるとはいえません。20年前、60歳だった村人のうち喫煙者が100人で非喫煙者が10人だったなら、非喫煙者のほうが高率で80歳まで生きたことになります。
資金のスポンサー
受動喫煙の危険性に関する論文では、タバコ産業から研究資金をもらった研究者は、そうでない研究者に比べて、はるかに多く危険性を否定する論文を書いていました。スポンサーへの配慮が働いたと考えられます。
比較群
胃がんの日本人患者100人の共通点がみそ汁だったとします。でも、みそ汁は多くの日本人が食べます。「胃がんで無い人(比較群)は、みそ汁を食べていなかった」という情報がないと、本当にみそ汁が胃がんの原因なのかは判断できません。
ホーソン効果
薬をもらった患者が、良くなろうと生活習慣を改善し、薬自体の効果以上に優れた結果になることもあります。
京都大学 中山健夫教授 朝日新聞2007.2.13
★コメント
データはいろいろな事実を見せてくれますが、また事実をうまく隠すものです。
公害問題研究者であった宇井純さんの本(「公害原論」だったと思います)を読んだことがあります。水質汚染データを読むとき、その水が、急流の場所の水なのか、曲がりくねった淀みがあるところの水なのかによって異なる。急流な場所からだけ取水した水でデータをつくるときれいな川になってしまう。銘記して心に刻み込んでいます。
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■『ボトム・アップ21世紀』
★気づき
個人の「資質、才能、可能性」を「十分に活かし、開花させ」、下から盛り上げる社会づくりをめざす。インディーズ型CtoBが活発になるのでは。
★コメント
江戸から明治への時代は、坂本竜馬、大村益次郎など下級武士の力による革命でした。若い才能のある人たちの仕事の場を作り、育む仕組みを作らないと高齢化している日本の経営は心配です。
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■『価値の源泉』
★気づき
「モノ」が情報発信源
十年後にはネットはあらゆるものの中心になっているだろう。
一つは、モノが発信するデータを基にしたサービス。イルウィッチ・ユニオンという英国の保険会社が販売している自動車保険『ペイ・アズ・ユー・ドライブ』が良い例だ。契約者の車両に専用の全地球測位システム(GPS)を装着し、いつ、どこを、どのぐらいの頻度で運転したかというデータを自動収集し保険料を決める。今後はGPSやICタグ、携帯電話などユーザーが意識しているいないに関わらず、自動発信する情報が価値を持ってくるだろう。
二つは、リアルとバーチャルの融合。仮想都市を舞台にしたオンラインゲーム『セカンドライフ』、ユーザーが地図上に三次元の建物を造ることができる『グーグルアース』などに兆しが見てとれる。検索エンジンや翻訳サービス、人物認証などの分野で人工知能により近づいたサービスが登場する可能性にも期待している。
<米技術出版社オライリーメディア創業者兼CEO ティム・オライリー氏>
日経産業新聞 2007.1.19
★コメント
ネットを通して、知らないうちに大量な情報が収集され分析されていく。
「その数学が戦略を決める」に述べられているような、大量計算、絶対計算の世界が来るのだろうか。そして、すべてがデータの世界になっていくのか?しかし、最初も最後も人間の判断が重要だと思いますが。
日本オリエンテーション主宰 松本勝英
◆マイカレンダー 2008年7月1日(火)〜7月14日(月)
7月1日(火)コンサルティング。製品アイディアアプローチに対して、商品コンセプトアプローチへ。エンターティメント企業訪問。エンターティメントの切り口開発の話。帰りに面白い輸入時計の店を見つけてご主人と話し込む。
2日(水)消費者の生の声をテキストマイニング、ポラリスで分析し、可視化し、チャンス発見に生かす生活ナレッジを企業と一緒に。
3日(木)企業訪問。商品開発企画者、組織、システムの革新などで議論。
4日(金)コンサルティング。モノづくりを考えてのコンセプト開発。企業2社訪問。市場構造を明確にし、重点市場を戦略的にどう設定するか、他の1社はカウンセリングの打ち合わせ。
5日(土)小学館主催の落語会「らくだ亭」に事務所の人間みんなで笑いに行きました。
笑福亭鶴光、古今亭志ん五、林家正楽(紙切り)、柳家権太楼、三遊亭好楽の演目の組み合わせと順番になかなかメリハリがあり、楽しかったです。私は、古今亭志ん五の落語が好きでした。
帰りに両国の巴潟でちゃんこなべを食って、より充実した1日でした。
7日(月)企業の人と大塚「こなから」へ。
8日(火)コンサルティング。独自な通販の商品ライン開発。夜七夕HPオープン打ち上げ。夜中、久しぶりに痛風の発作。
9日(水)休み。
10(木)ちょっと落ち着いたので、約束の企業訪問。30億円クラスの商品をどう創るか。夜の「マーケティングだべる会」不参加。
11日(金)客員研究員と、商品開発システムの革新について議論。
午後、コンサルティング。業務市場への商品提案とその仕組み作り。
夜、日本オリエンテーションで仕事をしていた人と会う。ワークライフバランス、地域の教育などをNPOとして活躍。私はお酒なしのディスカッション参加でした。
土・日一人で映画を見るは
「イースタン・プロミス」「歩いても、歩いても」「告発のとき」の3本。
「イースタン・プロミス」はデヴィッド・クローネンバーグ監督とヴィゴ・モーテンセンの組み合わせが最高。ロンドンにおけるロシアンマフィアの物語。平穏な日常の下にある狂気、そして大きなロシア問題。シャープな映画でお薦め。
「歩いても、歩いても」是枝裕和監督の家族ドラマ。どの家族の中にもあるちょっとしたずれ、思い違いが醸し出す家族のドラマです。日常の会話の中にそれが顔を出し、見ている人たちの共感を生んでいます。
樹木希林とYOUの会話、映像と会話のずれが生き生きしています。小津安二郎、向田邦子の世界でありながら、感性の違いが面白いです。お薦め。
「告発のとき」
イラク帰還兵士の帰還その後。戦争が狂気を生み出し、その狂気を隠そうとする軍隊と体制。その闇を剥ぎ取るトミー・リー・ジョーンズの演技は静かで、強くアメリカの父親像を演じています。缶コーヒーのCMの宇宙人とは異なり、リアル感がありました。
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■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第216号(2008/7/15) (c) 1999Japan Orientation
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